ケルン「ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館」ルーベンスからルノワールまで超名画を堪能!

ケルン「ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館」ルーベンスからルノワールまで超名画を堪能!

更新日:2016/04/21 16:38

世界遺産の大聖堂が有名なドイツでは4番目の大都市ケルンには是非行ってみたい、素晴らしい美術館がたくさんあります。その100以上ほどある美術館の中から、その中でも決して観光に欠かせない一押しの「ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館」をご紹介させていただきます。ここの美術館ではなんと、ルーベンス、レンブラント、ルノワール、モネ、ゴッホ、そしてなんとムンクの名画を一同に楽しむことができるのです!

中世の宗教画に夢見心地

中世の宗教画に夢見心地
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ケルン中央駅の大聖堂口を降り、大聖堂の横を抜けて市役所方向へ行くと、世界初の香水といわれているファリーナ香水博物館のちょうど反対側の道にこの美術館があります。駅からは徒歩にて南方へ10分(約700メートル)程歩くとすぐです。なんといってもここの目玉は、ルネッサンス、バロック、ゴシックの宗教画でしょう。

ケルンは中世やルネサンス期にはアルプス以北では最大の都市のひとつであり、ハンザ同盟の主要メンバーでもあった当時のケルンの財力が偲ばれます。

ケルンの大聖堂でも有名なシュテファン・ロッホナーの作品も

ケルンの大聖堂でも有名なシュテファン・ロッホナーの作品も
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ケルン大聖堂にある1440年に制作した3枚折りの祭壇飾り(アルターピース)の、ゴシック後期のドイツの画家シュテファン・ロッホナー(1400年-1451年)は有名ですが、ここでは彼の『薔薇垣の聖母』(1450年頃)はじめ、数点の彼の作品が展示されています。

ロッホナー特有の優しい丸顔のマリア様や、なんとなく手を差し伸べたくなる儚げなイエズス様、子供の姿をした天使たちが、まるで童話画のように愛らしく描かれています。

バロック派では、ルーベンスやレンブラントを観賞

バロック派では、ルーベンスやレンブラントを観賞
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「フランダースの犬」にでてくる、アントワープ大聖堂の『聖母被昇天』は皆さんご存知だと思いますが、こちらの『聖家族』(1634年)も大変有名です。マリア様とイエズス様を、マリアの従姉のエリザベート夫妻と子供のヨハネ(後の洗礼者ヨハネ)が囲んでいる美しい色彩の絵です。隣はヤコブ・ヨルダーンス『プロメテウス』ですね。ムリリョ『マグダラのマリア』やレンブラントの晩年の『ゼウクシスとしての自画像』もあります。

さてルーベンスがドイツ生まれであることはご存知でしたか?アントワープからドイツへ移民した両親のもと、ドイツのジーゲン(ケルンから約90Kmの距離)で生まれたルーベンスですが、幼少期はケルンで過ごし、父の死により少年時代から青年時代までをアントワープで過ごした後も、イタリア、スペイン、イングラントを行き来する生活を送ります。

というのも画家での名声はもちろんのこと、七ヶ国語を話した彼は、外交官でもあったんです。すごい才能ですね!スペイン王フェリペ4世とイングランド王チャールズ1世からナイト爵位を受けたのち、再びアントワープの邸宅で晩年を過ごします。

フランス印象派を代表するルノワールやモネ、後期印象派のゴッホまで

フランス印象派を代表するルノワールやモネ、後期印象派のゴッホまで
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ルノワール(1841年-1919年)といえば、『ブージヴァルのダンス』(ボストン美術館)、『都会のダンス』(オルセー美術館)が有名ですが、こちらは『婚約者たち』(1868年)という作品です。

これはルノワールの画家仲間、風景画で有名なシスレーとその婚約者を描いたとても暖かみの感じられる作品ですね。裕福な貿易商だった父が1870年の普仏戦争のあおりを受け破産したため、貧乏画家となってしまったシスレーが結婚が実際に彼女と結婚できたのは50歳をすぎてからだったそうです。

他に有名なクロード・モネの『睡蓮』シリーズの1作、印象派画家グループの中心的存在であったマネや、後期印象派ゴッホの『吊り橋』も展示されています。

その上なんとムンクの作品まであるのにはびっくり!

その上なんとムンクの作品まであるのにはびっくり!
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ノルウェー出身の『叫び』で有名なムンク(1863年-1944年)の作品『橋の上の4人の少女』です。

少し似た構図の『橋の上の少女たち』という絵では少女たちは3人で川を覗き込んでいますが、こちらは手前の一人の少女は顔を橋の中心に向けています。この少女は『橋の上の少女たち』でも一番手前に描かれているのですが、服装から同一人物だとわかります。

橋の中央に集まっている少女達が描かれたムンクの作品もあるようですが、『叫び』も橋の上と言う構図ですし、ムンクにとって橋は象徴的なものだったのかもしれませんね。

ルネッサンス、バロック派やロマン主義から印象派、20世紀絵画まで時間がなくてもたっぷり楽しめます!

この他にも有名なものに、フェルメールの作品にも影響を与えたといわれているオランダ人のホーホ『つがいのオウム』や、カナレット『ヴェネツィアの運河』、ハッケルト『月明かりのイタリアの港』、フリードリヒ・ネルリ『ベネツィアのピアツェッタ広場
の月明かり』など美しいイタリアが描かれた作品があります。

エドガー・ドガ『踊り子』(有名なオルセー美術館のものとは違います)、ポール・セザンヌ『西洋梨のある静物画』とたくさんの有名画家の作品が一同に会した美術館でありながら、お客さんも少なくこじんまりしていて、ゆったりした気分で絵画を堪能することができるある意味贅沢な気分を簡単に味わえる美術館でもあります。

地下の季節ごとの特別展示場を抜かせば、常設である1階から3階まで、ゆっくり見ても2時間もあれば充分全てを見ることができますので、忙しい旅行日程でもお薦めです。
ケルンに来たら是非寄っていただきたい、最高にお薦めの美術館です!

ケルン「ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館」(Wallraf-Richartz-Museum)
*開館時間:10時〜18時(※第1、第3木曜日は10時から22時まで)
*休館日:毎週月曜日
*観覧料:9ユーロ  
(2016年4月現在)

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/09 訪問

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