和歌山県屈指のミステリースポット!?沼地を漂う「浮島の森」

和歌山県屈指のミステリースポット!?沼地を漂う「浮島の森」

更新日:2016/04/13 10:40

やまざき にんふぇあのプロフィール写真 やまざき にんふぇあ 一人旅ブロガー
熊野三山の一つである熊野速玉大社の門前町、新宮。古くから門前町、そして新宮城の城下町として栄えました。この新宮市の中央には小さな沼があり、その沼の上には何と森が浮かんでいます。さらにこの森には、ある不思議と恐ろしい伝説が隠されているのです。今回は、和歌山県でも屈指のミステリースポットと言っても過言ではない浮島の森をご紹介します。

住宅街の中に突如現れる沼地と森

住宅街の中に突如現れる沼地と森

写真:やまざき にんふぇあ

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新宮駅から10分ほど住宅街を歩くと、家々の隙間から突然森が現れます。さらに近づいてみると、ただの森ではなく沼に浮かんでいることが分かります。

沼は一辺が約100メートルの長方形の形をしており、浮かんでいる森は60メートル×90メートルほどの大きさをしています。さっそく森の中へと足を踏み入れてみましょう。

なぜ沼に浮く?森に隠された歴史

なぜ沼に浮く?森に隠された歴史

写真:やまざき にんふぇあ

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繰り返しになりますが、この森は沼地に囲まれているのではなく、沼地の上に浮いています。今でも常に移動しているそうです。では、なぜ森が沼に浮くことができるのでしょうか。

この森の下部ですが、湿地に生息するヨシやカサスゲなどといった植物が枯れて十分に分解されないまま泥炭になり堆積したものでできています。この泥炭は水より軽く、この泥炭の上に植物が生えた結果、水に浮く森が誕生したのです。当然泥炭なので非常にやわらかく、まともに歩くことはできません。決められた通路のみを歩くように注意しましょう。

北方系から亜熱帯系までの植物が共存する不思議空間

北方系から亜熱帯系までの植物が共存する不思議空間

写真:やまざき にんふぇあ

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この森の不思議なところは沼に浮いている点だけではありません。森の中を歩いているうちに、植物に詳しい方なら違和感を覚えるかもしれません。

この森にはスギ、ヤマモモを始めとした130種類もの植物が生えているのですが、何と北方系の植物(ヤマドリゼンマイなど)と亜熱帯の植物(テツホシダなど)が共存しています。このような混生は非常には珍しく、昭和2年に天然記念物に指定されました。

美女が飲みこまれた!?恐ろしい伝説の残る蛇の穴

美女が飲みこまれた!?恐ろしい伝説の残る蛇の穴

写真:やまざき にんふぇあ

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森の中を歩いていると、写真のような丸い形の穴に出くわします。この穴は蛇の穴(じゃのがま)と呼ばれ、森のほぼ中央に開いています。この穴にはある恐ろしい伝説が隠されています。

昔、おいのと言う近所でも評判の美女がこの辺りに住んでいました。おいのは父親と浮島の森に薪取りに来ていました。休憩中にお弁当を食べようとしたのですが、箸を忘れてしまったことに気づきます。島の中で枝を折ってきて箸にしようと考えたおいのは、森の中に入っていきました。しかし、いつまで経ってもおいのは戻ってきません。怪しんだ父親は森に様子を見に行きます。するとそこには大蛇がいて、おいのを今にも飲みこもうとしていました。父親が助けようとしましたが間に合わず、おいのを飲みこんだ大蛇は沼の中に姿を消しました。

その消えた穴がここだと伝わっています。実際に棒を刺し入れたところ、10メートル以上入ったそうです。

最後に

いかがでしたでしょうか。
和歌山県を訪れた時は、この不思議で少しだけ怖い浮島の森に足を運んでみてください。そして、訪れた時には決して通路からはおりないでください。あの大蛇が今でも、人を引きずりこむ機会をねらっているかもしれませんよ。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/12/29 訪問

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