岩手・盛岡「いーはとーぶアベニュー」で宮沢賢治ゆかりの地巡り!

岩手・盛岡「いーはとーぶアベニュー」で宮沢賢治ゆかりの地巡り!

更新日:2017/11/19 20:26

宮沢賢治の童話『注文の多い料理店』。その新刊案内の広告に“イーハトヴ”は、一つの地名で著者の心の中に様々な情景と一緒に実在したドリームランド、日本岩手県である、との主旨が掲載されています。

盛岡駅の北東には、その名称に因んだ「いーはとーぶアベニュー」。宮沢賢治ゆかりの民芸品店「光原社」や本屋を始め、“宮沢賢治像”や“モニュメント”など見所いっぱいの材木町商店街のメインストリートを御紹介致します。

“宮沢賢治像”と“石座”のモニュメント

“宮沢賢治像”と“石座”のモニュメント

提供元:盛岡市商工観光部観光課

http://www.city.morioka.iwate.jp/kankou/index.html地図を見る

盛岡駅の東側には雄大な北上川の流れ。その上流には岩手山が聳え、盛岡を代表する景観を望めるビューポイントとして北上川には幾つもの橋が掛かっています。その一つ“旭橋”を渡ると「いーはとーぶアベニュー」。

詩人・童話作家の宮沢賢治にゆかりのある材木町商店街のメインストリートです。「いーはとーぶアベニュー」に入ると最初に目に留まるのが“宮沢賢治像”と“石座(いしざ)”のモニュメントです。

宮沢賢治(1896年〜1933年)は岩手県花巻市に生まれ、盛岡中学校(現在の盛岡第一高等学校)、さらに全国初の高等農林学校(現在の岩手大学農学部)で勉学に励みます。13歳から24歳までの多感な時期を、こちら盛岡で過ごしたのです。

「いーはとーぶアベニュー」を彩る宮沢賢治に因んだモニュメント

「いーはとーぶアベニュー」を彩る宮沢賢治に因んだモニュメント
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“宮沢賢治像”の座っているのは花崗岩(かこうがん)。その後ろには安山岩(あんざんがん)、閃緑岩(せんりょくがん)などが並んでいます。幼少の頃より“石(いし)ッコ賢さん”と呼ばれるほど、鉱物採集に熱心であった宮沢賢治にぴったりのモニュメントです。

“石座”の他、童話『セロ弾きのゴーシュ』に登場し、自らも演奏したセロ(チェロ)のデザインの「音座(おんざ)」をはじめ、「星座(ほしざ)」「絹座(きぬざ)」「花座(はなざ)」「詩座(うたざ)」といった宮沢賢治に因んだモニュメントが点在しています。

それぞれタイトルと解説が付記されているのも旅行者にとって嬉しいポイント。宮沢賢治ファンならずとも楽しめるのが「いーはとーぶアベニュー」です。

『注文の多い料理店』の出版元「光原社」

『注文の多い料理店』の出版元「光原社」
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盛岡から生まれ故郷・花巻に移って、花巻農学校教師として勤務していた宮沢賢治。盛岡高等農林学校の一年後輩・及川四郎と近森善一の協力などを得て、1924年(大正13年)に『注文の多い料理店』を出版します。

その出版元になったのがこちらの「光原社」。現在は全国の工芸品、岩手の漆器、南部鉄器などを扱う民芸品店となっています。「光原社」は5つの店舗で構成され、「本店」では日本各地の工芸品、「カムパネラ」では世界の民芸品、「モーリオ」では県内外の荒物や食品を販売。

カフェ「可否館」もあり、「マヂエル館」では宮沢賢治の資料が展示されています。それでは「光原社」の奥に進んでみましょう。

「マヂエル館」宮沢賢治の直筆原稿と柚木沙弥郎の型染絵

「マヂエル館」宮沢賢治の直筆原稿と柚木沙弥郎の型染絵
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「本店」を抜けて中庭へ出ると、宮沢賢治の童話に出てきそうなクラシカルな空間が広がります。正面には『注文の多い料理店』の初版本や宮沢賢治の直筆原稿など、関連資料が展示された「マヂエル館」。

こちらでは画集『宮沢賢治遠景』などの画業により第1回宮沢賢治賞を受賞した染織家・柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)さんの賢治に捧げた作品・型染絵も常設されています。

「マヂエル館」の向かい側には、コーヒー、くるみクッキーなどを楽しめるカフェ「可否館」もあり休憩にピッタリの場所です。さらに奥へと進むと、宮沢賢治に関連した石碑が建てられています。

「光原社」の中庭にある宮沢賢治の記念碑

「光原社」の中庭にある宮沢賢治の記念碑
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「光原社」の中庭の左端には、“宮沢賢治 イーハトーヴ童話 注文の多い料理店 出版の地 一九二四年”と刻まれた石柱があります。右側に目を転じると、“マヂエル様”と呼ばれる星が登場する童話『烏の北斗七星』の一節が記された石柱も。

また、その直ぐ隣には宮沢賢治の記念碑もあり、宮沢賢治ファンなら必訪の場所です。
さらに奥へと進んだ白壁には、「雨ニモ負ケズ」など様々な詩が大書されています。

突き当りからは雄大な北上川の流れや天候に恵まれた日には荘厳な岩手山の姿も望めます。『注文の多い料理店』出版の地という記念すべき場所にて、宮沢賢治が慣れ親しんだ風景を堪能してみてはいかがでしょうか。

※イーハトーヴ:イーハトヴ、イエハトヴ、イーハトーヴォなど別表記あり。意味は等しく「理想郷として宮沢賢治の心に映った岩手県」。

岩手県盛岡市材木町「いーはとーぶアベニュー」のまとめ

「いーはとーぶアベニュー」には、その他に宮沢賢治が学生時代に通った本屋“東山堂支店”や文学仲間と同人誌「アザリア」を刊行した下宿屋の跡地など、ゆかりの場所が目白押しです。

その他にも、北上川周辺には宮沢賢治の盛岡中学校の先輩に当たる石川啄木にゆかりのあるスポットも豊富。北上川を挟んで材木町の対岸の「ホテルメトロポリタン盛岡ニューウイング」、同じく県内の花巻市の「宮沢賢治記念館」については詳しい紹介記事が下部関連MEMOのリンクにありますので、宜しければそちらも御確認下さい。

以上、童話『注文の多い料理店』を出版した「光原社」を始め、宮沢賢治にゆかりのモニュメントやスポットが豊富な岩手県盛岡市の材木町商店街「いーはとーぶアベニュー」の御紹介でした。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/15 訪問

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