アキバの繁栄はここから始まった!歴史に見る秋葉原の今と昔

アキバの繁栄はここから始まった!歴史に見る秋葉原の今と昔

更新日:2016/02/29 09:43

鈴木 旅人のプロフィール写真 鈴木 旅人 旅行写真家
日本の経済にも多大な影響を与え、もはや日本の顔の一つである「秋葉原」という街。2015年には「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも掲載され、街としてさらなる進化を遂げていくことが想像されます。

そんな進化を遂げる秋葉原の街において、これからも変わらないであろう景色もあります。そんな秋葉原を代表する景色を中心に、その歴史をご紹介したいと思います!

秋葉原、神田川沿いは怖かった…

秋葉原、神田川沿いは怖かった…

写真:鈴木 旅人

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さて早速、人ごみから少し離れ歴史の痕跡を探してみましょう!上の写真は、神田川を渡った川沿いの道。近年、人気の飲食店が続々と出来、行列も多々見かけるエリアですが、江戸時代、この通りは川沿いに沢山の柳の木が植えられた土手で、「柳原通り」と呼ばれていました。
夜になると辻斬りや追い剥ぎが出没し、大変物騒な通りだったそうです。今でも道路の脇に柳の木が見られ、夜になると人通りも減り、当時の夜の雰囲気が伝わってくるようです。

そんな柳の木に由来するのが、室町時代、当時の江戸城の鬼門除として創建された「柳森神社」です。秋葉原を題材にしたアニメなどにも度々、登場する秋葉原の神社の代名詞的存在!こちらも是非、立ち寄っていきましょう。すぐ近くに秋葉原駅があるのが嘘のように、静寂な時が流れます。

将軍家も足繁く秋葉原の道を!

JR秋葉原駅の東口、人気の商業施設や電気店が立ち並ぶ秋葉原の顔ともいうべき中央通り。片側3車線の幅広い道路ですが、江戸時代からこの道路は、当時としてはめずらしく幅の広い道路でした。
というのも、江戸時代、この通りは徳川将軍家が上野寛永寺に参詣するために使用した「御成街道」だったんです。
寛永寺は言わずと知れた徳川将軍家の菩提寺。歴代の将軍が、参拝の為に延々と続く行列を従え、上野まで通ったわけです。

江戸時代、上野の山は江戸随一の桜の名所でもあったので、桜の頃ともなれば多くの市民が、笑顔でこの道を北上していったのでしょう!
江戸の世が過ぎた平成の現代においても、様々な多くの人が行き交う道路です。

将軍家も足繁く秋葉原の道を!

写真:鈴木 旅人

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秋葉原を見下ろす神田明神からの眺め!

秋葉原西口、中央通りを越え、更に西に進むと、明神下というエリアに入ります。ここは崖下になっていて、その崖の上には江戸の総鎮守、神田明神が鎮座しています。ここからの秋葉原の景色は是非、押さえておきたい!神田明神のある台地は、本郷湯島台地の縁なので、これだけ急な崖になっているんです。

江戸の浮世絵師、歌川広重にも描かれた有名な観光地。かつてはここから海が眺められ、初日の出、月見、雪見の場として、市民に親しまれていました。

崖下には色町が展開し、講武所に通う旗本や御家人の子弟たちが大勢おしかけ、この花街の芸者は「講武所芸者」などとも呼ばれていました。「講武所」とは幕末に幕府が設置した幕府の旗本や御家人の子弟を対象とした武芸訓練機関のこと。
耳を澄ませば、講武所へ通う子弟たちの気焔を吐く声と、三味線の音が聞こえてくるようです。

下の写真は、神田明神東側、「明神男坂」を登った階段上からの景色。昔はここから海が望めたんですね。

秋葉原を見下ろす神田明神からの眺め!

写真:鈴木 旅人

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秋葉原の街歩きがより一層楽しく!

関東大震災の起きる前、秋葉原という駅は存在せず、周辺には「万世橋駅」という駅がありました。東京駅を設計した辰野金吾の設計で、赤煉瓦造りの大変豪華な、街のランドマーク的存在だったのですが、関東大震災で駅舎は焼失。その後は実質的に閉鎖されていました。

しかし、2013年9月14日、旧万世橋駅の遺構を整備し、「mAAch ecute(マーチエキュート) 神田万世橋」が開業。明治に作られた階段、壁面、プラットホームなどの遺構がそのままに感じられ、歴史を感じる商業施設が誕生したのです!

その中でオススメしたいのが、この施設の中にライブラリーというコーナー。こちらには大正時代の万世橋駅周辺のジオラマがあるんです!タッチパネルで夕方、夜、明け方の照明演出ができたり、駅や周辺の歴史を学ぶことができたり。

こちらで街のイメージし、街歩きをすれば、より一層、秋葉原の変化の歴史が感じられ、秋葉原を見る目が更に変わることでしょう!

秋葉原の街歩きがより一層楽しく!

写真:鈴木 旅人

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秋葉原の今と昔を感じて

秋葉原の歴史の痕跡捜し、いかがでしたでしょうか?今回、秋葉原の顔というような道や神社など、有名な場所を中心にご紹介させていただきました。
というのも、普段、何気無く見ている当たり前の風景が、実はその土地の重要な証言者であるケースは多く、秋葉原においてはそれが特に顕著だからです。

秋葉原に行ったことのない方は勿論、通勤や通学で見慣れている、なんていう方にも、その歴史や今の風景の背景を感じ、是非、秋葉原散策をして貰えればと思います!

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/13 訪問

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