新緑の京都「祇王寺」はモフモフの苔が素晴らしい庭園!

新緑の京都「祇王寺」はモフモフの苔が素晴らしい庭園!

更新日:2018/04/30 16:30

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
多くの寺院が点在する広大な観光エリア、京都嵯峨野にある「祇王寺」は、小さいながらも紅葉の名所として知る人ぞ知る名刹。新緑から夏にかけてはオフシーズンですが、京都でも指折りの見事な苔の庭園として知られています。平家物語にある悲しいの逸話も残る「祇王寺」で静かに物思いにふけってみませんか?

その苔のボリュームに驚愕!夏の「祇王寺」は苔を見よ!

その苔のボリュームに驚愕!夏の「祇王寺」は苔を見よ!

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京都・嵯峨野といえば人気の観光エリア。ひと口に嵯峨野といってもかなり広く、1日かけてもまわりきるのは少し大変な程に多数の寺社が点在しています。

その嵯峨野でも嵐山から離れたエリアは奥嵯峨野とも呼ばれ、訪れる人も少し減ってくる穴場ゾーンでもあります。その奥嵯峨野にある「祇王寺」は紅葉の美しい穴場的な名所として知られています。夏は逆にオフシーズンともなる「祇王寺」ですが、夏には見事な苔の庭園が観光客を迎えてくれるのです。

京都でも随一の苔の庭園!

京都でも随一の苔の庭園!

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京都には世界遺産の苔寺(西芳寺)など、苔で有名な庭園はいくつかあります。そんな名だたる寺院の中でも「祇王寺」の庭園の苔は間違いなく5本指には入ろうかという見事なもの。10種類以上の苔がモフモフに育った庭園は、苔マニア歓喜の苔の楽園!

見る角度によっては京都ではなく、屋久島の森の中にいるような鬱蒼とした雰囲気すら漂う苔の庭。一目見ただけでも、実によく手入れがされているなぁということが容易に想像できる名庭園です。ぜひ色んな角度から苔の庭を楽しんでみてください。

悲しき祇王の伝説を伝える「祇王寺」

悲しき祇王の伝説を伝える「祇王寺」

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お寺というよりは草庵と言った方がしっくり来る「祇王寺」は、この苔の庭を中心に楓と竹林に囲まれた小さな寺院。そもそも「祇王寺」はもともと法然上人の門弟・良鎮によって創建された往生院の跡地にあります。

一時は広い敷地を誇った往生院は荒廃したのち、小さな尼寺となっていました。往生院は平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が、仏御前に愛を奪われて捨てられた後、母や妹とともに尼となり庵を結んで余生を過ごしたとされている地なのです。この逸話は「祇園精舎の鐘の声」で始まる平家物語の第一巻「祇王」にも記されています。

※白拍子とは平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こった歌舞で、及びそれを演ずる芸人のこと。

存続の危機を乗り越えた「祇王寺」

存続の危機を乗り越えた「祇王寺」

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しかしその往生院は明治に起こった廃仏毀釈によりなんと廃寺に。しかしそこに伝わっていた哀しい物語に心を動かされた当時の京都府知事・北垣国道氏と大覚寺によって「祇王寺」は再建!現在の祇王寺の建物はその際に寄贈されたものなのです。

ともあれ「祇王寺」はこうして平家物語の悲話を今に伝える遺構でもあり続けているのです。境内には鎌倉時代作とされる祇王、祇女、その母刀自の墓である宝筐印塔と、平清盛の供養塔があります。

とにかく絵になる「祇王寺」

とにかく絵になる「祇王寺」

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「祇王寺」はこじんまりとした寺であり、散策できる範囲は広くありません。速足で何も見ずに歩けばものの5分で境内を一周してしまえるほどです。しかし、当然ながら5分で済むわけはありません。どこを切り取っても絵になる素晴らしい景色、癒しに満ちた非日常空間は5分を30分にも1時間にも替えてしまうのです。

そんな立ち去り難い魅力のある「祇王寺」は紅葉の名所だけにしておくだけではもったいない!ぜひ苔の青々とした初夏から夏に訪ねてみてください。きっと心身ともに癒されること間違いないでしょう。

祇王寺の基本情報

住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
電話番号:075-861-3574
拝観料:300円
アクセス:京福電車「嵐山」下車徒歩約20分、JR嵯峨野山陰線「嵯峨嵐山」下車徒歩約30分、市バス「嵯峨釈迦堂前」下車徒歩約15分

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/05/01 訪問

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