青函連絡船に思いを馳せて〜津軽海峡をフェリーで旅しよう

青函連絡船に思いを馳せて〜津軽海峡をフェリーで旅しよう

更新日:2016/03/20 19:50

もんTのプロフィール写真 もんT チューター、フリーライター
今や新幹線が海底トンネルを走る津軽海峡。青函トンネルがなかった時代は、青森駅と函館駅に接続して、「青函連絡船」が人や物資、鉄道車両や貨車の輸送を担っていました。鉄道連絡船こそなくなりましたが、現在でも津軽海峡は多くの船舶が行き交う交通の要衝です。今回は、かつての青函連絡船に思いを馳せて、青森から函館までを、青函トンネルを通らずに海峡上を旅してみましょう。

青森駅横に眠る青函連絡船…メモリアルシップ八甲田丸を見ておこう

青森駅横に眠る青函連絡船…メモリアルシップ八甲田丸を見ておこう

写真:もんT

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津軽海峡を船で渡る前に、青森駅に立ち寄ったならぜひ、かつての連絡船桟橋に今も係留されている「八甲田丸」を見ておきましょう。約8300トンの巨船は、現在は「メモリアルシップ八甲田丸」として、海上博物館になっています。

青函連絡船は、鉄道車両や貨車、そして鉄道利用客を運搬する船でした。青森・函館間を1日におよそ8往復、片道3時間50〜55分で結んでいました。青函トンネルが開業した1988(昭和63)年に、その役目を終えています。

八甲田丸の内部に入ってみると、現役当時の青函連絡船の様子を良く知ることができます。船内は、ほぼ鉄道連絡船当時のまま。現役当時、旅行客は立ち入りできなかった1階の車両甲板も見学可能!貴重な鉄道車両や貨車が数両留置・保存されています。時間があったら、ぜひとも内部を見学していくことをおススメします。

○メモリアルシップ八甲田丸
開館時間:9:00〜19:00(11月から3月は、17:00まで)
入館料:大人¥500 中高生¥300 小学生¥100

ここへの行き方ですが、青森駅の東口を出てから、駅舎を背にして左(北)へ…徒歩5分ほどです。

なお、函館側でも、かつての連絡船桟橋に「摩周丸」が係留されていて、「函館市青函連絡船記念館摩周丸」として同様の記念館となっています。

フェリー埠頭へGO!…フェリー乗り場は駅からちょっと遠いのでご注意を!

フェリー埠頭へGO!…フェリー乗り場は駅からちょっと遠いのでご注意を!

写真:もんT

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さて、時代は変わって今や、海峡を船で渡るのは、トラックや自動車が中心となりました。よって、フェリーターミナルも市街地からは離れた埠頭へと移ってしまい、鉄道駅からはちょっと移動に時間がかかります…。

青森側のフェリーターミナルは、青森駅からも、新青森駅からも徒歩で30分ほどかかる埠頭にあります。駅から歩くのは大変(汗)…という場合はタクシーを利用しましょう。

青森駅からの徒歩での行き方ですが、メモリアルシップ八甲田丸から、頭上にかかる青森ベイブリッジへと階段で上がり、青森駅構内を跨いでひたすらまっすぐ歩くと、辿り着けます。八甲田丸を見ないでフェリーターミナルへと急ぐ場合は、タクシー・徒歩いずれにせよ、青森駅西口に出るのが良いでしょう。

いざ津軽海峡へ!〜津軽・下北両半島を眺望しながら、陸奥湾を北上

いざ津軽海峡へ!〜津軽・下北両半島を眺望しながら、陸奥湾を北上

写真:もんT

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青森・函館間の航路は、「青函フェリー」と「津軽海峡フェリー」の2社がそれぞれ8往復の便を運航しています。青森側のターミナルは同じ埠頭内にありますが、乗船手続きをする建物は別なので、気をつけて…。乗船は車やトラックが優先で、徒歩での旅行者は出港15分前からの乗船となります。

函館側のターミナルですが、到着する埠頭が全く別なので、要注意です。港に到着後、五稜郭駅からJRに乗り継ぐ予定であれば、青函フェリーが便利。一方、路線バスで函館市街に出るのであれば、「津軽海峡フェリー」が良いでしょう。

なお、所要時間は、津軽海峡フェリーが3時間40分と、青函フェリーよりも10分だけ利があります。

運賃が安いのは青函フェリー。大人1名の通常旅客運賃が、片道1540円です。(これに燃油調整金が加算されます。)さらにウェブで割引クーポンも入手可能。詳しい運賃や時刻表など、ウェブサイト要チェックです。

どちらを利用するにしても、海峡上の景色は等しく楽しめます。青森を出港すると、しばらくは波も穏やかな陸奥湾内を北上。津軽半島や、反対側の下北半島も見ながらの快適なクルージングをのんびりと楽しめます。

両半島の間を抜け、船の揺れが少々大きくなると、そこは津軽海峡。北海道の大地が次第に近づいてきて、函館に到着です。4時間弱の船旅は、景色をながめたり、船内で休息をとったり…と、くつろぎのひと時となります♪

快適なフェリーターミナルも上手に活用して!

快適なフェリーターミナルも上手に活用して!

写真:もんT

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青函フェリーの場合は、五稜郭駅に比較的近い埠頭に着きますが、ここも駅までは徒歩30分ほど要します。青函フェリーのターミナルからは路線バスはありませんが、タクシーは利用可能です。

夜行便や深夜便で到着したときは、ターミナルの待合室でゆっくり休んでいきましょう。青森・函館ともにターミナルは24時間あいています。青函フェリーの函館ターミナルは、津軽海峡フェリーに比べると、写真のようにこぢんまりとしていますが、それでも清潔なトイレや洗面など、旅行客が必要とする設備は整っています。テレビもあるので、ニュースや気象情報などもここでチェックできるでしょう。

最後に

今や新幹線により約1時間で結ばれた青森・函館間。しかし昔ながらの4時間弱を要する津軽海峡の船旅もまだまだ健在です。行きはフェリー、そして帰りは新幹線で…と津軽海峡の旅の今昔を体感してみるのも楽しいでしょう。青函連絡船に思いを馳せて…、どうぞ味わい深い旅をのんびりと楽しんでください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/08/03−2015/08/04 訪問

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