写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る池島は長崎県の西側に位置しています。長崎駅前から40分ほどバスに乗って桜の里ターミナルまで行き、次のバスに乗り換えて50分ほど進み、NTT大瀬戸で降りたところに大瀬戸港という港があります。その港からさらに40分ほどフェリーにゆられると、池島にたどり着きます。
遠くからみた池島の様子は何とも特徴的。灰色のアパート群が島の中央に建ち並び、下に茶色く錆びた巨大なクレーンや何かの施設、コンクリートで固められた崖が見えます。人工島ではないので緑は多いですが、軍艦島を彷彿とさせます。
上陸すると、すぐ目の前に船の待合室があります。そこではレンタサイクルを借りたり船やバスを待ったりすることができます。
周囲4キロの小さな島なのでレンタサイクルで回っても良いですが、島内は場所によっては坂がきつかったり道が草木に浸食されているため、バスで島の一番奥のアパート群に行き、休みながら徒歩で港まで戻ってくるという移動方法をお勧めします。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見る島の奥でバスを降りると、写真のような不思議な形の建物の群れが目に飛びこんできます。建ち並ぶ8階建ての建物はすべて封鎖されており、ところどころガラスが割れ、街路樹や雑草が好き放題に伸びています。
実はここ、かつて炭鉱で働いていた方々の社宅なのです。8階建てでありながらエレベーターはなく、代わりに4階と5階部分に渡り廊下がつけられています。これにより、他の社宅を訪ねる時に1階まで降りずに済むという工夫がされています。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るアパート群から港の方向に歩いて行く途中、火力発電所の前を通ることになります。1967年に発電を開始し、発電と発熱を利用した海水を真水に変える造水を行っていた池島の心臓部です。ですが炭鉱閉山の1年後、2002年に閉鎖されます。
錆びついた怪物のような外観は廃墟ファンや工場マニアにはたまりません。もちろん、池島の歴史を語る上でもマストスポットです。
写真:やまざき にんふぇあ
地図を見るここまでに2つ廃墟を紹介しましたが、もちろんこの島にはまだ多くの方が暮らしています。今までの説明だけだと閉山により無人島になりつつある寂しい島という印象を抱くかもしれませんが、そうとも言い切れません。
人が住んでいる場所に移動すると、ところどころで猫が日向ぼっこしている光景に出くわします。島の方々が集まって猫を愛でている光景を見ることも珍しくありません。
また、島で唯一の食堂兼売店の「かあちゃんの店」では元気なお母さんが長崎ちゃんぽんを始めとした料理をふるまってくれます。店の壁には訪れた多くの客のサインやイラストが描かれており、じっくり見てみると有名漫画家や旅ブロガー、アニメーターなどそうそうたる面々がここを訪れているようです。
美味しい料理をふるまってくれたお母さんへの感謝や、島の感想についてつづられた文章を見ていると、これ以上この島の過疎が進みませんようにと願わずにはいられません。
軍艦島の跡を追うように過疎化が進んでいる池島ですが、その歴史、残された建物、そして温かい雰囲気を目当てに訪れる人は後を絶ちません。
あなたも軍艦島とセットで池島を訪ねてみてはいかがでしょうか。
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(2024/4/19更新)
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