江戸っ子に愛された愛情と繁栄の神様!浅草待乳山聖天(歓喜天)

江戸っ子に愛された愛情と繁栄の神様!浅草待乳山聖天(歓喜天)

更新日:2016/03/28 12:25

遠い昔、推古天皇の御代、浅草の地に金の龍が舞い降り、後に十一面観世音菩薩が大聖歓喜天の姿となって現れ、干ばつに苦しむ人々を救ったといいます。これが東京・浅草の霊山「待乳山聖天宮」開創のご由緒。
以来、愛情と繁栄の神様として人々の信仰を集め、粋な江戸っ子の男女からも「まっちゃまの聖天様」として愛されてきました。心を清浄に心願成就を願い、浅草寺の一山・聖天様を拝みに行きましょう!

シンボルは二股大根と巾着。家も富み、心も豊かに 夫婦仲良く末永く

シンボルは二股大根と巾着。家も富み、心も豊かに 夫婦仲良く末永く
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大根は人間の迷いの心、瞋(いかり)の毒を表し、大根を供えることによって、聖天様がこの心の毒を清めてくださるのだといいます。巾着は財宝、即ち繁栄。身体を丈夫にし、良縁を成就し、慈しみ深く、夫婦仲良く末永く、一家の和合を保っていく。家も富み心豊かに…これが聖天様の功徳です。 

境内のあちこちに二股大根と巾着が印されています。石段にも本堂にも本堂の屋根にも。灯籠や提灯、石碑などなど。シンボル探しも一興です。
本堂の前には「ご自由にお上がりください」の立て札があります。本堂に上がって心願成就祈願を致しましょう。お供えの大根は境内で販売されています。帰りに聖天様おさがりの大根を頂けることもあります。

待乳山聖天では別途いろいろな祈祷もお願いすることができます。聖天様独特の祈祷は「浴油祈祷」と呼ばれるもの。聖天様を供養する際の神秘の修法で、毎朝聖天様に油を注いで祈祷します。どんなに心清らかにしても煩悩の汚れは身について行く。それを毎朝洗い流すのだそうです。個人の心願は7日間にわたって修法されます。
他に「別座祈祷」「華水供」などがあります。詳しくは待乳山聖天様へお尋ねください。

本堂では心静かに、心の中で真言を唱えます

待乳山聖天は浅草寺の一山、正式には「本龍院」と称し、十一面観世音菩薩と大聖歓喜天(聖天)様を祀ります。

そもそも聖天様とは諸説ありますが、インドの神ガナバティか、またはシヴァ神の息子であるガネーシャだといわれています。世の人々を怖れさせ、困らせていた邪神でしたが、十一面観世音菩薩に感化されて仏道に帰依、仏法の強力な守護神となった天部の神様です。
神様といっても仏神。待乳山聖天はお寺です、神社ではありませんので拍手はしません。本堂では心の中で静かに真言を唱えましょう。

真言は…
●歓喜天真言: おん きりく ぎゃくうん そわか
●十一面観世音真言: おん まか きゃらにか そわか
歓喜天様の真言は、とても強い真言といわれています。心静かに祈願しましょう。

本堂では心静かに、心の中で真言を唱えます
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お寺にモノレール?!

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待乳山聖天は少し小高い処にあって、江戸時代には素敵な眺望が楽しめたといいます。そのため、ご老人や足腰の弱い方のために「さくらレール」という短いモノレールが備えられており、本堂までこのモノレールで登って行くことができます。エスカレーターではなくモノレールですので、ちょっとした驚きです。行き届いていますよね。

境内の楽しみ…風情ある庭園やスカイツリー

境内の楽しみ…風情ある庭園やスカイツリー
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待乳山聖天の境内にはよく整備された風情ある庭園があり、庫裏の横にある庭園への入り口に架かる橋は、その名も「成就橋」。なるほどと頷けそうな名前です。

境内には、天明年間に作られた宝篋印塔や江戸時代に活躍した歌人・戸田茂睡の歌碑などもあります。本堂の周りを一巡りしてみましょう。 境内から間近にスカイツリーも望むことができます。
また、境内の外、裏の公園には池波正太郎さんの石碑があります。ここ待乳山は池波さんの生誕の地でもあります。帰り路に一寸寄ってみられてはいかがでしょう。

本数は少なく50分に1本程度ですが、浅草ROX〜雷門〜花川戸〜待乳山聖天〜今戸神社〜浅草花屋敷を巡回している「パンダバス」という無料バスが、本堂裏手にとまります。パンダ顔の可愛いバスです。残念ながら今は故障で運休中。再運行をはじめたら是非利用されてみてはいかがでしょうか。(運行状況、時刻表は別途ご確認ください)

待乳山聖天様参詣後はご本山浅草寺参詣がおすすめ

待乳山聖天様参詣後はご本山浅草寺参詣がおすすめ
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浅草は周辺に見どころ、霊験スポットもいっぱいです。待乳山聖天参詣後は本山「浅草寺」詣でがおすすめです。

2016年5月9日まで浅草寺伝法院で「大絵馬展」が開催されており、この期間は伝法院の庭も開放され、拝観、散策ができるようになっています。伝法院の庭園は国の指定名勝ですが、普段は拝観できません。超賑やかな浅草に、こんな静かなところがあったのかと驚くほどです。大きな絵馬も必見の価値が有ります。
また、伝法院の屋根の向こうに、五重塔とスカイツリーが並ぶさまも見事です。

雷門、仲見世通り、宝蔵門、観音堂、銭塚地蔵などなど、浅草寺散策も楽しみましょう。

聖天様・浅草寺参詣後はちょっと一息浅草グルメがおすすめ

聖天様、浅草寺参詣後は、吾妻橋・言問橋を渡ってみるのも一興です。隅田川を渡ればそこは向島、江戸時代には小梅村など、のどかな、文客も好んで住む土地でした。今でも「三囲神社」や「牛嶋神社」といった霊験あらたかスポットもあります。

霊験あらたかスポットで心を清浄に…帰りにはちょっと一息、浅草グルメを楽しまれてはいかがでしょう。浅草はグルメの街、選ぶに困るほどたくさんのお店が並んでいます。
お江戸東京浅草の充実した一日になります。きっと。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/03/08−2016/03/20 訪問

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