月見櫓が美しすぎる!最強の海城・高松城を海と空から眺めてみよう

月見櫓が美しすぎる!最強の海城・高松城を海と空から眺めてみよう

更新日:2016/03/25 12:17

浦賀 太一郎のプロフィール写真 浦賀 太一郎 週末トラベラー
香川県高松市は四国への玄関港として古くから栄えた城下町。
町並みはすっかり新しくなりましたが、讃岐国高松藩の城であった高松城跡には、天守を彷彿とさせる美しさの月見櫓をはじめ、5件の重要文化財建造物が現存し、近年は天守台の復元が完成、さらに、天守の復元も計画されています。
今回は、なんと無料で、海と空からお城を眺められるマル秘スポットと共に、高松城跡の魅力をご紹介します!

赤灯台から、海に浮かぶ高松城を眺めてみよう

赤灯台から、海に浮かぶ高松城を眺めてみよう

写真:浦賀 太一郎

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「讃州さぬきは高松さまの 城が見えます波の上」
そんな風に謡われた、日本三大水城と称され、国史跡に指定されている高松城跡は、大河ドラマにもなった、軍師・黒田官兵衛が縄張りをしたお城。他にも、小早川隆景や、藤堂高虎、細川忠興といった、戦国時代きっての築城名人たちが携わったと言われています。

高松城は、よく「海城」と言われますが、築城当時は本当に海とつながっていて、「月見櫓(写真左)」に連なる「水手御門」から、お殿様が小舟で漕ぎ出し、沖で大舟に乗り換えて参勤交代に出発するという、まさに海の大手門でした。
今では海と高松城は道路を隔ててしまっていますが、堀には今でも海水が引き入れられています。

その海城・高松城の往時を偲ぶにうってつけの場所があります。高松城から徒歩10分ほど、「高松港玉藻防波堤灯台」、通称「赤灯台(せとしるべ)」の通路上から、まるで海に浮かんだように見える月見櫓を遠望することができるのです。
今では大きなビルが立ち並ぶ高松市街ですが、江戸時代はこの月見櫓をはじめ、立ち並ぶ櫓群、それに四国最大の規模を誇った天守がそびえ、海からやってくる客人の目を奪ったといいます。

高松シンボルタワーに上って空から高松城を眺めよう!

高松シンボルタワーに上って空から高松城を眺めよう!

写真:浦賀 太一郎

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高松駅から徒歩1分の所にある、高松シンボルタワーの最上30階、無料の展望スペースは、江戸時代では決して見ることのできなかった、空から高松城を一望できるスポットです。
通常10:00〜11:00・15:00〜17:00の間に開放され、高松城だけでなく、瀬戸内海の多島美や高松市街など、遮るものなく遠くまで眺めることができます。

お城を空中から眺めると、高松城に限らず、そのお城がどういった縄張りになっているかがひと目で分かります!
例えば、写真正面少し下の、台形の形をした石垣が、かつて天守が建っていた天守台です。
天守のそびえていた本丸は、四方とも堀で囲まれており、鞘橋(さやばし)と呼ばれた木橋で二の丸とつながっているだけです。

その鞘橋も、敵に攻め込まれてピンチの時は橋自体を切り落として、本丸を守る仕組みになっているのです。かえって孤立する危険もあるように思えますが・・・
二の丸、三の丸などの曲輪も巧妙に堀で仕切られているのが解ります。右手奥には、重要文化財の艮(うしとら)櫓も見えますね。

展望スペースを利用する際は、店舗のスタッフさんに一言声をかけましょう。また、婚礼や店舗の貸切時には利用ができませんので、詳細は下段に記した高松シンボルタワーHPのフロアガイドを参照してください。

天守並みにカッコ良い月見櫓!5件の重要文化財を押さえよう

天守並みにカッコ良い月見櫓!5件の重要文化財を押さえよう

写真:浦賀 太一郎

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月見櫓は、「着見櫓」とも表記されていたことから、高松港を往来する舟の監視をする役目を担っていたことがわかります。
月見櫓は三層三階で、唐破風と千鳥破風の配置が見事で、海の天守と言っても過言ではない、素晴らしい意匠です。
月見櫓に連なり、先述の海の大手門である水手御門と渡櫓の、一連の建築構造が他の城と比べても、ずば抜けて美しく、3件とも現存建造物で、国の重要文化財に指定されています。

海の大手門が水手御門なら、陸の大手門は駅側の西入口と真反対に位置する旭門です。
旭門の太鼓櫓跡には、これも重要文化財の「艮櫓」があります。本来、太鼓櫓跡という通り、太鼓櫓が建っていた場所ですが、昭和の解体修理の際、現在の太鼓櫓跡に移築されたそうです。
これら4件の重要文化財は、高松城の主郭域である玉藻公園の外からでも楽しむことができます。

また、玉藻公園内には「披雲閣(ひうんかく)」という、政庁ともいえる御殿が現存しています。披雲閣は、規模の大きさ、保存状態もよく、当時の政務の様相を今に伝える貴重な文化財であるとして、平成24(2012)年に重要文化財指定されました。
披雲閣は重要文化財でありながら、一般開放やコンサートの実施など、市民の憩いの場としても活用されています。

海城ならでは!コイならぬタイにエサやり体験

海城ならでは!コイならぬタイにエサやり体験

写真:浦賀 太一郎

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高松城には海水導入門があり、堀の水は100%海水です。愛媛県の今治城など、一部海水を引き入れている城もありますが、海水だけで水堀を構成している城は日本で高松城だけ。
潮の干満を、水門の開閉により水位を調整するというハイテク技術を取り入れた凄い城なのです。

堀には当然コイではなく海の魚が泳いでおり、タイやチヌ、ボラにカワハギ、時にはフグまで見ることができるんです。
お城のお堀といったらコイにエサやりが定番ですが、ここではタイにエサをやることができ、大願成就に鯛願成就と掛け、願いを込めて投げ込めばご利益が!あるかどうかはあなた次第・・・です!
タイのエサやりは、高松駅方面の西入口から入ってまっすぐ、水門近くと天守台の対岸の堀端で楽しめます。

日本全国でも激レアな「海城・高松城」はアクセスも抜群!

高松城跡(玉藻公園)には、50台ほど停められる駐車場が備えられ、JR高松駅からは徒歩5分ほど。ことでん高松築港駅からは徒歩1分ほどと好立地。
西門の開門は日の出から日没までと、かなり長時間開門しているのも特徴です。入城料も200円と安く、気軽に名城を散策でき、観光するには至れり尽くせりと言えるでしょう。
日本100名城にも選定されている高松城跡。高松へお越しの際は、是非ともお気軽にどうぞ!

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/06−2016/02/07 訪問

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