写真:乾口 達司
地図を見る「岡電」は岡山電気軌道が走らせる路面電車。1912年(明治45)、内山下線・内山下支線間で営業がはじまりました。つまり、この「岡電」、すでに百年以上の歴史を持っているのです。その後、路線の新設と廃止が繰り返され、現在は岡山駅前-東山間の東山線と岡山駅前-清輝橋間の清輝橋線の2路線が稼働しています。
JR岡山駅に降り立つと、岡山城・後楽園方面にまっすぐのびる桃太郎大通りを路面電車が往来しているのがご覧いただけるでしょう。写真はその起点となる岡山駅前電停(「電停」とは、路面電車における停留所の呼び名)の様子を撮影したものですが、岡山駅前電停からは東山線・清輝橋線の両方がのびているため、「岡電」に乗り込むには岡山駅前電停が便利です。
写真:乾口 達司
地図を見る「岡電」のもう一つの魅力は、バラエティー豊かな車両の数々。なかでも、目をひくのは、車両に猫の絵が描かれたご覧の「たま電車」。2009年にお目見えした「たま電車」は和歌山電鉄で人気の名物猫駅長「たま」をモデルにした電車で、車両には35匹のたま駅長が描かれています。
しかし、なぜ、岡山の路面電車に和歌山鉄道のキャラクターが描かれているのか、と疑問を持つ方も多いでしょう。実は岡山電気軌道は和歌山電鉄の100パーセント出資会社となっており、それにちなんで、岡山市民から要望の多かった「たま電車」を走らせることとなったのでした。しかし、岡山で和歌山ゆかりの路面電車を目にするとは、意外ではありませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る現在、自動車と同じ車道を走行する路面電車は全国的にも珍しいため、岡山を訪れたら「岡電」の雄姿を写真におさめたいと思う方もいらっしゃるでしょう。そんな方にお勧めしたいのが、ご覧の写真。写真は岡山の中心部を流れる旭川にかかる新京橋の上から撮影したものですが、岡山城をバックにして走るその姿は岡山ならではの風景であるといえ、必ずや旅の良い思い出となることでしょう。是非、ここからカメラを向けて下さい。
写真:乾口 達司
地図を見る「岡電」ならではの車両の特徴としては、何といっても、車両の上部に取り付けられた菱形のパンタグラフが挙げられます。パンタグラフとは、電車を動かすために必要な電気を得るための装置。パンタグラフにはさまざまな形状のものがありますが、岡山電気軌道の社長であった石津龍輔氏によって考案されたことにちなんで「石津式」と呼ばれる「岡電」のパンタグラフは、錘の重力で架線に追従させるという代物。車両というと、どうしても車両の本体部分に目がいきますが、「岡電」オリジナルのパンタグラフにもご注目下さい。
写真:乾口 達司
地図を見るもう一つ、注目したいのは、独特の構造を持った電停。写真は東山線の小橋電停を撮影したものですが、いったいどこに電停があるの?ただの道路にしか見えませんけど?といぶかる方も多いはず。そんな方は路面に注目!路面にペイントされた囲みスペースこそ、何と小橋電停なのです。
ご覧のように、電車の停留する場所がペイントされているだけで、マウンドアップなどのほどこされた安全地帯はありません。道路沿いの建物の脇にささやかな待機所や時刻表が設置されているとはいえ、知らない人はここが電停であるとは思わないでしょう。もちろん、自動車の往来は激しく、この場所で、長時間、電車の到着を待ち続けることはきわめて危険。ここから電車に乗り込む人は道路脇の待機所などで待ち、電車が来てから道路を横断して乗車することになっています。ちなみに、小橋電停の次の中納言電停も同様。「岡電」ならではのユニークな電停もあわせてご覧下さい。
「岡電」の魅力、おわかりいただけたでしょうか。特に東山線の沿線には、岡山を代表する観光スポット・岡山城や後楽園などがあり、JR岡山駅からだと非常に便利。岡山を訪れたら、是非、さまざまな魅力を持つ「岡電」に乗り、路面電車ならではの魅力を満喫して下さい。
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(2024/4/25更新)
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