渡良瀬遊水地の見所5選〜谷中湖の外側に広がるヨシ原と湿地の風景〜

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渡良瀬遊水地の見所5選〜谷中湖の外側に広がるヨシ原と湿地の風景〜

渡良瀬遊水地の見所5選〜谷中湖の外側に広がるヨシ原と湿地の風景〜

更新日:2016/07/22 11:01

大木 幹郎のプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター 大木 幹郎 巨木マニア、低山登山家、ブロガー

渡良瀬遊水地は、利根川の中流域にある日本最大の遊水地。関東4県(栃木、群馬、茨城、埼玉)にまたがる遊水地は、広大な水と緑の憩いの場として、多くの人々に親しまれています。最も人が訪れるのは、公園のように整備されたハート型の貯水湖・谷中湖の周辺ですが、その外側にも見所が。総面積は谷中湖よりも広大な、外側に広がる調節池から見所を5つ、ヨシ原と湿地の展望地をご紹介します。

遊水地の中央を流れる渡良瀬川

写真:大木 幹郎

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渡良瀬遊水地は利根川の中流域にある日本最大の遊水地で、面積は約33平方km、総貯水量は約17万立方kmもの広大なもの。利根川へ合流する渡良瀬川を東西に囲んだ形で、関東4県(栃木、群馬、茨城、埼玉)にまたがっています。利根川下流域の洪水調節と、水道水などの用水確保に機能している遊水地は、平野部にあるダムといえるでしょう。

広大な渡良瀬遊水地の中で最も人が訪れる場所は、南端にあるハート型の貯水湖・谷中湖です。ここは、周遊道や運動場が整備された公園の様で、キレイで過ごしやすく見所の多い場所。谷中湖に訪れたなら、その外側にも目を向けてみましょう。遊水地を代表する、広大なヨシ原と湿地の風景は、谷中湖の外側にあるのです。谷中湖の外側に広がる調節池の展望地を5つご紹介します。

展望地の1つ目、新赤麻橋から渡良瀬川の眺め(撮影は4月)。新赤麻橋は遊水地内にある最も大きな渡良瀬川に架かる橋で、第1調節池と第2調節池の中間にあり、北エントランスからの道で繋がっています。遊水地内で渡良瀬川を眺めるには絶好の場所です。

谷中湖の外側に広がる調節池について少し説明を。渡良瀬遊水地は、3つの調節池の区画に分かれていて、渡良瀬川の左岸に第1調節池があり、南端に谷中湖があります。そして、渡良瀬川の右岸の上流に第3調節池、下流にあるのが第2調節池。谷中湖は用水確保の為に常に水を湛え、3つの調節池は渡良瀬川とその支流が氾濫したときに水が流れ込む仕組みです。

第2調節池の広場から見る広大な湿地

写真:大木 幹郎

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展望地の2つ目、第2調節池の西側の堤防上にある広場。ここは展望地の1つ目でご紹介した新赤麻橋の先にあり、遊水地内で最も広い展望を得られる場所の1つです。写真に写っているのは北寄りの風景のほんの一部(撮影は6月)。奥に栃木県の大平山(栃木市)が見え、天気がよければ更に奥に日光の山々も遠望できます。広大な湿地と栃木県の名山がセットで見れるのと、北エントランスから車で真っ直ぐ来られるのが魅力です。

第2調節池は渡良瀬川の左岸にあり、北に接する第3調節池との間には巴波川(うずまがわ)が流れ、南には思川に囲まれた場所です。調節池内には常時は、東側から用水路や与良川から排水されていますが、洪水時は南側から思川の水が流れ込む仕組みになっていて、南端部分に渡良瀬川と繋がる第2排水門があります。大きな第2排水門の周辺も見応えがありますので、お立ち寄りをお勧めします。

