写真:Hiroko Oji
地図を見る北イタリアにおいて、ギザギザした岩山の壮大な眺めで人気を集めるドロミテ渓谷の西の起点となる町ボルツァーノ。自動車道や鉄道・バス路線が充実していて各地への移動が便利な古都です。1918年までオーストリア領だったこともあり、イタリア語とドイツ語の2カ国語が公用語であり、標識や案内板、看板、広告なども2ヶ国語で併記されています。
この町の中心地はヴァルター広場。町の人々の憩いの場となっている広場の中央には、中世ドイツの詩人ヴァルターの像が建っています。広場を取り囲む建物にはカフェやレストランが入り、テラス席が並びます。また、花の町というニックネームもあって、大きな植木鉢や花かごが広場を飾っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るヴァルター広場に面して建つドゥオーモは、14〜15世紀のゴシック様式、この地方独特である多色使いで勾配のある屋根が美しい教会です。1519年建造の天に向かう尖塔は、透かし細工の飾りで囲まれており、その高さは62メートルの鐘楼となっています。正面玄関や周囲を取り巻く壁面のレリーフは、14〜15世紀のもので、その黒ずみ具合が年季を感じさせています。
正面を飾るのは、ロマネスク様式のバラ窓で、玄関を守る獅子像も15世紀のロマネスク様式です。内部壁面には同時代のフレスコ画や、アーチの下には14世紀中ごろの「十字に架けられたキリスト像」が飾られています。後陣には、18世紀のグラツィエ礼拝堂が設置され、フレスコ画やロマネスク様式の彫刻が見応えあります。
写真:Hiroko Oji
地図を見る数ある古城の一つ「ロンコロ城」は、町の北側、サレンティーナ渓谷の入口にあります。ルンゴタルヴェラの緑に囲まれた遊歩道を歩いて、または自転車でサイクリングロードを走ったり、市バス12番やヴァルター広場から出ている無料シャトルバスを利用したりと、アクセスはとても便利なロケーションです。
1237年、標高361メートルのこんもりとした緑いっぱいの山の中腹、岩壁の上に建てられたお城で、何度も修復を繰り返し、現在あるのは19世紀に再建されたもの。城内に入ると石畳の中庭を囲むように石造りの建物が建っています。内部には14〜15世紀の騎士物語や貴族の日常生活、狩りの様子などのフレスコ画が壁面を覆い、外壁の一部にも残されています。窓から眺めるサレンティーナ渓谷の、緑溢れる葡萄畑の眺めがとても素晴らしいです。
ここでは、文化的な催し物がもたれたり、期間限定で中庭や城内の部屋で行われる特別展などもあります。城内のレストランでは、中世の雰囲気の中で美味しい郷土料理を味わえます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るボルツァーノの町中を東西にまっすぐ貫くように通っているアーケードのある通りがポルティチ通り。お店が建ち並ぶ町一番の繁華街です。両側に建ち並ぶ建物は15〜18世紀のもので、壁絵や出窓などの特徴のある建物に沿って、色鮮やかな果物や野菜が店先に並ぶ露店が、石畳の通りまで張り出すように並んでいます。特にエルベ広場一帯は通りの幅がこころもち広くなっており、賑わいを見せています。
エルベ広場の北側には、ゴシック様式のフランチェスカーニ教会が建っています。この教会には、1500年代の素晴らしい木彫りの装飾が施された祭壇のあるヴェルジネ礼拝堂に、優美な列柱がずらりと並ぶ14世紀の回廊があります。
写真:Hiroko Oji
地図を見る交通の要衝地として古くから発展してきた町は、今も自動車道や鉄道網の接続の要となっているのですが、町の周囲を取り囲む山の斜面は葡萄畑で覆われ長閑な風景が広がります。
ポルティチ通りを西へ向かって真っすぐ進み、タルヴェラ川に架かるタルヴェラ橋までやってくると、あたり一面お花と緑が溢れる風景が広がります。橋の上からはサレンティーナ渓谷の奥まで見通せ、川沿いには遊歩道が続いており、ロンコロ城やサン・ジェネシオへのロープウェイ乗り場までお散歩気分で歩いて行くことができます。橋を渡り終わった所には、勝利の記念碑・凱旋門がお花で溢れるロータリーの真ん中に建っていますので、お時間があればこの辺まで足を延ばしてみるのもよいでしょう。
ボルツァーノの町には、ここでご紹介したほかにも、見所がたくさんあります。
その一つ、ジョット派の14〜15世紀のフレスコ画が残る、ゴシック様式の教会・ドメニカーニ教会には、貴重なフレスコ画がある・サン・ジョヴァンニ礼拝堂はじめ、サン・カテリーナ礼拝堂や隣接のゴシック様式の回廊など見応えがあります。
また、タルヴェラ橋の手前には、旧石器時代から10世紀ごろまでの歴史を伝える展示品が並ぶ考古学博物館が建っています。この博物館の主役は、皆さんも一度はお聞きになったことがあるかもしれないあの「アイス・マン」!1991年にシミラウム氷河から発見された凍結ミイラ・オーツィです。約5300年前に、おそらく戦いのさなか死亡しそのまま氷河に閉じ込められたものであろうとのことで、保存状態が極めて良いことで話題になりました。博物館ではオーツィの姿はもちろん、衣装や、斧や槍などの持ち物、当時の様子を再現したビデオなど見ることができます。
コルチナやドロミテ渓谷、ガルダ湖などの観光の起点となるボルツァーノ、お天気が良ければ自然探訪がたっぷり楽しめます。お天気がすぐれなくても観光を楽しむスポットがたくさんありますので、是非、このボルツァーノでたっぷり時間をとって、有意義にお過ごしくださいね。
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(2024/4/25更新)
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