灯台マニア必見!レア度満点の伊豆遺産?!東伊豆「旧稲取灯台」

灯台マニア必見!レア度満点の伊豆遺産?!東伊豆「旧稲取灯台」

更新日:2016/04/21 15:35

東伊豆町の「旧稲取灯台」は、明治時代の洋式灯台で六角形の変わった形の灯台です。海の難所として知られた岬に建てられ、日本で最初に女性の灯台守が誕生した歴史もあり、町指定文化財になっています。「旧稲取灯台」は、今となっては斬新なスタイルで、レトロな灯台が見られる必見処! 併せて、現役で活躍する稲取岬にある「稲取岬灯台」との「新vs旧」の見比べも、ご紹介します。知られざる穴場な史跡へ出掛けませんか?

歴史を刻み込んだ輝ける旧稲取灯台!

歴史を刻み込んだ輝ける旧稲取灯台!
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こちらが、東伊豆町にある「旧稲町取灯台」です。灯台と言えば「高さがあって、白色が美しい」と思い浮かべてしまうかもしれませんが、この灯台は如何なものでしょうか? 灯台と言うよりは、石燈籠と言った感じ。高さがそれ程なく、ずんぐりむっくりした形で、その上、帽子のような物を被っていて、灯台とはかけ離れたイメージではありませんか?

この旧稲取灯台は、昭和60年に復元されたもので、明治42年に完成した当時は、漆喰が塗られ白色だったようです。石造の六角形をしていて、西洋式の灯台ができる前、江戸時代に活躍していた「灯明台(とうみょうだい)」のような形をした古典的なスタイルです。昭和20年までの約37年間活躍していましたが、現在は使われておらず、海図から外されているので、知る人ぞ知る幻の灯台です! 今では、滅多に見ることができない昔ながらの物で、灯台好きな人にとっては、穴場の必見スポットです。

日本初!女性灯台守の記念すべき灯台

日本初!女性灯台守の記念すべき灯台
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この灯台ができる前、幕末は狼煙台・灯明台が置かれ、史跡に所在することなどから、灯台は町の文化財に指定されています。史跡や灯台の構造などが凄いところですが、実は、日本で最初に女性灯台守が誕生した歴史的なところでもあるのです!

日本映画の黄金期を築いた、名監督「木下惠介」の灯台守夫妻にスポットを当てた作品「喜びも悲しみも幾年月」に代表されるように、灯台守は男性が主でした。しかし、ここでは「萩原すげ」と言う女性が灯台守に抜擢され、驚くことに若干17歳で看守に就いたそうです。当時は、国家資格合格者でなければ使えない「マントル式点灯器具」が使われていて、国家資格を取る為に、片道凡そ25kmの道のりを、徒歩で通いつめ資格を取得。その後、大正3年から昭和17年までの約27年間、灯し続けていたそうです。

この灯台は、難所と知られていた岩礁の断崖の真上に建てられていたので、一日として灯を絶やすことはできず、台風などの風の強い日は、人一人入れる広さの石室に、一晩中うずくまって、番をしていたそうです。今とは違って壮絶な苦労があったそうで、勇気や力強さを頂けるようです。高さ3.3mの頼りなさそうな灯台ですが、光達距離は10海里(18,520m)もあり、晴れた日は、新島まで光が届いたそうです。ここに灯台が建てられたのは、海を見渡せる見晴らしの良いのが理由の一つですが、北東から吹く「ならい」と呼ばれる特有の風が当たらないことも理由の一つのようです。ここに来ると、さっきまで吹いていた風が急に静かになるのを体感できるので、是非、体験してみて下さいね。

終戦後の昭和29年9月になると、廃灯になり使われなくなりましたが、この後、新しくできた「稲取岬灯台」との見比べができてしまうのが面白いところ。お次は、そんな灯台をご覧頂きましょう!

前代未聞?!灯台の新旧対決

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こちらは「稲取岬灯台」です。先程の旧灯台は「伊豆稲取駅」からタクシーで約8分。旧街道に面した山手のトモロ岬に、位置していましたが、こちらは、山とは逆方向。駅から車で約5分の海に突き出た稲取岬の高台に位置しています。船や航海技術が発達すると、光達距離が長い灯台が必要となり、難所である伊豆半島沖を航行する船舶の安全を願って、昭和47年3月に設置点灯されました。

白亜が美しく、空の青色に生えて見るからに綺麗な灯台で、コンクリート造りの塔形をしています。高さは19mあって、光達距離は、20海里(約37km)。旧稲取灯台が役目を終えてから約18年しか経っていないのにもかかわらず、光達距離は2倍です。その上、遠隔操作ができる無人の自動式になっています。灯台一つにしても、時代の流れが感じられ、構造もこれほどまで違っていて、見比べができるのはここならでは。

ここを訪れたら絶対見たい!開放的なパノラマ

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先程の旧稲取灯台と違って、ここは360度のパノラマが見渡せる稲取岬にあって、水平線まで見られる壮大な景色を眺められます。空の青と海の青が、実に綺麗なので、ここに来たら是非見ておきたいところ。ここから夕焼けも見られ、段々と薄暗くなる頃に、灯台から放たれるロマンチックな光りは、見た人の心を虜にしてしまう美しさでしょう。

稲取岬灯台は、白い光が30秒間にピカッピカッと4回光る「群閃白光」。マニアにとっては、灯台の光り方ひとつにしても、たまらない魅力的なポイントのようで、見逃せないところですよね。灯台の近くに、詳しい案内が書かれた看板があるので、見逃さずにご覧下さい。

おわりに

如何でしたか? 旧稲取灯台は「日本の灯台50選」には選ばれていませんが、歴史が刻み込まれた素晴らしい灯台なので、新しくできた稲取岬灯台と見比べられるのは、ここならではの楽しみ方!

旧稲取灯台は、女性初の灯台守がいたことから、別名「乙女の灯」とも呼ばれているそうです。灯を守り続けた、素晴らしい女性なので、ここを訪れれば、女子力UPするかもしれませんよ! 皆様にあまり知られていない、とっておきの伊豆遺産なので、是非訪れてみては如何でしょうか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/22 訪問

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