駅を埋め尽くす謎の大量の名刺?JR肥薩線「いさぶろう・しんぺい号」に乗って立身出世を祈願!

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駅を埋め尽くす謎の大量の名刺?JR肥薩線「いさぶろう・しんぺい号」に乗って立身出世を祈願!

駅を埋め尽くす謎の大量の名刺?JR肥薩線「いさぶろう・しんぺい号」に乗って立身出世を祈願!

更新日:2013/08/20 12:40

常盤 兼成のプロフィール写真 常盤 兼成 学習塾経営・講師、フリーライター、旅行プランナー

熊本県の八代駅から鹿児島県の隼人駅を結ぶJR肥薩線には、人吉駅から吉松駅まで、「いさぶろう」と「しんぺい」という観光列車が走っています。この区間はループあり、スイッチバックありの大畑駅という駅があり、この駅舎に自分の名刺を貼ると立身出世をすると言われています。今回は日本三大車窓にも数えられている肥薩線に乗り、木造の大畑駅の駅舎に自分の名刺を奉納し、祈願する旅をご紹介しましょう。

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肥薩線の観光列車 いさぶろう・しんぺい号

肥薩線の観光列車 いさぶろう・しんぺい号

写真:常盤 兼成

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赤い色が特徴の列車がこちらに近づいてきました。こちらの列車が「いさぶろう・しんぺい」号です。正式には人吉から南下し吉松駅に向かう列車が「いさぶろう」号、吉松から北上し人吉に向かう列車が「しんぺい」号なのですが、列車の表示は「いさぶろう・しんぺい」となっています。

この列車の名前は、人吉から吉松までの鉄道が建設された当時の逓信大臣が山縣伊三郎という人物だったこと、また同区間が開通したときの鉄道院総裁が後藤新平という人物だったことに由来しています。ワンマン運転なのですが、観光列車であることから客室乗務員が乗車しており、車内改札や車内販売などを行っています。

日本でここだけ! ループ線の中にあるスイッチバック駅

日本でここだけ! ループ線の中にあるスイッチバック駅

写真:常盤 兼成

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人吉駅を出発した「いさぶろう・しんぺい」号は、次の大畑駅に向けて徐々に標高を上げていきます。大畑駅は日本で唯一、ループ線の中にある駅なのです。大畑駅に入線すると、運転士は車内を移動し、今進んできた方向とは反対側の運転席に座ります。駅を出発した列車は大畑駅からバックで進んでいき、ループ線の引き込み線まで進みます。ここで運転士は再び車内を移動し、はじめの進行方向の運転席に乗り込みます。ここからループ線を上っていき、肥薩線でもっとも標高の高い矢岳駅に向かっていくのです。

こちらの写真で説明しますと、人吉から来た列車は、いちばん手前の線路を左方向から大畑駅に入線します。大畑駅発車後は、中央にある線路をバックで左方向に進み、そこから向きを変えて、いちばん奥にあるループ線の線路を右方向に進んでいきます。ループ線は左にカーブしながらどんどん標高を上げていくという仕組みです。

1日に5往復しか走らないローカル線

1日に5往復しか走らないローカル線

写真:常盤 兼成

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大畑駅にある時刻表です。1日に5往復しか列車運行がありません。そのうち2往復が「いさぶろう・しんぺい」号です。そのため「いさぶろう・しんぺい」号は、観光列車でありながら、沿線の住民の足ともなっています。ほとんどが指定席なのですが、一部に自由席があるのは沿線住民のためです。

列車は通常2両編成で運行されますが、3両で運行される場合は、3両目は全席自由席となります。「いさぶろう・しんぺい」号は、運行区間の各駅で5分前後の停車時間を取ったり、矢岳駅付近の日本三大車窓が見られるポイントでは、列車のスピードを落としたり、しばらく停車したりするので、通常列車よりは所要時間が長くなっています。

また「いさぶろう・しんぺい」号は、吉松駅で鹿児島方面とを結ぶ「はやとの風」という特急列車と接続されているので、九州新幹線を利用し鹿児島方面から肥薩線を目指すことも可能です。

大畑駅は駅舎の外からもたくさんの名刺が見えます

大畑駅は駅舎の外からもたくさんの名刺が見えます

写真:常盤 兼成

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大畑駅は明治42年(1909年)開業のとても古い木造駅舎です。駅務室などを改築したことはありますが、建物自体は当時のままの面影を残しています。「いさぶろう・しんぺい」号の運行により、観光客がじわりじわりと増加したので、記念撮影に使えるボードや、郷土の民芸品「きじうま」をホームに設置したりしています。

駅舎内には造りつけの木造ベンチや、使いこまれた改札など、歴史を感じさせる雰囲気が観光客に人気で、「いさぶろう・しんぺい」号の乗客も、5分間の停車時間を使って、駅舎や駅舎内の写真を撮るなどして、大畑駅の雰囲気を楽しんでいます。

駅舎に多くの小さい紙が貼ってあるのが見えますが、これはほとんどが名刺です。大畑駅に名刺を貼ると出世するという話があり、訪れた人が貼りつけた名刺が、駅舎の壁一面に広がっています。

駅舎の壁を埋め尽くす多数の名刺 まるで神社の絵馬のようです

駅舎の壁を埋め尽くす多数の名刺 まるで神社の絵馬のようです

写真:常盤 兼成

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駅舎の壁はご覧のように数多くの名刺で埋め尽くされています。名刺以外にも定期券や、自分の名前を書いたメモなど、いろいろなものが貼り付けてありました。なかには子どもが書いたようなものもあって、ほほえましいものもありますし、感動的な文が書かれているのもあります。

願い事を書く人もいれば、旅の思い出や感想を残す人もいます。名刺を使って立身出世を祈願する人もいるので、大畑駅の駅舎がまるで神社のような存在になっているかのようです。理由はわかりませんが、これだけの人が貼っていくのですから、きっと何かしら見えない力が働くに違いありません。「いさぶろう・しんぺい」号の乗客も、停車時間を使って自分の名刺を貼りつけている人もいました。

大畑駅の南にある矢岳駅を越えると、肥薩線のハイライトである日本三大車窓が広がります。ローカル線ならではののんびりとした旅行が楽しめるだけでなく、列車自体も景色を存分に見られるような座席配置にしてありますので、お弁当を食べながら美しい霧島連山の風景をご覧になってはいかがですか。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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