巨大な不動明王は圧倒的!多くの参詣者で賑わう岡山・蓮台寺

巨大な不動明王は圧倒的!多くの参詣者で賑わう岡山・蓮台寺

更新日:2016/02/26 15:59

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
岡山県倉敷市の南方にそびえる由加山は、古代より霊峰として人々に崇拝されて来ました。その由加山の山頂付近に建つのが、蓮台寺。代々の岡山藩主も参詣した蓮台寺にはいまも多くの参詣者が訪れており、近年、造立された巨大な不動明王坐像は特に必見!今回は岡山県有数の古刹・蓮台寺の魅力をお伝えしましょう。

圧倒的な迫力!日本一の大きさを誇る厄除大不動明王

圧倒的な迫力!日本一の大きさを誇る厄除大不動明王

写真:乾口 達司

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蓮台寺の創建は奈良時代にまでさかのぼります。寺伝によると、天平10年(738)、行基菩薩が当地に瑜伽大権現(ゆがだいごんげん)をまつり、本尊となる十一面観音を彫ったことに由来するとのこと。中世に入ると兵火で一時衰退するものの、やがて復興。江戸時代には「瑜伽大権現」の名称でその名声は全国に知られており、四国の金毘羅大権現(現在の金刀比羅宮)とセットでお参りする風習(両参り)があったほどです。

明治初年に出された神仏分離令により、神道をつかさどる由加神社(現在の由加神社本宮)が分離しますが、それでもいまなお多くの参詣者で賑わっています。平成19年(2007)には日本最大の厄除大不動明王も造立されていますが、この不動明王坐像、その総高は7メートル59センチという大きさ!いまや蓮台寺のシンボルというべき存在であるため、参詣の折には、ぜひ、ご拝観下さい。

すべての人を救うとされる仏の手と「善の綱」

すべての人を救うとされる仏の手と「善の綱」

写真:乾口 達司

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厄除大不動明王の面前で注目したいのは、写真の仏像の手。この手にはすべての人をもらすことなく救うという意味が込められています。その手には不動明王坐像が鎮座する真王殿からのびる綱(善の綱)も結びつけられており、手に触れると、ご自身の願いが不動明王に届く仕組みとなっています。仏の手に触れて、ご自身の思いを不動明王にお届け下さい。

円山応挙の絶筆も!岡山県指定文化財に登録されている客殿

円山応挙の絶筆も!岡山県指定文化財に登録されている客殿

写真:乾口 達司

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写真は岡山県の指定文化財に登録されている客殿。その規模は県下最大級で、江戸時代中期の寛政年間に建立されたとされています。その名のとおり、蓮台寺に参詣した岡山藩主の宿泊および休憩用に建てられたもので、108面におよぶ障屏画など、内部の意匠は豪壮で且つ華麗。なかでも、円山応挙の絶筆とされる『竹鶏の図』は貴重です。

足元にお気をつけて!観音堂まで続く渡り廊下

足元にお気をつけて!観音堂まで続く渡り廊下

写真:乾口 達司

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客殿の内部を拝観したら、そのまま境内の最上部に位置する権現堂にもあわせて参拝しましょう。客殿と権現堂とは渡り廊下でつながっていますが、高低差が大きいため、渡り廊下は途中から急な階段へと変化します。

写真はその階段部分を上方から撮影したものですが、ここからも階段の急峻さがおわかりいただけるはず。たくさんの瓢箪がぶら下げられた手すりを持ちながら、慎重に上りましょう。

瀬戸内海も眺められる!県指定の文化財に登録されている多宝塔

瀬戸内海も眺められる!県指定の文化財に登録されている多宝塔

写真:乾口 達司

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蓮台寺と向き合う形で境内が広がる由加神社本宮の裏手の高台には、ご覧の多宝塔が立っています。仏堂の一種であるため、飛び地のような離れた場所に位置するものの、多宝塔は蓮台寺の施設となっています。忘れずに見学しましょう。

多宝塔は江戸時代前期の寛文年間に建てられた後、倒壊したものを天保年間に再建したもので、内部には五智如来などがまつられています。その規模も全国有数であり、現在、県指定文化財に登録されています。多宝塔の前からは遠く瀬戸内海まで眺めることが出来るため、多宝塔を見学した際には下界も見下ろしましょう。

おわりに

蓮台寺の魅力の一端、おわかりいただけたでしょうか。由加山の山頂付近に位置しているとはいえ、門前まで車で行けるため、アクセスは快適。ただし、車はあくまで蓮台寺の駐車場に停め、由加神社本宮の駐車場にはお停めにならないようにお願いします。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/31 訪問

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