和と桜の共演ステージに感動!春に訪問すべき京都「祇園白川」

和と桜の共演ステージに感動!春に訪問すべき京都「祇園白川」

更新日:2017/02/17 13:15

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
京都で和の雰囲気を一番感じることができる「祇園」ですが、その中でも特に「祇園白川」は、春になると白川沿いに植えられた桜並木がものの見事に咲き誇ります。特に夕刻以降の「祇園白川」は、古くからの京都の伝統と、現代技術を駆使した照明により光り輝く桜並木と化し、見る者を魅了してしまうほど!そんな祇園白川の桜の見どころを、周辺スポットや歴史を交えてご案内します。春の京都といえば「祇園白川」!

白川を渡す「巽橋」からの桜並木の眺めは京都の春の象徴といえるもの!

白川を渡す「巽橋」からの桜並木の眺めは京都の春の象徴といえるもの!

写真:木村 優光

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「巽橋」は祇園の中を流れる白川を渡す橋で、京都ロケのサスペンスやドラマなどで必ずと言っていいほど舞台となる名所です。「祇園白川」に位置し、京都の繁華街である四条や三条からもアクセスは良好な立地が嬉しいです。

写真はテレビや旅行雑誌などでよく紹介されるアングルとほぼ同じ構図で撮ったものですので、見たことがある方も多いはず。「巽橋」の向こうからお侍さんが歩いてきたら、時代劇のワンシーンと間違えそうな周囲の景観も素晴らしく、見ごたえがあります。

白川を渡す「巽橋」からの桜並木の眺めは京都の春の象徴といえるもの!

写真:木村 優光

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桜が咲く季節に「巽橋」の上から西側を眺めると、白川沿いに見事な桜並木が植えられていることがわかります。桜の木は40本ほどと、それほど多いわけではありませんが、周辺の景観が桜並木と見事にマッチしており、感動要素は十分に揃っている環境です。

特に、ゆったりとした速さで流れる白川と、満開の桜並木とのコラボは、京都の春をより一層美しく演出していて、「巽橋」を渡る人は、皆必ずと言っていいほど立ち止まって見入ったり、写真を撮ったりします。

白川を渡す「巽橋」からの桜並木の眺めは京都の春の象徴といえるもの!

写真:木村 優光

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これが夕刻時以降になると桜並木がライトアップされ、それはもう見る者を魅了してしまうほど和の絶景と化します。まさに日本の美学の象徴です。一番良い時間帯としては日没30分後でしょうか。まだ空には青い色彩が残り、桜並木もライトアップし始めた頃で、色彩コントラストが非常に美しいです。京都の伝統と現代技術を駆使した照明とのコラボが、ものの見事に成立しています。

定時刻になるとどこからともなくやってくるアオサギと桜のコラボ

定時刻になるとどこからともなくやってくるアオサギと桜のコラボ

写真:木村 優光

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早朝や夕方に「祇園白川」を訪問すると、白川の水辺に置物のような水鳥が静かに佇んでいる様子を見ることができます。よく見ると、時折水面を覗き込むような仕草をすることがあるため、置物ではなくアオサギという種類の水鳥です。

このアオサギが、周辺の料亭などの和建築の建物と桜並木に囲まれた様子は、和の装飾と自然の生態のコラボを見ているようで、一見の価値があります。桜の時期でなくとも必見です!

定時刻になるとどこからともなくやってくるアオサギと桜のコラボ

写真:木村 優光

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なお、アオサギが「祇園白川」にやってくるようになったのは、「祇園白川」に店を持つ料理屋の店主さんが、残った食材を決まった時間にアオサギにあげるようになってからだとか。京都だからこそ、店主さんの優しさに触れることができるアオサギは幸せものです。

置物のようにほとんど動かず水辺に佇む様子は、まるでシャッターチャンスをたくさん作ってくれるモデルさんのようで、「祇園白川」のアイドルと称しても良いくらいです。

定時刻になるとどこからともなくやってくるアオサギと桜のコラボ

写真:木村 優光

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「祇園白川」はその素晴らしい景観から、時折、本物の舞妓さんや芸妓さんの撮影会が行なわれることもあります。桜の季節は撮影会も頻繁に行われ、誰もが無料で参加することができることも!上で紹介したアオサギのアイドルっぽさにも注目ですが、舞妓さんや芸妓さんあっての祇園ですので、撮影会に出くわすことができれば参加してみてはいかが?

