レストラン列車「ろくもん」は長野県上田に居城があった戦国大名真田家の家紋六文銭から命名されれている。車両は、JR九州の豪華列車「ななつ星」をデザインした水戸岡鋭冶氏によってデザインされ、木をふんだんに使った車内は、さまざまな形のテーブルや椅子があり、乗客が自由に利用出来るソファや子供たちが遊べる木のプールなどが設けられている。
列車は3両編成で色は、真田幸村の赤備えをイメージした濃い赤(ろくもん赤)を基本配色に真田家の家紋である「六文銭・結び雁金・州浜」を金色で配している。
1号車は家族連れなどのテーブル席の指定席で食事の提供はない。2号車と3号車が食事付きのレストラン列車で、2号車は4人席に窓側を向いたグループ席が用意され主に3人以上のグループ向け。そして3号車は通路の両側を障子で仕切った個室仕様の二人席になっていてとっても落ち着ける空間に仕上がっている。
席に着くとすでにテーブルの上にはパンと軽井沢ジャムで有名な「沢屋」のジャムなどが用意されている。紙製のランチョンマットは、模様が2種類。どちらもろくもんのイメージロゴ。そして、しばらくすると、ドリンクのオーダーを取りに来る。ワインとビールは、ろくもん限定オリジナルラベルが用意されている。沢屋オリジナルの紅玉りんごジュースに沢屋ブルーベリージュースそして小布施屋のりんごジュースふじ。信州・安曇野北アルプスの清らか天然水雪山しずくは全員にサービスされる。
軽井沢駅を出発し、しばし浅間山に見とれているうちにオードブルが配られる。もちろん料理のメニューは季節によって変わるが、信州産の小麦を使った沢屋オリジナルのパンに、ジャムは無添加低糖度の新鮮果実を使った沢屋のブルーベリージャムとりんごジャム。地元の高原野菜をふんだんに使ったオリジナルメニューだ。車窓からの浅間の稜線を見ながらいただくことは至福のひととき、乗って良かったと思える瞬間だ。
小諸駅に到着すると担当のレストランが替わる。軽井沢のジャムで有名な「沢屋」からチーズの名店「アトリエ・ド・フロマージュ」になる。沢屋「こどう」のシェフがろくもんの出発をホームで見送ってくれる。その間にテーブルにはメインディッシュが配膳される。自家製のチーズをたっぷりと使い、地元産の黒毛和牛に有機無農薬野菜をふんだんに盛りつけたシェフ自慢の創作料理だ。
メイン料理をいただいている間に列車は田中駅に到着。北国街道の宿場町で卯建(うだつ)が残る民家で有名な海野宿の最寄りの駅。胡桃が名産だ。駅で待機していたのは、地元の花岡菓子舗の店員さん。車内をまわり一つずつ胡桃のお菓子を配ってまわる。ホームでは、アトリエ・ド・フロマージュのシェフが手を振ってお見送り。
田中駅を発車するとすぐにデザートタイム。アトリエ・ド・フロマージュのスイーツが配られる。ろくもん柄カップのコーヒーは、軽井沢、モカソフトでも有名なミカド珈琲のもの。軽井沢を発車して1時間あまり。爽やかで甘いデザートは、気持ちも体ももうリフレッシュさせてくれる。
軽井沢を発車しておよそ1時間20分。ちょうどランチを食べ終わったころ上田駅に到着。上田駅では武将真田の赤備えの兜とハッピそしてのぼり旗を持った上田駅の駅長さん自らが出迎えてくれる。(駅長さんではない日もある)そしてホームではNHK大河ドラマ「真田丸」さながらの撮影タイム。地元としてはこれは観光PRの大きなチャンス。乗客も代わる代わる兜とハッピとのぼり旗を持っての記念撮影。なんとシャッターを押してくれるのが上田駅の駅長さん!
停車時間は10分なので撮影後は、そのまま最後尾1号車から乗車。そこにはお土産コーナーや乗車記念スタンプコーナーなどがある。用意されている駅長さんの帽子をかぶり、乗車記念プレートを手に持って記念写真をとる時は、アテンドさんがカメラのシャッターを親切に押してくれる。乗車記念品などのお土産を手に入れるのもいい。
レストラン列車の食事はここまでなので、戦国武将ゆかりの上田城を訪ねるならここで降りるのも良いだろう。上田城は駅から徒歩で数分の近さだ。
「ろくもん」はしなの鉄道上田駅を出発。すぐに車窓右側には上田城址公園がみえ上田城の櫓が確認できる。列車は、戸倉駅の手前で沿線唯一のトンネルに入るや、スピードダウン。車内アナウンスで、「ろくもんは昼間の運行のため、夜の体験が出来ません。今はトンネルの中ですが、夜だと思ってしばし夜間走行をお楽しみください」。なるほどテーブルの上のランタン照明が際立って夜の雰囲気も満喫でき心憎い演出だ。短いトンネルをゆっくり時間をかけて通過し戸倉駅に到着。戸倉上山田温泉の最寄り駅だ。
ホームではその戸倉上山田温泉の温泉で入れたお茶をサービスしている。ちょっと温泉の味がするお茶だ。その横では真田家の家紋六文銭をイメージした温泉まんじゅうの販売もある。6個入りではなく8個入りなのはご愛敬。
列車は戸倉駅を発車、またお土産を配りにアテンダントさんがやって来る。信州聖高原の田毎味噌と冠着(かむりき)醤油だ。ちょうど列車が今走っているあたりの千曲川を挟んだ向こう側の山が有名な姥捨山。田毎の月でも有名だ。姥捨山は別名冠着山ともいいそこにちなんだ味噌と醤油のお土産をいただける。
のんびり2時間半余りの「ろくもん」の旅も川中島を超えれば間もなく長野駅に到着で終了となる。
レストラン列車「ろくもん」は超人気列車でチケットの入手はかなり難しい。発売は乗車日の2ヶ月前の1日から。運転日も限られ席数も48席しかないので早めにプランを立てよう!しなの鉄道のWEBページでは空席状況も公開されているのでこちらをチェックするのも忘れずに。
レストラン営業は上田駅までなので上田で下車して真田丸ゆかりの地を訪れるのもよし、終点長野乗車し善光寺へのお参りや戸隠方面へ足を延ばすのもいい。今回は紹介できなかったが、上りの和懐石の「ろくもん2号」も人気だ。
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