サンダルで三県ひとまたぎ!栃木市「渡良瀬遊水地」のややこしい県境

サンダルで三県ひとまたぎ!栃木市「渡良瀬遊水地」のややこしい県境

更新日:2016/10/04 14:09

Naoyuki 金井のプロフィール写真 Naoyuki 金井 神社・グルメナビゲーター
栃木県栃木市にある「渡良瀬遊水地」は、洪水対策の為に作られた広大な調整池。"栃木県にある…"とは云いながら、そのエリアは群馬、栃木、茨城、埼玉の4県に跨っています。
広大な遊水地ですので、複数の県に跨ることは珍しいことではありませんが、三県境をひとまたぎできる全国でも非常に珍しいスポットなのです。複雑に入り組んだ県境のなせる業、"三県境ひとまたぎ"の新観光スポットをご紹介いたします。

全国でも稀有なややこしい県道

全国でも稀有なややこしい県道

写真:Naoyuki 金井

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渡良瀬遊水地の前にある「道の駅きたかわべ」。
関東北部のオアシスである渡良瀬遊水地前のスーパー堤防上にあり、駅内のスポーツ遊学館では、ヨット、カヌー、自転車が利用できて遊水地でのアクティビティが楽しめます。また、農村レストランの手打ちそばはリピーターが訪れるほど人気です。

その道の駅きたかわべと渡良瀬遊水地の間にある県道9号線。正式名称は『栃木県道・群馬県道・埼玉県道・茨城県道9号佐野古河線』と大変長い県道名が付けられています。全長19kmの内、渡良瀬遊水地に沿った僅か約10kmの区間は、栃木県栃木市→群馬県邑楽郡板倉町→埼玉県加須市→群馬県邑楽郡板倉町→栃木県栃木市→埼玉県加須市→茨城県古河市と目まぐるしく4県4市をまたぐ、全国でもまれな県道です。

可愛らしいハートの貯水湖

可愛らしいハートの貯水湖

写真:Naoyuki 金井

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「渡良瀬遊水地」は、栃木県栃木市・小山市・野木町、茨城県古河市、埼玉県加須市、群馬県邑楽郡板倉町の4県6市町村にわたる33平方km、東京ドーム700個分の広大さです。洪水時の調整池の役割を持っていますが、常時、水を溜めているのは第一調整池のなかの《谷中湖》で、その形状から“ハートの貯水湖”として親しまれています。

1912年から始まった遊水地工事と共に、当時、遊水地の西側をうねるように流れていて県境でもあった《渡良瀬川》の付け替えが行われ、東側を流れる現在の配置になりました。しかし、川の付け替え後に県境の変更を行わなかったことから、旧渡良瀬川の川筋に造られた県道9号線にうねったままの県境が残り、日本でも珍しいややこしい県道が産まれたのです。

4県どこからでもサイクリング

4県どこからでもサイクリング

写真:Naoyuki 金井

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4県6市町村の広大な渡良瀬遊水地は、つりやボートなどを楽しむ「湖ゾーン」、花や鳥などの自然と親しむ「親水ゾーン」、谷中村の歴史を残す「歴史ゾーン」、そして野球・テニス・サッカーなどの「スポーツゾーン」があります。様々な楽しみ方ができる遊水地ですが、特にお勧めするのがサイクリングです。

広大なエリアを太陽の光と風をうけながら爽快に走る気分は最高です。勿論、レンタサイクルも充実しており、谷中湖湖畔の《谷中湖子供広場レンタサイクルセンター》、栃木県藤岡町の《遊水池会館レンタサイクルセンター》、埼玉県加須市の《道の駅きたかわべ》、群馬県板倉町の《わたらせ自然館》の4か所のレンタサイクルが相互利用できます。また、茨城県古河市にも相互利用はできませんが《まちなか再生市民広場》レンタサイクルがあり、全て最寄り駅近くにあるので、何処から行っても楽々サイクリングができるのです。

グルメも喜ぶハートのダムカレー

グルメも喜ぶハートのダムカレー

写真:Naoyuki 金井

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渡良瀬遊水地には自動販売機はありますが、レストランなどが無いのでサイクリングでそのまま駅方面に行きましょう。渡良瀬遊水地の最寄り駅は、JR宇都宮線にある茨城県の《古河駅》、東武日光線にある埼玉県の《新古河駅》《柳生駅》、群馬県の《板倉東洋大前駅》、そして栃木県の《藤岡駅》とここでも4県に跨っています。

グルメにお勧めは藤岡駅にある『NICO2 にこ亭』。ダイニングと宴席のあるかなり大きなお店で大正11年創業の老舗です。ダイニングではランチ等のメニューが充実しており、ボリューミーでリーズナブルと大好評。その数あるメニューのなかでも一押しが《ハートのダムカレー》です。この区域を空想の国「ハートランド」として地域振興を目指す“渡良瀬遊水地ハートランド構想”というのがあり、そのプランに基づき、栃木市からお店に依頼されて考案されたのが、このダムカレー。地元の“藤岡イモフライ”とのセットは話題性と共に味もしっかりのグルメにも嬉しい逸品です。

サンダル履きで三県境をひとまたぎ

サンダル履きで三県境をひとまたぎ

写真:Naoyuki 金井

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4県にまたがる渡良瀬遊水地の究極のスポットが、遊水地から徒歩5分ほどの田んぼにある、群馬・栃木・埼玉県の『三県境』です。全国に“三県境”は48か所あるのですが、その殆どは山地か河川の中なので行くことができないか、行けてもかなり険しい行程です。しかし、ここは何と「サンダルでひとまたぎできる三県境」と売り出し中の観光スポットなのです。

群馬・栃木・埼玉の三県は長い間不明だった県境を測量し、2016年4月1日から正式に三県の境界点を確定したのです。これにより群馬県板倉町、栃木県栃木市、埼玉県加須市の三市は、全国でも唯一簡単に越えられる三県境として観光化に取り組み、共同して看板や臨時駐車場などを作り始めています。何気ない田んぼの光景が、いつの日か賑やかな観光スポットになっているかもしれません。

※写真では排水用U字溝が交わる地点が県境点で、上部が群馬県、右側が栃木県、そして左側が埼玉県です。

最後に。。。

歴史と地理と自然の溢れる摩訶不思議な「渡良瀬遊水地」のトリビアにちょっと関心を持たれましたか?
全国唯一のややこしい県道、全国でも珍しい県境、そして4県が支える渡良瀬遊水地の取り合わせを一度、見学されてみてはいかがですか。
4県にかこまれていますので、周囲の観光地も紹介できないほど多いので、是非、お天気の良い日に訪れてみてはいかがですか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/26 訪問

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