古くから湯治客が多く訪れ腰痛などに効果があると言われてきた指宿温泉。「みだれ髪」などで有名な明治時代から活躍していた歌人、与謝野晶子も訪れており、砂むしの光景を見て歌に残したと言われています。そんな「砂むし温泉」は近年になって鹿児島大学医学部の教授らが調査を行い、その温泉が持つ効能が医学的に証明されました。
「砂むし温泉」の特徴としては、(1)寝て入るので、頭・足先・心臓の位置が平行になり、血液の循環が良くなる。(2)体にかかる砂の圧力で心臓から送られる血液量が増加する。(3)55度前後の高温が血管を拡張し、全身環流を促進する作用がある。その結果、通常の温泉入浴の3倍〜4倍の効果が期待できるそうです。
効能:神経痛・リウマチ・腰痛・関節痛・骨折・脳卒中後麻痺・むちうち・やけど・虚弱児・アトピー・痔・ぜんそく・糖尿病・胃腸病・不妊症・貧血・冷え性・全身美容など。
指宿駅から車で5分。有名旅館が建ち並ぶ摺ヶ浜地区は長さ約1kmの砂浜に温泉で加熱された部分があり、砂むし温泉の名所として知らています。しかし、この「砂むし温泉」体験はどこの旅館でもできるわけではありません。実際には砂場など施設が整った旅館の方が少ないの現状です。
そこで、誰もが気軽に足を運び「砂むし温泉」を楽しめる施設として「砂むし会館 砂楽」があります。砂むし用浴衣やバスタオルなど(有料)は用意されているので手ぶらで利用できるのがうれしいところ、指宿に宿泊しない方でも気軽に立ち寄ることができます。
※顔や頭を覆う砂よけの用の手拭いが別途必要となり販売されております。
「砂むし温泉」の入浴といっても具体的にどのようにするのか経験しないとわからないものです。まずはフロントで受付をすると専用の浴衣を渡されるので脱衣所で着替えます。発汗作用の妨げとなるので下着や水着などはつけず裸の上に浴衣を着ます。
準備ができたら、海岸へ出られる出入口から外に出ます。ここから砂むし温泉がある海岸脇まで少しだけ歩きます。なお、スマートフォンやカメラはビニールに入れて持って行くことができ、係に人に記念写真をお願いすることができました。
入浴する場所は海岸に設置された全天候型砂むし場と、気候が良く干潮時で砂の状態が良い日に体験できる波打ち際での砂浴のどちらかになります。なお、全天候型砂むし場は屋根があるので雨天の場合でも利用できます。
では、いよいよ砂むし温泉の入浴を体験。係の人の指示で砂の上に横になると温泉で暖かくなっている砂を顔以外の体中にかけられます。熱すぎないか確認をしながら砂をかけられた後は、しばしじっとしています。しばらくすると体中がポカポカ暖かくなってくるのを感じ、だいたい10分位すると体中から汗が噴き出してくるのがわかります。汗をかくことにより体中の老廃物が排出されるので美肌など美容効果にもいいと言われています。
砂場は男女一緒なので家族や友人と一緒に入浴できるのは楽しいですが、誰が最後まで頑張れるか競ったりせず、きちんと各自の判断で終了してください。終了する場合は、砂から手を出してお腹周りなどの砂をどかして起き上がります。この時、体中から汗が噴き出したことで、とてもスッキリと爽快な気分を感じることができます。
これで砂むし温泉の入浴は終了。ある程度砂を落としたら、そのままの格好で案内に従って脱衣所近くへ戻ります。砂の付いた浴衣を返却してシャワーで体中の砂を洗い流したら、大浴場でのんびりリフレッシュ。とても気持ちがよく、体がリセットされたような感じを経験できます。
医学的にも認められた砂むし温泉の効果。こんな素晴らしい体験ができるのは日本中探しても、ここ指宿温泉くらいしかありません。鹿児島市内からは少々離れていますが、周辺には長崎鼻、開聞岳、知覧の特攻平和会館や武家屋敷など観光スポットがたくさんありますので、ぜひ、周辺観光と合わせてのんびりと何泊か滞在してみてはいかがでしょうか?帰る頃には砂むし温泉の効能が実感でき、また来たいと感じると思いますよ。
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(2024/4/26更新)
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