ご紹介する「長者ヶ原山つつじまつり」は、国道136号線を松崎方面から南伊豆方面へ車を走らせると左側にある「天神原植物園」の看板を左折し、そこから約10分車を走らせた「長者ヶ原山つつじ公園」で開催されます。長者ヶ原山つつじ公園がある天神原は、南伊豆町の北西部に位置する標高凡300mの山間地。戦後、食糧難などの緩和を目的に、原野を人力だけで開拓された土地です。そのためか、公園へ行く道は対向車とすれ違えない程とても狭く、大型バスでは行くことはできません。
バスで来る場合は「伊豆急下田駅」から天神原行きで約60分の「島見峠」バス停で下車し、徒歩で約15分。バスは1日に数本しか来ず、山の奥深い不便なところにあります。そんな場所にあるため、自然のままに咲く山つつじを見られるのです。
こちらは、公園にある管理棟を兼ねたビジターセンターです。ログハウス風の建物で、周りの景色と相まって素敵な佇まい。まつり期間中、センター内では、南伊豆町ならではのお土産や地場産品を売っていて、公園で見られる植物の説明展示もあるので、散策する前にここへ立ち寄るのがお勧めです。また、園内のトイレはここにしかないので、必ず寄って行くのが良いでしょう。
平成28年の「長者ヶ原山つつじまつり」は、5月5日(木)から5月20日(金)まで開催されます。まつりの詳細は、下記のMEMO【長者ヶ原山つつじまつり】よりご覧下さい。
公園と言っても、70ヘクタールもある広大な土地。名前に「長者ヶ原」とあって、原っぱをイメージしてしまいそうですが、ここは天神原の丘陵一帯で、公園の頂上展望広場は標高490mの場所にあります。遊歩道が整備されているので、頂上展望広場まで迷わず行くことができますが、ビジターセンターから頂上展望広場までの標高差は約100mあり、かなり急なコースです。そのため、遊歩道は、なだらかな道を歩ける「らくらくコース」、急な山道を行く「健脚コース」の2つがあります。健脚コースは、早く着くことができますが、景色をゆったりと眺めながら歩ける、らくらくコースをお勧めします。
コースを埋め尽くすように、コナラや桑などの木々が覆い茂り緑がたくさんあって目にも優しく、コアジサイ、うつぎ、アザミ、タンポポなど、子供の頃に見たような野に咲く花も見られ、心がほのぼのとしてしまうような光景が広がっています。ここには、ワラビが自生していて、嬉しいことに自由に採取可能。山菜が好きな人にとっては、嬉しい限りですね。
山つつじの自生地は、コースを道なりに進むとあります。コースの脇、山の斜面、頂上展望広場など、辺りを赤や朱色に染めていて、ひと目で山つつじだと分かります。少しまばらに咲いているように感じますが、一帯には約1万2千株の山つつじが自生していて、山林開発が進む時代、人の手が加わっていない状態で見られる凄く稀な場所。
人の背丈を超える大きな木があり、たった1本でも見応え充分! 立派に育っている植物から、たくましさをもらえてしまうようです。陽の当たり方によって、開花に多少バラツキがあるため、行く前にビジターセンターに寄って行くと、見頃な花の場所などを教えてくれますよ。
山つつじとは、日本の野生つつじの代表種。ここに咲くのは、日本固有のつつじの原種で、伊豆で見られる天城つつじ、大島つつじは、この山つつじの変種にあたるそうです。山つつじの木は高さ5m程までなり、晩春から初夏にかけて山を彩ります。枝先に2、3個花を咲かせ、雄しべは5つあるそうなので、是非とも数えてみて下さいね!
山つつじと一口で言っても、色は赤や紅葉色、朱赤色などさまざま。こちらの山つつじは、ピンク色のようにも見えますが、それにしても青空の下で伸び伸びと咲くつつじは気持ち良さそうですね! 自然の中、ありのままの姿で元気に咲いているので、より綺麗に見え、まるで見る人の気持ちにも元気を与えてくれるようです。
こちらは、変わって頂上展望広場からの景色です。展望広場へは、センターから約30分で行くことができ、素晴らしい景観を望めるところなので、是非とも行ってほしいところ。標高490mの場所にあり、遮るものがなくどこまでも続く山並みや、晴れれば富士山まで望めます。
野鳥の声が聞こえ、そこに吹く高原の爽やかな風。とってもほのぼのとしていて、心を穏やかにしてくれます。展望広場には、東屋があるので景色を見ながら、お弁当を広げても良いですね。また、山つつじのお花畑もあるので、是非探してみて下さいね!
公園内は、遊歩道は整備されていますが、舗装はされておらず、スニーカーで行くのがお勧めです。自然がいっぱいなので、虫よけ対策も忘れずに。また、屋外で日差しも強いので、帽子など紫外線対策も必要です。公園の近くには、日本の野生種だけが見られる山野草植物園「天神原植物園」もあるので、植物が好きな人は、こちらも併せて楽しんでも良いでしょう。
まつり期間中は、一方通行になるなど、道幅が狭い道路ですが行き来しやすいよう配慮されますが、安全運転を心がけて下さいね。「長者ヶ原山つつじまつり」は、駐車場や入園料は一切かからず、無料で楽しめます。日本固有の山つつじが自然のままに咲く光景は、滅多に見ることはできないでしょう。南伊豆へ訪れて、貴重な山つつじの花と出会ってみる旅は如何でしょうか?
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索