料理が最高の秘湯!魚沼市「駒の湯温泉駒の湯山荘」は温泉大充実のランプの宿

料理が最高の秘湯!魚沼市「駒の湯温泉駒の湯山荘」は温泉大充実のランプの宿

更新日:2016/05/12 19:05

藤田 聡のプロフィール写真 藤田 聡 温泉研究家、紅葉ガイド
駒の湯温泉駒の湯山荘(新潟県魚沼市)は、温泉浴場が充実したランプの宿です。11月中旬から4月下旬まで、冬季は雪に閉ざされ休業する秘湯ですが、山奥とは思えない程素晴らしい料理に驚かされます!

温泉自体は温めですが加熱した温泉も併設され、涼しい時期でも十分楽しめます。秘湯の中の秘湯とも呼ばれる素晴らしい温泉と、「宿の食事のお手本」だと痛感する程の夕食を中心に、駒の湯温泉駒の湯山荘の魅力を紹介します!

温泉好き憧れの混浴露天風呂!駒の湯温泉駒の湯山荘

温泉好き憧れの混浴露天風呂!駒の湯温泉駒の湯山荘

写真:藤田 聡

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駒の湯温泉駒の湯山荘には5つの温泉浴場があり、館内で温泉三昧が楽しめる、温泉好きに断然おすすめの秘湯です。源泉温度は33度と温水プールのような温度なので、全ての温泉浴場に源泉風呂と加熱浴槽がセットで完備しています。

日帰り入浴でも男女別露天風呂には入れますが、他の4つは宿泊者専用です。中でもブログや口コミでも一番人気で、多くの温泉好きが憧れるのが川沿いの混浴露天風呂。数年前の水害により湯小屋が流され、今は写真のように湯船しかありませんが、周囲の自然環境を満喫出来るので、今の状態の方が温泉好きには喜ばれます。しかし、雨風を凌ぐ為にいずれは屋根が再建されるので、温泉好きなら再建前に是非一度泊まってみて下さい!

「皆朱」の料理が「宿の食事の手本」のように見事!

「皆朱」の料理が「宿の食事の手本」のように見事!

写真:藤田 聡

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駒の湯温泉駒の湯山荘は、冒頭で紹介した混浴露天風呂の素晴らしさで知られますが、実際に宿泊して一番印象に残るのは、実は料理です。携帯の電波も圏外になってしまう山奥の秘湯なので、誰も料理に期待していないと思いますが、良い意味で予想を裏切って貰えます。

食事は江戸時代から伝わるという赤い漆器で頂きます。これは「皆朱」と言って、茶道でも千利休の命日など特別な日に用いる最上級の作法です。しかも、料理自体も非常に厳選されており、山の宿の食事としては最上級。中身外身ともに最高の料理が、山奥の秘湯で出るのですから本当に信じ難く、まさに目からウロコが落ちる思いがします。

料理内容のごく一部紹介すると、夕食の名物料理は魚沼牛のユッケです。牛肉の生食禁止化に伴い、外側を加熱した「タタキ」になっていますが、新鮮な肉でしか味わえない文字通り「とろけるような」美味しさで、刺身の盛り合わせと同様の満足感を得られます。朝食で印象的なのが地元の納豆で、品評会で日本一に2回なったという優れもの。大豆の特に大きな粒だけを集めて作られたという納豆は食べ応えも十分で、滋味豊かな味わいは山の宿の朝食にピッタリ。他にも、全ての食材が上記のように厳選されている事が、食べたたけでも伝わってくる料理に大満足出来るのです。

交通手段や保存手段が発達した現代では、山の宿でも海産物を出すこともできます。しかし、駒の湯山荘の料理は、本当に食べて貰いたい地元の料理を厳選して集めた結果として、海産物が出る幕が無くなったと納得出来る内容なのです。まさに旅の宿の料理とは、こうあるべきという見本を見せられたと痛感します。かつて経験した事が無い程、深い感銘を覚える料理を是非一度ご賞味下さい!

駒の湯山荘の混浴露天風呂は、夜の風情も素晴らしい!

駒の湯山荘の混浴露天風呂は、夜の風情も素晴らしい!

写真:藤田 聡

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駒の湯温泉駒の湯山荘はランプの宿として知られる通り、夜の風情も最高です。混浴露天風呂は水害で照明も流されたので、今は左上の通路の街灯しかありません。街灯だけでも肉眼なら十分ですが写真撮影用に、宿の玄関にある貸出用照明器具の中で、一番大型のLEDランタンを持参して撮影しました。

唯一日帰り入浴出来る、離れの男女別露天風呂へ行く時も、照明器具を借りて行きます。なお日帰り入浴は、以前は休憩舎と呼ばれる男女別内湯でしたが、老朽化の為に建て替えられ男女別露天風呂になっています。

駒の湯山荘では、多数の温泉浴場で湯巡りが楽しめます!

駒の湯山荘では、多数の温泉浴場で湯巡りが楽しめます!

写真:藤田 聡

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駒の湯温泉駒の湯山荘の温泉浴場は、既に紹介した混浴露天風呂と男女別露天風呂の他、男女別内湯と2つの貸切露天風呂の合計5つです。なお厳密には男湯は混浴なので、男性は5つしか入れませんが、女性は7つの浴場全てに入れます。女湯から男湯に入る専用の通路があるのです。

写真は貸切露天風呂の様子ですが、駒の湯山荘を紹介したブログや口コミを見ると、2つある貸切露天風呂の片方が赤いテントのような屋根で、赤い色が落ち着かないと書いてある場合があります。しかし、既に改善されており赤い屋根はありませんので、安心して全浴場を楽しむ事が出来ます。

駒の湯山荘の客室照明はランプが2つ!

駒の湯山荘の客室照明はランプが2つ!

写真:藤田 聡

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駒の湯温泉駒の湯山荘の客室は、本館と新館があります。そして、最上級の部屋が、写真の囲炉裏付き角部屋です。温泉と食堂の食事という、部屋以外での楽しみが充実した宿なので、客室にこだわる必要はありません。しかし、初めて泊まるなら、やはり角部屋がおすすめです。

客室にはランプが2つあり、囲炉裏側のランプは本物のランプですが、布団側のランプは電球になっています。夜になると電球が断然明るいので、文明の利器の有り難さを痛感します。このように、普段気付けない事に気付けるのも、秘湯の大きな価値です。また、そうした不便さを面白いと思える人こそ、本当の意味で秘湯を楽しめる人に違いありません。

秘湯中の秘湯に大感激!駒の湯温泉駒の湯山荘

駒の湯温泉駒の湯山荘の温泉は温いので、本来は夏向きの温泉です。しかし、豊かな自然環境の影響で、夏は虫が多いので、虫が居ない涼しい時期がむしろおすすめ。加熱浴槽もあるので、涼しい時期でも十分温泉を楽しめます!

駒の湯温泉の手前には対照的な大温泉地、大湯温泉がありますが、実は駒の湯山荘の創業者は大湯温泉の旅館経営者でした。しかし、豊かな自然を求めて、この地に移転したのです。時代を先取りした先見の明に、驚かされます。

温泉の素晴らしさから秘湯中の秘湯と呼ばれますが、温泉だけでなく料理も素晴らしくランプの風情も楽しめる、日本でも数少ない温泉宿です。温泉好きや秘湯好きなら一度泊まれば大感激して、愛用の宿になるに違いありません!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/09/30−2015/10/01 訪問

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