駐車場までは、上信越自動車道松井田妙義インターチェンジから、国道18号、旧国道の玉屋ドライブインの霧積温泉入口から、ダム湖を過ぎれば到着。約35分です。または、JR信越本線横川駅からタクシーで約30分。宿泊者は、宿に連絡すれば(携帯電話はドコモのみ使用可)、駐車場手前にゲートがある一般車両通行止めの林道を送迎してもらえます。
日帰り入浴の場合は山道<ホイホイ坂>を約30分歩きます。駐車場の奥からスタートし、霧積川沿いの山道を徐々に登りながら約1キロのルート。広い林道に出ると、登山客がいる鼻曲山の分かれ道があり、宿まで約300メートル。間もなく眼下に赤い屋根の建物が見えます。早ければ20分で到着します。
少し下った先に水車が見え、その脇に「ゆ」の暖簾が掛かっています。水車は、昭和30年にディーゼルエンジンの自家発電開始前まで、発電にも使われました。樋を伝って流れる水で回る水車は、霧積温泉の象徴的な景色でポスターにもなっています。
明治17年創業の宿「金湯館」には、多くの著名人が訪れました。元勲伊藤博文は、ここで明治憲法草案を作成したといわれています。他にも、多くの政治家や文化人に愛された歴史ある温泉宿です。
川をまたぐ橋の先に、右から金湯館と書かれた木の看板が掲げられた玄関があります。玄関部分の母屋は歴史ある明治時代からの建物。伊藤博文が明治憲法草案を作成した部屋も残されています。
帳場の脇に展示されている、明治時代の地図や広告など、歴史を物語る品も見どころのひとつです。
また玄関の右手前には、文学碑があります。一つは、西条八十の「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね」で有名な「帽子」。森村誠一がこれを元に、金湯館を舞台にした推理小説「人間の証明」を著し、映画・テレビドラマ化され霧積温泉が世に知れるようになりました。もう一つは与謝野晶子の歌「霧積み山残りなく色づきて、賢愚の別なき紅葉かな」など。
霧積温泉の源泉名は入之湯。最初は犬が発見したことから「犬の湯」と呼ばれ、そこから「入の湯」になりました。湯量が毎分300リットルで泉温38.9℃の温めの湯はカルシウム硫酸塩温泉。男女別の内湯には、新鮮な極上湯がかけ流しで注がれています。湯口にはコップが置かれ飲泉も可能。湯に浸ると、身体に気泡が付いてきます。炭酸ガスを含んだプチプチ湯です。温めの湯なので、長湯が可能です。
車で行き止まりになる駐車場の脇には、かつてもう一つの宿「きりづみ館」がありました。昭和46年開業で、六角形のお風呂が有名でした。惜しまれながら、平成24年に閉館。1年後に建物も解体され、現在は水車小屋と文学碑があるのみです。女将と姉妹で経営していましたが、引き湯の湯温が下がり、沸かすのが大変だったのだとか。
なお、金湯館は冬季でも閉館せず、通年営業です。冬季は、旧きりづみ館の駐車場でなく、旧国道18号の玉屋ドライブインの霧積温泉入口から送迎してもらえます。
宿から、旧碓氷峠や鼻曲山へのハイキングルートがあり、散策可能です。また、旧中山道の坂本宿から旧碓氷峠熊野神社へ至る峠道コースも巡れます。旧国道18号線を軽井沢方面に向かえば、旧信越本線のアプト式鉄道廃線のアーチ橋やトンネルなどの歴史遺構が残されています。
山奥に残る歴史ある秘境の一軒宿へハイキングを楽しみながら訪れてみませんか?大自然の極上湯が待っています。
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