第2調節池の水路沿いの湿地

写真:大木 幹郎

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展望地の3つ目、第2調節池の東側、与良川(よらがわ)の排水機場の前。展望地の2つ目でご紹介した広場と同様に、広大な湿地の風景を楽しめます(撮影は7月)。広大な湿地の中に流れる水路沿いには、点在する木々が良いアクセントになって奥行きが感じられ、見慣れると単調に感じてくる湿地の風景に変化が生まれます。そして、近くに駐車場とトイレもあるので、第2調節池と第3調節池を散策する起点にお勧めの場所です。

第3調節池の展望台と湿地の奥に見える森

写真:大木 幹郎

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展望地の4つ目、第3調節池の展望台。第3調節池は、渡良瀬川の左岸にあり、南に巴波川(うずまがわ)を挟んで第2調節池と接した区画で、展望台はその南端にあります(撮影は2月)。ここからの眺めは、広大な湿地とその奥に佇む不思議な森の風景。この森は防波林と呼ばれ、木の殆どは、落羽松(ラクウショウ)または沼杉という湿地性の針葉樹。遊水地が現在の形になる前に、洪水時の水勢を緩和させ堤防の決壊を防ぐ目的で植樹されました。現在はその役目を終えていますが、第3調節池を代表する景観であり、野鳥の住処。防波林の背後の堤防上は通路になっているので、近くから眺めることもできます。

なお、展望台は電源設備の上にあるもので、写真には写っていませんが、近くには大きな水門(第3排水門)と越流提があります。越流提は渡良瀬川が氾濫する水位に達したとき、調節池へ流入させるため、一部を低くして表面をアスファルトで舗装した堤防。越流提は、第1調節池の北側と谷中湖の東側、第2調節池の東側、そして第3調節池の南端と、遊水地内に合計4箇所あります。

第3調節池の湿地を横切る電線路

写真:大木 幹郎

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展望地の5つ目、第3調節池の西側にある堤防上。見所は、広大な湿地と、そこを越えてゆく電線路、奥に見える茨城県の名山・筑波山の尾根です(撮影は7月)。湿地とそこに生息する動植物を保護する国際条約・ラムサール条約の保護地である遊水地の見所は、建物の少ない広大な湿地の自然風景。そんな遊水地で電線と鉄塔は景観の邪魔と思われるでしょう。しかし、調節池内を横断していく電線路は、慣れると単調に見える湿地の風景に、アクセントとなり奥行きが出て、広さと距離感が伝わりやすくなると思います。他に建物が無い広大な場所だからこそ、普段は景観の邪魔と思える電線路を、あえて眺めてみたくなる、そんな風景です。なお、対岸の東側の堤防上からは、電線路と栃木県の太平山や日光の山々を重ねて眺めることが出来ます。

おわりに

渡良瀬遊水地の谷中湖の外側、広大な湿地の自然風景を楽しめる5つの展望地のご紹介でした。5つの展望地は、橋と堤防上の見晴らしの良い場所から、遊水地内の場所が分かる特徴のある風景を選びました。谷中湖の周辺は、公園のように過ごしやすく見所も集中していますが、遊水地を代表するヨシ原が広がる風景、ラムサール条約に登録された湿地の自然風景は、その外側にこそ広がっているのです。

遊水地全体を囲む堤防に沿って一周すると、移動距離は40km近くもある広大さ。自転車での散策をお勧めしますが、休憩や水分補給を挟んで、疲れない範囲でお楽しみください。自転車は、中央エントランスに近い道の駅「きたかわべ」や、谷中湖のすぐ北側にある施設で借りることが可能です。また、第2調節池と第3調節池の周辺には、コンビニなど売店や飲料の自販機がありません(2015年時点)。トイレや自販機があるのは、谷中湖の周辺だけと思ってください。長い時間滞在される場合は、食べ物や飲み物を持参されることをお勧めします。また、夏季の豪雨の後は、遊水地内の水位が上昇して立入禁止となることが多いのでご注意下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/01−2015/07/01 訪問

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