「和歌の浦遊歩道」は、伊豆急下田駅から車で約6分の距離にある、大浦湾に面した海岸の遊歩道です。下田市街から大浦へは、その昔、山を切り崩して作った「大浦の切通し」と呼ばれる、道幅が狭い道路を通って向かいます。海岸近くに、数軒の温泉宿や民家はあるものの、スーパーやコンビニなどは無く、のどかで昔から変わらない景観が保たれています。
弓なりになった海岸が大浦湾で、海岸に沿うように伸びている白い道が、和歌の浦遊歩道です。大浦湾から右手に見える三角形の赤根島のたもとにある下田海中水族館まで続く、全長約2.5kmの道。ここから見ると、海辺にある何気ない遊歩道に見えますが、一体どこが違うのか歩いて見ましょう!
遊歩道は、大浦湾の目の前にある伊東園ホテルズ「下田海浜ホテル」のすぐ近くから、舗装された歩行者専用の道路が続いています。右手に海を見ながら歩け、もう一方は、ハマダイコンなどの植物が覆う山に面しているので、波音や野鳥の声を聞きながら歩けます。
歩くたび、違った地形が広がり、見る角度によって、濃いブルーやエメラルドブルーなどに変化する美しい海を見られるのが魅力。遊歩道沿いには岩場があり、通ると人影に気付いて岩に隠れる魚やカニなどの様子が見えるほどの透明度!
遊歩道は、海側の景色だけでなく、山側の景色も見られる一挙両得な道。こちらは、遊歩道の入口から歩いて約7、8分の場所にある山手の様子。断崖のように剥き出しになった地形があり、上から湧き水が絶え間なく滴り落ちている光景が見られます。穏やかな海と違って、ちょっぴりジャングルのようなワイルドな景観ではありませんか?
ミシュランのセレクトの基準には、「美観」や「作りものでない本物としての魅力」というものがありますが、ここはまさにそう! 手を加えていないそのままの自然を生かした地形が見られるのも、ここならではの特徴の一つかもしれません。
大浦海岸は、その昔、海の関所と言われる「下田御番所」が置かれていたところ。大阪と江戸を結ぶ定期航路の寄港地だったことから、幕府は重要視をし、諸国の船を入港させ検問を受けていました。
海に浮かぶ岩の上に、その時代の名残と思われる灯籠や、大浦海岸に隣接する鍋田浜海水浴場近くの岩場などでは、船を繋ぎ止めておく穴のあいた「もやい石」があります。一見、どこの国でも見られるような海岸線ですが、日本的な風景が溶け込んだ海岸です。海の後ろに広がる山を見れば、春は山の所々にピンク色の桜が咲き、日本独特の景観を楽しめるので、外国から訪れる人も、きっと喜んだことでしょう!
和歌の浦遊歩道は、入り江に面していて、比較的波が穏やかな場所ですが、台風や悪天候の場合は、高波などの影響があるので歩かない方が無難です。また、平坦な道で歩きやすいですが、水しぶきがかかっていたり、ぬかるんだ場所があるので、歩きやすい靴で行くことをお勧めします。
伊豆急下田駅から少し遠く、アクセスが悪い場所にありますが、遊歩道近くの「下田東急ホテル」に宿泊すれば、駅からの送迎があって便利です。遊歩道は、個人差がありますが、片道約40分程度で歩けます。「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」から、寄り道する価値がある2つ星を頂いた「和歌の浦遊歩道」。自然に抱かれながら歩ける素晴らしいところなので、是非、寄り道して歩いてみては如何でしょうか?
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