都心からわずか90分!風光明媚な小田急線撮影ポイント5選

都心からわずか90分!風光明媚な小田急線撮影ポイント5選

更新日:2017/08/16 10:49

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
小田急線といえば、東京都の新宿駅を起点として、神奈川県の県西である小田原や、湘南の代名詞である江ノ島を結ぶ大手私鉄です。都会から郊外へと結ぶ路線のイメージが強いですが、神奈川県の県央を過ぎると、のどかな田園風景が広がります。特に渋沢駅から新松田駅までは、駅間距離が6.2kmと小田急線の中で最長で、最も自然が多いエリアを走ります。今回は当該区間で素敵な写真を撮ることができるポイントをご紹介します。

周辺の緑の山に囲まれた小さな踏切前から、新宿へ向かう列車を撮る!

周辺の緑の山に囲まれた小さな踏切前から、新宿へ向かう列車を撮る!

写真:木村 優光

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まず最初のポイントは、渋沢駅から距離にして約2.5km、徒歩約30分。小田原方面から新宿へ向けて走り去る列車を綺麗に撮ることができるポイントです。ポイントの目印は小さな踏切。車は通ることが不可能な歩行者専用の踏切です。

この踏切の南側からは、渋沢の山並みを背景に列車の撮影をすることができます。特にレトロなロマンスカーですとカラーリングが朱色ですので、背景の山並みに映えてコントラストが非常に美しいです!(写真参照)

普段は線路脇に雑草が覆い茂り、列車の床下が隠れてしまうため、狙いは晩秋から早春がベスト!特に晩秋は背景の山並みが色づくため、朱色のロマンスカー以外の車両でも非常に絵になります。

なお、急行列車以上となりますと10両編成の場合が多く、なるべく編成全体を構図内に収めるには、新宿寄りの先頭車両を手前の位置まで引き寄せる必要があります。時速80kmほどのスピードが出ていますので、シャッタースピードや手ブレに注意して、構図脇の先頭車両から最後尾までを綺麗なラインで収めてみましょう。

周辺の緑の山に囲まれた小さな踏切前から、新宿へ向かう列車を撮る!

写真:木村 優光

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周辺の緑の山に囲まれた小さな踏切前から、新宿へ向かう列車を撮る!

写真:木村 優光

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なお、同じ場所から東側を眺めてみると、大山背景に築堤を行く列車も撮ることが可能!写真は東京メトロ千代田線から直通してきた「メトロはこね号」で、こちらも10両編成!空のスカイブルーと同色ですが、窓下に設けられた紅白のストライプがアクセントとなって構図内の淡白さに彩りを加えてくれています。

こちらは反対側の構図よりも視界が開けているため、先頭車両から最後尾まで綺麗なラインとして撮ることができますよ。こちら側は午後が順光となりますが、午前ですと反対側の構図が順光となります。

大山と青空を背景に、築堤を走りゆく列車が絵になるポイント

大山と青空を背景に、築堤を走りゆく列車が絵になるポイント

写真:木村 優光

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お次は上で紹介したポイントの東側に広がる田園地帯から、小田原方面へ向かう列車を見ることができるポイントの紹介です。神奈川県を代表する大山を背景に、列車が築堤を小田原や箱根方面へ走りゆくシーンは、思わず唸ってしまうほど!特に空気が澄んだ冬場は、青い空のもと、大山が綺麗に見ることができるので、さらに感動は間違いなし!

なお、周辺は田園風景が広がり、至る所から列車の撮影をすることができます。特に季節ごとによってさまざまな演出がされ、春には田植え、夏は新緑、秋は稲の実りや彼岸花などとのコラボも可能です。

ここで注意!田畑のあぜ道にて撮影中に、地主さんがいらした場合は、必ずひと声かけると、快く許してもらえます。もちろん撮影前に地主さんがいらっしゃる場合でも同じです。ただし、実りの秋の季節は立ち入りを許可されない場合がありますので、その時は指示に従ってください。

大山と青空を背景に、築堤を走りゆく列車が絵になるポイント

写真:木村 優光

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大山と青空を背景に、築堤を走りゆく列車が絵になるポイント

写真:木村 優光

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走る列車を真横から撮る方法として、列車のスピード感を出す流し撮りがあります。流し撮りを行うには、線路沿いに視界を遮るようなものが、一定区間存在しない、という条件が挙げられます。具体的には自分の立つ場所から、列車側面までの間には何もないような、広大な田園地帯などが非常に好都合です。

当該区間は小田急線の中でも視界が非常に良好な区間で、線路と遊歩道が同じ高さの築堤上で並行しており、その両者間の一段下には田園地帯が広がっています。線路と遊歩道との間隔も、流し撮りにちょうど良い距離で、格好の流し撮り練習スポットと言えるでしょう。ここまで素晴らしい流し撮りスポットは、小田急線沿線でもあまり類を見ないと言えます。

清流を渡る小田急線を撮ることができるポイント

清流を渡る小田急線を撮ることができるポイント

写真:木村 優光

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国道246号線を渋沢から新松田方面へアクセスしていると、途中右側にドライブインがありますが、その数m手前に国道と川が近寄る個所があります。その場所へ徒歩で近づいてみると川へアクセスできる階段がありますので、そこを降りた部分が写真の撮影ポイントです。

