路面電車の市電に乗り、「中央図書館前」で降りるとすぐ目の前が札幌市埋蔵文化財センターです。入り口は図書館と一緒になっており、向かって左手がセンターになります。
札幌市埋蔵文化財センターは、札幌市内の中心部よりやや南に位置し、中央図書館と併設となっています。館内に入ると出迎えてくれるのが、板状の土偶(レプリカ)です。きつねのように吊り上った目、からだ全体に描かれた工字文(こうじもん)という文様が印象的です。縄文時代の晩期のもので、お墓の上から見つかりました。札幌市N30遺跡から出土したものです。札幌市全体では500カ所以上もの遺跡があり、その半数が縄文時代のものです。
展示は、左から時計回りで時代順に見ることができます。旧石器文化にはじまり、縄文文化、続縄文文化、擦文(さつもん)文化、アイヌ文化期となっています。本州の時代区分と異なり、縄文文化の次に弥生ではなく、続縄文文化が続きます。オホーツク海沿岸に形成されたオホーツク文化も北海道ならではです。
展示されている土器群は、すべて手で触ることができます。当時の人たちが感じていたものをぜひ、ここで体感してみてください。
北海道へは北方のサハリンからやってきた人々や本州から渡ってきた人たちがおり、さまざまな文化交流があったことが出土品などからわかっています。特に、札幌駅のあたりは大規模な続縄文文化の遺跡があり、弥生文化の土器やオホーツク文化の石器なども出土しています。
当時の様子を再現したジオラマが展示されています。細部まで詳細に作られ、見応えがあります。そのまま続縄文時代にタイムトリップできるような迫真です。
続縄文文化に続く、擦文文化では本州で作られた須恵器なども数多く見つかっています。また、炉の跡からは、鮭の焼けた骨が沢山出土するなど、遡上する鮭は生活に欠かせないものであったようです。
施設内には体験コーナーがあり、土器(レプリカ)に触れたり、火起こし体験などができます。子供たちに人気があるのが、タッチパネル式のパソコンです。縄文にまつわるクイズがたくさん入っており、その難易度はかなりのもの。大人も子供と一緒に夢中になるとか。展示を見たあとは、クイズに挑戦して縄文人度をはかってみては?クイズに答えながら、縄文土器の作り方や縄文クッキーの作り方なども学べます。
今回ご紹介させていただいたのは、展示のごく一部です。珍しいのは、市内では他に出土例のない擦文時代の丸木舟片(舳の一部)の展示で、舳の形や飾りに特徴があります。他にもおよそ1000年前のわらじなど、貴重な展示があります。実際に足を運んでぜひ、古代の札幌を体験してみてくださいね。
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