三輪山は大神(おおみわ)神社のご神体にあたる山です。
そもそも、日本では自然に存在するものすべてに神が宿ると信じられていました。これは「草木国土悉皆成仏」との仏教の考えと近く、そういった共通な部分が日本人が外から入ってきた仏教を受け入れやすかった理由の一つかもしれません。
神道では、大きな木や山、滝などが信仰のシンボルとなっています。そして、ここ三輪の地では、山がご神体、そして蛇が神様の使いとされています。
大神神社の御祭神の「大物主大神」は国造りの神である「大国主神」が、自らの魂を三輪山に鎮めたことがはじまりです。
大神神社は方除、医薬、酒造などの神として、また生活全般の守護神・明神さんとして信仰されています。
大神神社へは、JR三輪駅を下車して、大きな鳥居を越えて東へ進み10分ほどです。
鳥居をくぐり、拝殿前の手水舎で手、口を清めてから拝殿へと向かいます。拝殿の奥には、「三つ鳥居」があるのですが、非公開となっています。ただし、参集殿で申し込みをすれば拝観する事も可能です。
拝殿の前には「巳の神杉」と呼ばれる巨大なご神木があります。ここには神様の使いの「蛇」が住むと言われ、たくさんの卵が供えられています。
今回取り上げる三輪山への登り口は、大神神社を正面に見て左側、つまり北東にある狭井神社にあります。狭井神社に着いて、本殿にお参りしてから、左側の社務所で参拝の受付をします。
本殿の左手奥には、神水が湧き出る「狭井」という井戸があり、「薬水」として信仰されています。
通常、神社のご神体というのは神殿の奥深くに秘せられ、見ることはおろか、触れることなど考えられないところが多いですが、こちらの大神神社ではなんとご神体を見られるだけではなく、ご神体に登ることができるのです。
ただし、ご神体ですから身心を清めてから入る必要があり、いくつか決め事があります。
まずは、「三輪山参拝証」の襷(たすき)を入山料を払って貸していただきます。次に、御幣で自分を清めることが必要です。
カメラ、携帯電話での撮影は禁止。飲食は基本的には禁止ですが、体調を維持するためにご神水をわけていただき持っていくことができます。また、杖も貸していただけます。
三輪山は高さ467m、周囲16キロの小さな山です。が、ゆっくり歩くと上るのに2時間弱、下りにも1時間弱ほどかかり、道も登山と変わらない山道で、しっかりした靴を履く必要があります。
登拝道の入り口にある注連縄をくぐるといよいよ神域に入ります。空気が変わったように感じられます。
しばらく歩くと、小さな丸太橋があります。濡れているとすべるので要注意。標高270mの地点にあるのが「三光の瀧」行者さんが修行をされる場所です。
ところどころ、緩やかになる部分はあるのですが、基本的にはずっと急坂です。階段あり、木の根道ありで、足元にはずっと気をつけて歩かないといけません。
2/5ほどのところにあるのが、中津磐座。この地点で標高は365mとなります。その後も急坂が続きます。裸足で登拝されている人も見られ、土下座して祈りを捧げられている人を見かけることも少なくありません。
中津磐座からはしばらく何も目印になるものはなく、歩き続けます。大きな杉の木が見えてくると、木に包まれるような空間を過ぎて、高宮神社(こうのみやじんじゃ)です。ここで手を合わせてから、歩くことしばらくで、最後の奥津磐座に到着します。
ここまでくると、本当に心が洗われたようにすがすがしい気持ちになります。仲間たちで騒ぎながら登ってきた人たちも、すっと静かになるのは何かを感じるからかもしれません。
神社で神事が行われる日が一年に数日あり、その日は登ることはできません。
また、天候の悪い日などで危険と判断された日も登拝することはできません。
最後に、下山は4時までに終える必要があります。
ここ大神神社のある地、桜井は纒向(まきむく)と言われ、古代ヤマト王権の中心地です。また、日本書紀や古事記、万葉集のふるさとでもあります。
このあたりには大きな前方後円墳が多く残され、中でも「箸墓古墳」は大和朝廷以前の「卑弥呼」の墓ではないかとされています。
また、このあたりには、「十二柱神社」「大夫天神社」「相撲神社」「檜原神社」など、強力なパワースポットがたくさんあります。
一日では回りきれないほどの歴史とパワーの宝庫ですが、一つずつお参りすることで、パワーをたくさん身に着けることができるかもしれません。
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(2024/4/24更新)
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