雄大な太平洋を眼下に!名作映画のロケ地にも選ばれた志摩半島・安乗埼灯台

雄大な太平洋を眼下に!名作映画のロケ地にも選ばれた志摩半島・安乗埼灯台

更新日:2013/08/23 14:33

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
「日本の灯台50選」にも選ばれている安乗埼灯台は、その名のとおり、志摩半島・安乗埼の突端に立っています。全国の灯台のなかでもユニークな形状をしていること、名作映画のロケ地となっていること、現役の灯台としては珍しく、その内部に立ち入ることが出来ること。以上の3点からも、志摩半島を旅する折には、ぜひ訪れていただきたいスポットです。今回は、全国的にも珍しい安乗埼灯台の魅力をご紹介しましょう。

全国的に珍しい四角形の灯台

全国的に珍しい四角形の灯台

写真:乾口 達司

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安乗埼灯台(あのりさきとうだい)の歴史は、1681年、江戸幕府によって、燈明堂が建てられたことにはじまります。その後、1873年には、イギリスの建築家で「日本の灯台の父」と呼ばれたR・H・ブラントンによって、初代である木造八角形の灯台が建てられます。レンズは回転式のフレネル式多面閃光レンズで、日本ではじめて使用されました。当時の灯台は、現在、東京の船の科学館に保存されています。

2代目となる現在の灯台は、1948年に建てられたもの。写真をよくご覧下さい。あれ?と思いませんか?そうなんです。実はこの灯台、私たちがイメージする丸い円柱状ではなく、四角形をしているのです。

ここは、高峰秀子と佐田啓二が灯台守の夫婦役を演じた日本映画の名作『喜びも悲しみも幾歳月』(木下恵介監督)の舞台ともなったところで、敷地内にある灯台展示資料室では、安乗埼灯台の登場する映画の一シーンを映像や写真パネルで見ることが出来ます。

内部をぜひ見学しよう!全国に15基しかない貴重な参観灯台

内部をぜひ見学しよう!全国に15基しかない貴重な参観灯台

写真:乾口 達司

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安乗埼灯台は1988年に無人化され、2004年からは、一般に公開されています。常時、一般人の立ち入りが認められている灯台を「参観灯台」と呼びます。参観灯台は、2013年現在、全国で15基しかなく、安乗埼灯台を訪れたときは、ぜひ内部も見学してください。

狭い螺旋階段を上っていくと、やがて、灯火のある展望デッキに到着します。デッキの高さは、約13メートル。水面からの高さは、約33メートルです。展望デッキからは、雄大な太平洋を一望することが出来ます。写真は南方向を撮影したもので、海に突き出たように見えるのが、大王埼です。安乗埼灯台と同じく、その突端には、大王埼灯台が設置されています。

天気が良ければ富士山も!展望デッキからの抜群の眺め

天気が良ければ富士山も!展望デッキからの抜群の眺め

写真:乾口 達司

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こちらは北東方向を撮影した一枚です。写真では見づらいと思いますが、はるか遠く、渥美半島が写っています。天気が良ければ、遠州灘の彼方に、富士山を見ることも出来るということです。なお、岬に立つ灯台は海から吹きつける風が非常に強いため、展望デッキに立つときは、必ず手すりをつかんでおきましょう。

航海の守り神としての巨大なレンズ

航海の守り神としての巨大なレンズ

写真:乾口 達司

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展望デッキでは、灯台の心臓部というべき背後のレンズにも、目を向けて下さい。安乗埼灯台のレンズは15秒に1回のサイクルで閃光を発し、その光度は38万カルデラ。30キロ以上も彼方まで、光を届けています。まさしく、航海の守り神ですね。ちなみに、灯台展示資料室には、1950年から2005年まで使われていた第4等閃光レンズや、レンズの回転をおこなっていた水銀式回転機械が展示されています。

全国に数多く存在する灯台のなかでも、安乗崎灯台がいかに貴重で、魅力的な灯台であるかをご理解いただけたのではないでしょうか。志摩観光のメインストリートというべきパールロードからは車で20分ほどの距離にあり、アクセスも快適です。展望デッキから雄大な太平洋を一望し、旅の思い出を心に刻んでいただければと思います。

入場料:大人200円 小人無料

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/15 訪問

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