渋沢〜新松田は四十八瀬川(松田町側は音無川)と呼ばれる川が、小田急線の線路の下を何度も這うように潜りますが、ここもそのうちの一つ!緑に囲まれた僅かな空間には小田急線の鉄橋が見えますが、この視界の広さですと列車全てを構図内に収めるにはどう考えても不可能!しかし、写真のように先頭が僅かに写っているだけであれば作品性高い1枚になります。

清流を渡る小田急線を撮ることができるポイント

写真:木村 優光

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写真のように小田急線の鉄橋に近づいて撮影するには川に入る必要があります。普段は長靴持参で川に入ることができますが、夏場ですとビーチサンダルを持参すれば川の中に脚を入れて、涼しい気分で撮影が可能!水深は浅く、大人でしたら深い場所があったとしてもせいぜい膝下のあたりまでの高さです。

ただ、川のせせらぎ音で列車接近音が気が付かない場合もありますので、常にフレーミングを覗いておくことをオススメします。さらに、列車に対してほぼ真横からの撮影となるため、シャッタースピードが遅いと肝心の列車がブレてしまいますので、気をつけましょう。

なお、川の流れが比較的速いため、撮影に夢中になって脚を取られないように十分に注意しましょう。いくら浅いとは言っても川底の石は苔が付着していて、滑りやすい箇所も多いことを十分に頭に入れておくと良いでしょう。

清流を渡る小田急線を撮ることができるポイント

写真:木村 優光

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上で紹介した撮影ポイントから川を渡り、向かいの陸地へ上がると民家へと通ずる道があるのですが、民家を横目に更に道なりに進むと小さな踏切があります。このポイントこそが知る人ぞ知る撮影ポイント!

踏切を渡ってそのまま道なりへ進むこと数m、渋沢方面を見るとまっすぐに続く2本の上下線!ここからは300mmクラスの望遠レンズを持っていれば、写真のように小田原方面へ向かう列車の正面を狙うことができます。構図内に不要なものが一切入らず、列車メインで写真を撮る場合は最高のポイント!

なお、撮影ポイントの真横は列車が行き交う線路になりますので、柵から身を乗り出して写真を撮ったりしないようにしましょう。

短いトンネルをくぐる列車を激写できるポイント

短いトンネルをくぐる列車を激写できるポイント

写真:木村 優光

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国道246号線の蛇塚交差点から南側に逸れて約50m、小田急線の踏切がありますので、そこが目的地の撮影ポイントになります。踏切より渋沢方面へ続く小田急線の線路を眺めると「第二菖蒲隧道」と呼ばれる短いトンネルがありますので、そのトンネルを潜る列車を撮ることができます。

写真は急行小田原行きの列車で、10両編成となると短いトンネル越しに後ろの車両が見え、これまた面白い構図に!こういった短いトンネルは都市部にも比較的多く存在しますが、この「第二菖蒲隧道」の良さは周囲をたくさんの緑に囲まれていて、さらにすぐ下を四十八瀬川が流れるといった環境!したがって、風光明媚さがかなり際立っています。

上では小田原方面へ向かう列車の構図を紹介しましたが、今度は渋沢方面へっ向かう列車の後追いシーン。こちらはトンネル越しに向こう側の列車の姿は若干見にくくなってしまいますが、短いトンネルを潜っているシーンを力強く表現できる構図を撮ることができます。

後追いになってしまうため、タイミングのとり方が難しい面もありますが、何枚か撮って練習してみるのも良いでしょう。なお、目の前の踏切を渡る道路は国道246号線の迂回路的な県道710号線へと続く道路ですので、交通量は比較的多いため、撮影時などには十分注意しましょう。

短いトンネルをくぐる列車を激写できるポイント

写真:木村 優光

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山肌を背景に川を渡る列車が狙えるポイント

山肌を背景に川を渡る列車が狙えるポイント

写真:木村 優光

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最後のご紹介は、渋沢から新松田の間、小田急線の線路と並行して流れていた河川を含めて撮影できるポイントです。新松田駅から県道710号線にアクセスし、松田町と秦野市の境目付近にこじんまりとした馬舎があるので、そこから河原に入っていけば、撮影ポイントです。

目の前は綺麗な川で、水遊びができてしまうほど!そしてさらに奥側には小田急線の線路が川をまたぎ、背景には松田の山々が聳えます。そこへ小田急線の電車が走ってきたら絵にならないはずがありません。特に晩秋の頃は背景の山々が色づき、季節感を実感できるポイントです。

山肌を背景に川を渡る列車が狙えるポイント

写真:木村 優光

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子どもたちにも非常に人気のある小田急ロマンスカー「VSE」は、ホワイトベースに赤帯が入ったカラーリングですので、風光明媚な風景には良く溶け込んでくれます。

なお、目の前の河川は、新松田付近で酒匂川に合流する川音川という名称なのですが、秦野市側は四十八瀬川という名称で、市境で名称が変わってしまうという面白い河川なのです!

渋沢駅〜新松田駅は小田急線の中でも一番の風光明媚さを放つ区間!

風光明媚な小田急線撮影地をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。小田急線といえば都会を走るイメージを持っている方が多いと思いますが、神奈川県央を過ぎると、風光明媚な区間が所々に存在します。そんな中を通過する列車はとても絵になります。

特に渋沢と新松田の間は山あり谷あり田畑あり川ありと、自然があふれた区間です。構図の取り方も今回紹介した以外にもたくさん存在します。カメラ片手にお気に入り構図探しの旅に出てみてはいかがでしょうか。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/10/03 訪問

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