『オルフェウスの窓』の舞台!世界遺産レーゲンスブルクにあるドイツ最古の4つのスポット!

『オルフェウスの窓』の舞台!世界遺産レーゲンスブルクにあるドイツ最古の4つのスポット!

更新日:2016/02/24 14:33

吉川 なおのプロフィール写真 吉川 なお 台湾在住ライター、元旅行会社勤務の旅行マニア
バイエルン州東部、ミュンヘンの北約140kmの場所に位置するレーゲンスブルクは、古代ローマ時代からドナウ川の交通の要衝、交易地として繁栄した歴史ある街です。

2006年に世界文化遺産に登録され、池田理代子さんの漫画『オルフェウスの窓』の舞台にもなったこの街には、ドイツ最古と言われるスポットがなんと4つもあるんです!

長い歴史を持つレーゲンスブルクの魅力をたっぷりご紹介します♪

世界遺産の美しい古都

世界遺産の美しい古都

写真:吉川 なお

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バイエルン州の東部、ドナウ川とレーゲン川の合流近くに位置するレーゲンスブルクの歴史は1世紀から始まります。水上運輸の要所であったことからローマ帝国軍の駐屯地となり、6世紀頃にはバイエルン大公の居城が築かれました。8世紀後半にはフランク王国の支配下になって政治・経済の中心として栄え、13世紀には神聖ローマ帝国において「帝国自由都市」の特権を得ました。その後も1663年から1806年まで帝国会議の常時開催地となるなど、歴史的にも重要な役割を果たしてきましたが、1810年に神聖ローマ帝国が解体されてバイエルン王国に帰属すると徐々に衰退。一地方都市として静かな時を迎えます。

その後、たびたび戦禍に見舞われましたが、旧市街の大聖堂(写真)をはじめとする数多くの歴史的建造物は当時の姿のまま残りました。2006年、その価値が認められ「レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ」として世界遺産に登録されました。レーゲンスブルクはドイツで最も保存状態の良い中世都市として、いま再び脚光を浴びています。

最古1 ドナウ川にかかる石橋

最古1 ドナウ川にかかる石橋

写真:吉川 なお

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宝塚歌劇団星組でも演じられた『オルフェウスの窓』は、第一次世界大戦やロシア革命といった史実を織り交ぜて、レーゲンスブルクの音楽学校で出会った3人の若者の運命を描いた長編漫画です。その1部と4部の舞台となるのがこの街で、登場人物が何度も渡るドナウ川にかかるSteinerne Bruecke(シュタイナーネ・ブリュッケ)という橋は、旧市街と対岸のシュタットアムホーフを結ぶ、ドイツに現存する最古の石橋です。

1135年から1146年にかけて建造され、長さ330メートル、幅7メートル、15のアーチを持つ頑強な橋で、チェコ・プラハのモルダウ川にかかるカレル橋の見本にもなりました。歴史の教科書に出てきた第二次、第三次十字軍の騎士たちも聖地エルサレムに向けこの橋を渡ったと言います。

橋のたもとでは水鳥が羽を休め、のどかな風景が広がっています。訪問時は修復工事中でしたが、対岸に渡って大聖堂をバックにするとベストショットが撮れます。

最古2 11世紀創業の炭焼きソーセージ店

最古2 11世紀創業の炭焼きソーセージ店

写真:吉川 なお

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その石橋のすぐそばに、その名も「歴史的ソーセージの台所」という『Historische Wurstküche(ヒストーリシェ・ヴルストキュッヘ)』があります。創業はなんと1135年!レストランとしても500年以上経つこの店、実はドイツのみならず「世界最古のソーセージ屋」でもあるんです!

石橋の建設に携わった人たちの飯場として誕生し、以来ずっと焼きたてソーセージを提供しています。緑色の石造りの小さな小屋の煙突からは絶えず煙が出ていて、中に入るとすぐ厨房があり、ひっきりなしにソーセージが焼かれています。

名物の炭焼きソーセージは、ドイツ語では「schweinsbratwurstl vom rost mit sauerkraut」と言い、6本、8本、10本と選べ、ザワークラウトつき。ビールもあり、寒い日はスープもお薦めです。

焼きたてぷりっぷりのちょっと細めのソーセージは、口に入れた瞬間、じわっと旨みが広がります。さすが長い歴史を重ねたソーセージ!おいしくないわけがありません。ドナウ川と石橋を見ながら、ビールと一緒に世界最古のソーセージをほおばる。レーゲンスブルクでしか味わえない贅沢です。

最古3 帝国議会で供されたお菓子の店

最古3 帝国議会で供されたお菓子の店

写真:吉川 なお

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石橋から歩いて5分のところにある旧市庁舎は、現在、帝国議会博物館として一般公開されています。ここの帝国ホールで1806年まで「永続的帝国議会」が開催され、議会終了後のお茶の席に供されたのが、向かいにある『Cafe Prinzess(カフェ・プリンツェス)』のコーヒーとお菓子でした。議会で取り上げられない秘密案件の会議もここで行なわれていたそうです。

『プリンツェス』は1676年にレーゲンスブルクで最初のチョコレートを作り、1686年にコーヒーを提供するドイツで初めてのカフェとなりました。

この町の名士で郵便事業で財をなしたトゥルン・ウント・タクシス侯爵家の御用達ともなり、1953年と1985年に改装するも、現在も挽き立てのコーヒーや紅茶、人口添加物なしの手作りのチョコレート、ケーキ、ペストリーなどを提供し、代々伝統を守り続けてきています。

1階はテイクアウト、2階はカフェ、3階はパーティもできるサロンになっています。ホットチョコレートはミルクにチョコレートを溶かして飲む昔ながらのスタイル。昔の貴族たちもこのように味わっていたのかもしれません。

最古4 「アリス・イン・ワンダーランド」の帽子を作った店

最古4 「アリス・イン・ワンダーランド」の帽子を作った店

写真:吉川 なお

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最後にご紹介するのは、NHK「世界ふれあい街歩き」でも紹介されたドイツ最古の帽子屋さん。大聖堂のそばにある1875年創業の『Hutkönig(フート・ケーニッヒ)』で、現在で5代目となるご兄弟が経営されています。開業当時の工具を使い、昔と同じ工程で熟練職人が丹精こめて1つ1つ帽子を手作りしています。1階は紳士用、2階は婦人用で、その数なんと15,000点あまり。圧巻です。

顧客には、英国王室、ローマ法王、地元侯爵家のトゥルン・ウント・タクシス家など著名人が名を連ね、レーゲンスブルク出身の元ローマ法王ベネディクト16世の帽子や、2010年に公開された映画「アリス・イン・ワンダーランド」のDVDでジョニー・デップが被っていたあの印象的な帽子もこのお店が手がけました。

ミュンヘンから日帰りも可能

イタリア旅行の途中に立ち寄った文豪ゲーテは、『何と結構な美景の地にあろうか。この地に町が築かれたのは至極当然のことである』 と日記に記し、天文学界に名を遺したヨハネス・ケプラーはこの地を終の棲家に選びました。

また映画「シンドラーのリスト」で知られる、1,200人ものユダヤ人を救ったオスカー・シンドラーも 、戦後約5年間この町に居住しました。彼が住んだWatmarkt通りの家の壁にはそれを記すプレートがはめこまれています。

あらゆる人をとりこにするレーゲンスブルクには、ミュンヘンから電車で約1時間30分で行くことができ、日帰りも可能です。2000年の歴史を持つ街の最古のスポット巡り、とっても楽しいですよ。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/10−2016/02/11 訪問

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