「かにかくに」の石碑とそのお隣のしだれ桜が非常に見事!

「かにかくに」の石碑とそのお隣のしだれ桜が非常に見事!

写真:木村 優光

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「祇園白川」の桜並木を歩いていると、「巽橋」と大和大路通りの間のちょうど中間あたりに石碑があることに気がつきます。石碑の横には見事なしだれ桜があり、まさに京都の春を表現しているような素晴らしい場所です。

「かにかくに」の石碑とそのお隣のしだれ桜が非常に見事!

写真:木村 優光

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こちらは、「かにかくに」の石碑といい、吉井勇氏によって詠まれた歌が刻まれています。祇園を想った上での歌で、「かにかくに 祇園はこひし寝るときも 枕のしたを水のながるる」と綴られています。白川を流れる水の音が枕元に聞こえてきて、心地よい眠りを誘うほど、祇園という地は恋しいくらいに素晴らしい、ということがこの歌から連想することができます。

特に桜が咲く4月の祇園では、舞妓さんによる「都をどり」という風物詩が行われ、白川沿いの満開の桜と合わせて見物すれば、祇園の素晴らしさを歌った吉井勇氏と同じ気持ちになれるでしょう。

なお、吉井勇氏は森鴎外氏の創刊した文芸雑誌「スバル」を編集した人です。さらに、かにかくにの石碑は、詠み手の吉井勇氏と谷崎潤一郎氏によって昭和30年に建立されたものです。

「かにかくに」の石碑とそのお隣のしだれ桜が非常に見事!

写真:木村 優光

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「かにかくに」の石碑横にはものの見事な枝垂れ桜が植えられていますが、これが夕刻以降になるとライトアップされ、闇夜に浮かぶ花魁、と連想してしまうほどの美しい姿を見ることができます。

ここでアドバイスですが、「祇園白川」を訪問する人は皆、桜の木に近づいて写真を撮っていますが、「祇園白川」の桜の背丈はほとんどが高いため、なるべく離れて撮ると、写真のように白川の向こう側に建つ和風な料亭と同時に見ることができるため、ぜひ試してみましょう。

「祇園白川」周辺は重要伝統的建造物群保存地区として京都らしさが残る一角

「祇園白川」周辺は重要伝統的建造物群保存地区として京都らしさが残る一角

写真:木村 優光

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「祇園白川」の街並みは、京都らしさを十分に味わえるエリアです。つまり、祇園白川を訪問すれば京都の雰囲気をすべて肌で感じることができてしまうほど。白川南通から1本北側の新橋通は料亭、京町家が建ち並び、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。人一人が通れるような狭い辻子があちこちに張り巡らされており、その辻子には隠れ家的な料亭も存在します。

なお辻子とは広い道路と道路を結ぶためのショートカット通路で、普通は路地と称されますが、京都で路地というと行き止まりのある小路になります。辻子(もしくは図子)を「ずし」、路地を「ろうじ」と読みます。

そんな辻子を、運が良いと料亭へ急ぎ足で向かう芸妓さんや舞妓さんが、通り過ぎていくこともあり、まさに京都らしい瞬間を見ることができます。

「祇園白川」周辺は重要伝統的建造物群保存地区として京都らしさが残る一角

写真:木村 優光

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春は白川沿いの桜並木も非常に見ごたえがありますが、春以外の季節に訪問しても、その京都らしい雰囲気は十分に味わうことができます。昼間の街並みも京都らしさを十分に味わえますが、雨上がりの夜は最高に美しい街並みとなります。各料亭に灯った明かりが、濡れた石畳をキラキラと輝かせ、それはもう幻想的な和空間になります。

桜の咲く季節だけでなくそれ以外の季節も素晴らしい「祇園白川」

春の祇園白川周辺の見どころを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
普段でもとても絵になる祇園白川周辺ですが、桜が咲きだすと普段以上に素晴らしい街並みと化します。特に夜桜ライトアップは、京都らしい落ち着いた光量のライトアップが感動指数を上げることでしょう。

桜の季節以外でも、周辺の料亭や京町家のある風景を観光するだけでも、日本伝統の美を見ることができるため、十分に満足のいくエリアとなっています。

さらに付近の大きな観光名所として、徒歩圏内には清水寺、高台寺、八坂神社など多数の桜の名所があり、さらにはお土産店もかなりの数が四条通に面しています。
これらを合わせて訪問すれば一つの桜観賞ツアーになるでしょう。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/04/08−2016/04/01 訪問

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