マリア様ご光臨の聖地、ボスニア・ヘルツェゴビナ「メジュゴリエ」の教会

マリア様ご光臨の聖地、ボスニア・ヘルツェゴビナ「メジュゴリエ」の教会

更新日:2016/05/25 11:11

藤 華酉のプロフィール写真 藤 華酉
聖地と聞けば、メッカやルルドの泉を思い出される方も多いでしょうか。ヨーロッパで今ホットな聖地は、最近(1981年)にマリア様がご光臨されたボスニア・ヘルツェゴビナにあります。
ボスニアの村、メジュゴリエは聖地としての観光地です。普通の教会には飽き飽きの方に、マリア様グッツであふれるお土産屋、モニターで行われるミサ、大型観光バスで詰め掛ける信者…と、一風変わった現代の聖地巡礼の旅はいかがでしょうか。

「メジュゴリエ」はどこにあるの?

「メジュゴリエ」はどこにあるの?

写真:藤 華酉

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メジュゴリエは、ボスニア・ヘルツェゴビナという東ヨーロッパの小国の中にあります。
ボスニア・ヘルツェゴビナという名前の国もまた新しく、以前はこの辺りの地域は「ユーゴスラビア」と呼ばれていました。近代史に残る激しい内戦、ユーゴスラビア戦争の後、生まれたのがこの国です。終戦後は農業国・観光国として治安も安定しつつありますが、まだまだ「戦争の国」という負のイメージが強いのもボスニア・ヘルツェゴビナです。

メジュゴリエの奇跡

メジュゴリエの奇跡

写真:藤 華酉

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小さなメジュゴリエの村にマリア様ご光臨の奇跡が現れたのは、1981年のことです。
特別信心深い訳でも貧しい訳でもない数人の若者達の前に現われたマリア様は、世界平和や預言など、いくつかの言葉を若者達に残しました。以来、見える人にとっては、メジュゴリエには今でも毎日マリア様が光臨し続けているそうです。そんな噂を聞きつけて押しかけた信者達を収容するため、田舎村だったメジュゴリエには立派な教会やステージができ、信者観光客向けのお店が立ち並ぶ立派な町になりました。

しかし、バチカンから派遣された調査団の公式結論では、メジュゴリエの奇跡は否定されています。
「聖母が言った」とされている予言は外れる事も多く、その上この奇跡を巡ってはスキャンダルが続出。奇跡が証明されない事や、余りに商業的観光地になりすぎた事もあり、メジュゴリエはカトリック教会には、奇跡の場所とは認められていないのです。

現在のメジュゴリエ

現在のメジュゴリエ

写真:藤 華酉

現在のメジュゴリエは、バチカン市国からは聖地とは認められていません。調査は断続的に続いていますが、怪しい→きわめて怪しい→非公認と否定度は増す一方です。

にも関わらず、メジュゴリエの聖地の駐車場はいつも観光バスでいっぱい。ミサのある日には、各地から信者が詰めかけ、教会だけは収容できないために、屋外にライブステージが出来た程です。

メジュゴリエの来訪者、単なる観光客だけではなく、真剣に信仰を求める人々も少なくありません。また、そうした人々に応える為に、派閥を超えて様々な神父様方が在籍しています。教会の敷地内のあちこちにブースを構えて座る神父様方と、病院で順番を待つかのように椅子に座って待つ信者の人々……といった光景は、完全に観光地になった壮麗な教会では見られません。メジュゴリエは確かに、信仰の根付いた土地なのです。

メジュゴリエの楽しみ方

メジュゴリエの楽しみ方

写真:藤 華酉

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では奇跡を信じきっている信者でなければメジュゴリエを訪れる意味はない…?少なくとも英語が喋れないと神父様に相談事も出来ないし……

なんて事もありません。メジュゴリエは「金儲けに走りすぎたがゆえに」聖地認定されていない場所でもあります。なので、教会の周辺にはヘンテコなお土産屋さんがたくさん。マリア様ブロマイド、マリア様フィギュア、マリア様プリントTシャツ……こんなお土産は此処でしか買えないのではないでしょうか。他所の教会では見たことがありません。
レストランにも事欠きません。ボスニア・ヘルツェゴビナは畜産自慢の国ですから、お肉は何でも美味しく頂けます。ケバブやステーキはいかがでしょうか。聖地には向いていないメニューのような気もしますが、美味しいですよ。

メジュゴリエへの行き方

メジュゴリエへの行き方

写真:藤 華酉

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メジュゴリエへの交通は、ほぼバスに限られています。
また、ボルニア・ヘルツェゴビナという国そのものがまだ観光地としてはマイナーな事もあり、多くの観光客はクロアチア経由で訪れる事になります。クロアチアの一大観光地、「ドブロブニク」からは日帰りで容易に行ける立地条件もあり、特に夏場は沢山の観光バスが出ています。

おわりに

新進気鋭の聖地、メジュゴリエへの興味は沸かれましたか?
ヨーロッパには少なくない数の聖地があります。しかし、バチカン市国が認める「本物の」聖地、ポルトガルのファティマやフランスのルルドの奇跡、既に一世代も二世代も前の話。メジュゴリエが多くの信者を集めるのは、今もまだ調査中である、と言う話題性の為かもしれません。平和も戻り、今は観光国としても一歩を踏み出し始めたボスニア・ヘルツェゴビナ。まだまだ珍しい観光地のメジュゴリエは、一風変わった旅を求める方にお勧めの場所です。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/08/09 訪問

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