シェイクスピアを育んだ街 英国「ストラトフォード・アポン・エイボン」

シェイクスピアを育んだ街 英国「ストラトフォード・アポン・エイボン」

更新日:2017/05/23 11:45

Lady Masalaのプロフィール写真 Lady Masala 知られざる名所案内人、蚤の市マニア
ストラトフォード・アポン・エイボンで生まれ、今もそこに眠るシェイクピア。イギリスを代表する劇作家であり、詩人でもあったという彼のことを知らぬ者はないでしょう。
故郷の美しい自然とそこでの体験が、彼の作品に多大なる影響を与えていることは想像に難くありません。彼を育んだ「シェイクスピアの生家」、妻の家族が住んだ「アン・ハサウェイの家」を訪ね、シェイクスピアの軌跡をたどってみることにしましょう。

世界で最も価値のある書物「ファースト フォリオ」

世界で最も価値のある書物「ファースト フォリオ」

写真:Lady Masala

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シェイクスピアの軌跡を辿る旅の幕開けに相応しいのは、街の中心部にある「Shakespeare’s Birthplace(シェイクスピアの生家)」。土産物店やカフェが立ち並ぶおしゃれな通りに、歴史を感じさせるハーフティンバー様式の建物が見えたなら、そこが目指す場所です。

世界で最も価値のある書物「ファースト フォリオ」

写真:Lady Masala

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まずは、生家の入り口となる「シェイクスピアセンター」で、世界に誇る劇作家に関する展示を見学しましょう。ここの目玉は、シェイクスピアの死後、彼と親しくしていた俳優仲間、ジョン・ヘミングスとヘンリー・コンデルによってまとめられたという最初の作品集「The First Folio(ファースト フォリオ)」。

シェイクスピアは、存命中に自身の戯曲を刊行することがなかったため、二人の存在なしには、私たちがシェイクスピアの全作品を知る機会を永遠に失っていたかもしれません。この作品集は、世界で最も価値のある書物の一冊に数えられる大変貴重なものです。

世界一有名な劇作家を育んだ「シェイクスピアの生家」

世界一有名な劇作家を育んだ「シェイクスピアの生家」

写真:Lady Masala

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シェイクスピアセンターでの見学を終えた後は、いよいよシェイクスピアが生まれ、結婚後も数年間住んでいたという家の内部へ。ここには、彼らの時代の暮らしぶりが詳細に再現されています。

2階にある決して広いとはいえない部屋で、ウィリアム・シェイクスピアは誕生したといいます。450年以上前の出来事に思いを馳せながら、自分がその場所に立っている喜びをかみしめずにはいられないでしょう。

世界一有名な劇作家を育んだ「シェイクスピアの生家」

写真:Lady Masala

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結婚後も妻と3人の子どもを抱えて、この家の一室で生活をしていたというシェイクスピア。子どもたちのためにも、広い場所に引越したいと常々考えていたのだとか。
故郷では彼らを養うために、職を転々としたといわれているシェイクスピアですが、革手袋職人であった父親の後を継ぐことも視野に入れ、その修行にも励んだといいます。

世界一有名な劇作家を育んだ「シェイクスピアの生家」

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何がシェイクスピアをロンドンへと駆り立てたのか、本当の理由は明らかになっていません。もしかしたら、田舎町の手袋職人のままで一生を終えていたのかもしれないシェイクスピア。人生、何が起こるかわからないというのは、まるで彼の残した戯曲のようです。

シェイクスピアが足しげく通った「アン・ハサウェイの家」

シェイクスピアが足しげく通った「アン・ハサウェイの家」

写真:Lady Masala

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シェイクスピアは、18歳で8歳年上の裕福な農家の娘アンと結婚しました。その時彼女は妊娠3ヶ月。
当時は、男女ともに25歳前後で結婚するのが一般的でしたが、男性は家族を養うために手に職をつけてから妻を迎えたといいます。職業訓練を終えていなかった若いシェイクスピアにとって、結婚は予想もしなかった出来事であったに違いありません。

シェイクスピアが足しげく通った「アン・ハサウェイの家」

写真:Lady Masala

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アンは、シェイクスピアの生家から徒歩で30分ほどの場所にある、ショッタリー村で生まれ育ちました。シェイクスピアも足しげく通ったであろうその道をゆっくりと歩いて、おとぎ話にでも出てきそうな、かわいらしい茅葺屋根のコテージ「Anne Hathaway’s Cottage & Gardens(アン・ハサウェイの家)」へ行ってみましょう。

シェイクスピアが足しげく通った「アン・ハサウェイの家」

写真:Lady Masala

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当時の裕福な小地主の生活を垣間見ることのできるコテージ内部には、暖かそうな暖炉とオーブンを兼ね備えたキッチンやベッドルームが再現されています。
ハサウェイ家に代々受け継がれてきたという家宝ともいえる天蓋つきの「ハサウェイベッド」は必見。オーク材でつくられたというその重厚なベットに施された美しい彫り物に注目してみてください。

また、「ハムレット」でオフィーリアが溺死する場面は、ショッタリー周辺の風景をもとにして描かれたといいます。若き日のシェイクスピアがアンとともに幾度も通り過ぎたであろう田舎道を、気の趣くままに散策してみてはいかがでしょうか。

「ストラトフォード・アポン・エイボン」でシェイクスピア体験

シェイクスピア・バースプレイス・トラストが運営管理をする「シェイクスピアの生家」、「アン・ハサウェイの家」には、中世の衣装に身を包んだ専門スタッフが常駐しています。当時の歴史や展示物についてのガイドはもちろんのこと、シェイクスピアに関する質問には何でも答えてくれる心強い味方です。

ストラトフォード・アポン・エイボンは、小ぢんまりとした、歩いて散策するにはちょうどよい街です。シェイクスピアに関連する施設のほとんどが徒歩圏内にあるので、伝統的な建築様式がそこかしこに残される古い街並みを眺めながら、シェイクスピアの生きていた時代に思いを馳せてみたいものです。

※関連MEMOには、「ストラトフォード・アポン・エイボン」で訪れることのできる施設を紹介した記事を掲載しています。よろしければ、そちらもご覧ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/08/15−2016/08/16 訪問

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