夕陽に染まる黄金色の絨毯 〜曽爾高原(奈良県曽爾村)

夕陽に染まる黄金色の絨毯 〜曽爾高原(奈良県曽爾村)

更新日:2023/09/22 08:42

津田 泰輔のプロフィール写真 津田 泰輔
奈良県と三重県の県境付近に一面がススキ野の一帯がある。
曽爾高原(そにこうげん)と呼ばれるこの場所は、春から夏にかけては緑の草原。そしてなんといっても、秋にはススキの穂先が夕陽に染められて、一面が黄金色の絨毯に変わる。
この秋、幻想的な風景の中に溶け込んでみてはいかがだろうか。

秋には多くの観光客が訪れる曽爾高原

秋には多くの観光客が訪れる曽爾高原

写真:津田 泰輔

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秋の曽爾高原は、美しい風景を一目見ようと数多くの観光客が訪れる。週末には臨時駐車場が設置されたりして交通の便は良くなっているが、その一方で手前の道路には車の長い行列ができることもあるから注意しよう。
駐車場に停めても、どこにススキ野があるのだろうという感じだが、駐車場から階段を登って上にあがると、息を飲むほどの景色が飛び込んでくる。
一面のススキ野、山の斜面もすべてススキ野。本当に見渡す限りのススキ野なのである。
よく見るとススキ野の間を縫うように木道が設置されてあり、道は山の頂上まで続いているのがわかる。人が山の中腹を斜めに登っていっているのがわかるだろうか。

湿原となったひょうたん型のお亀池

湿原となったひょうたん型のお亀池

写真:津田 泰輔

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まさにススキの中を抜けて、先ほど見えていた山の斜面を登って行くと、ススキの草原の中に池のようなものが見える。
ひょうたんの形をした池はお亀池と言って、湿原化した池である。水はほとんど見えず、木道の下をちょろちょろと水が流れているのが程度だが、貴重な湿原の植物や虫達の宝庫になっているらしい。
そういう自然保護の理由もあって、道を作っているところ以外は立ち入り禁止になっている。むやみに立ち入らないように注意しよう。

山の斜面は西向きになっているので、傾いてきた日差しがススキの穂先を透過して銀色に輝く。そしてもう少し時間がたって夕陽になってくると、このススキの穂先は黄金色に変わる。

ちなみに斜面を登りきった先は倶留尊山(くろそやま)に続いており、軽登山のレベルになってしまうが、景色の良い稜線上を歩くハイキングを楽しむことができる。

陽が傾き草原は幻想的な風景に変わる

陽が傾き草原は幻想的な風景に変わる

写真:津田 泰輔

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陽が傾きあたりが暗くなってくると、曽爾高原の草原は幻想的な雰囲気に一変する。
黄色く染まった夕陽が、ススキの穂先をさらに色濃く染め上げてる。逆に茎の部分は影になって、光と影のコントラストができ、まるでススキのイルミネーションのようだ。

夕方から日没までのゴールデンタイム

夕方から日没までのゴールデンタイム

写真:津田 泰輔

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黄金色に輝く絨毯が見られるのは、夕方から日没までのわずかな時間だけ。しかも天気が良い日限定の特別サービス。
そして、このタイミングを狙ってたくさんのカメラマンも集まってくる。

曽爾高原は標高が700mぐらいある山の中である。都心より幾分涼しく、気持ちの良い風が吹くが、当然天気は変わりやすく、好天に恵まれない日も多い。
雨が降れば、下が湿原のためか霧が発生することも多い。
霧が発生すれば、遠くまで見渡せる眺望はなくなってしまうが、霧の中をどこまでも続くかのようなススキの森に迷い込んでしまうのも、それはそれで幻想的かもしれない。

一日の終わりを感じる

一日の終わりを感じる

写真:津田 泰輔

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幻想的な風景に夕陽が落ちる。日常では気にすることのない一日の終わりを感じることができる。


秋のシーズンには日が暮れてからも燈篭に明かりがともされ、プチイルミネーションが楽しめる。
また、少し麓に下ったところには、「お亀の湯」という温泉施設もあり、地ビールの楽しめるお店もある。
曽爾高原は大阪から車で約2時間。紅葉より少し前に秋を感じる旅に出かけてみてはいかがだろうか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/10/16 訪問

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