学問の神様・菅原道真をお祀りする湯島天満宮は、都内でも随一の梅の名所。樹齢70〜80年の樹が多く、その数約300本。「湯島の白梅」と言われるように、8割がた白梅です。例年の見ごろは2月中旬〜3月上旬頃。
「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なきとて 春なわすれそ」
という道真の歌にちなんで、天満宮では梅が植樹されています。さらに、神社の家紋ともいえる神紋も梅ですね。次に述べる亀戸天神も同じ神紋で加賀梅鉢という意匠です。本殿の屋根の部分や門扉などに彫られていますので、よくご覧ください。
最寄駅は徒歩5分ほどの東京メトロ千代田線の湯島駅になります。間近に梅林を見ながら急こう配の男坂を登り、鳥居をくぐることになるのでオススメルートですよ。
こちらも菅原道真をお祀りする天神様です。古くは九州の太宰府天満宮に対して東の宰府として「東宰府天満宮」と称されていました。
見ごろは2月中旬から3月上旬で約300本の梅を眺めに大勢の人がやってきます。
写真の本殿左右に見える一対の紅白梅の他に、太宰府天満宮の境内にならって作られた、心字池や三つの橋の周りにも梅林が広がり、小高い太鼓橋からの眺めは絶景です。
道真は梅の花をこよなく愛し数々の歌を詠んでいますが、その中で5歳のときの作とされる
「美しや 紅の色なる梅の花 あこの顔にも つけたくぞある」
という可愛らしい歌の碑が5歳の道真像とともに境内にありますのでご覧ください。
香取神社は亀戸天神から徒歩10分ほどの距離ですが、道路沿いにも梅林があって道々目を楽しませてくれるので、あっという間に到着です。東武線小村井駅からは徒歩5分ほど。湯島や亀戸の天神様ほど人に知られていない穴場的な名所といえます。
江戸時代には香取神社のとなりに3,000坪をこえる広大な梅園があり、この梅園を偲んで境内に香梅園が作られました。85種120本の梅が観られ、見ごろは2月下旬から3月上旬頃になります。
香取神社はスポーツの神社。源頼朝、徳川家康など歴代武家の統領や剣豪達から篤く敬われてきました。寒気を割って一番に花開く梅の凛々しさは、スポーツや武道の潔さに通じるように思います。
「百花園」という名称は「梅は百花に魁けて咲く」という意味だったともいわれるように、江戸時代に造園された当初は殆どが梅の木だったそうです。
梅の見ごろは2月中旬から3月中旬で、約60本の紅白の梅が咲き競います。
向島百花園の楽しみ方のひとつとして、「日本間から庭園を眺める」というのがあります。園内の「御成座敷」ではお手頃な料金で部屋を借りられ、縁側から庭園を楽しみながら宴会や食事ができます。大名屋敷や寺社の庭園とは一味ちがう江戸の草園をゆっくり鑑賞してみては?
羽根木公園は小田急線梅ヶ丘駅から徒歩5分ほどで、約650本もの梅林がある都内でも指折りの梅の名所です。見ごろは2月中旬から3月上旬。他にもテニスコートや野球場、子供たちが自由に遊べるプレーパークがあり、ファミリーに大人気の公園です。
ところで「飛梅伝説」というのをご存知でしょうか?
菅原道真が大宰府に流されるときに、梅に語りかけるように詠んだ別れの歌はあまりにも有名ですが、その梅が道真を慕って一夜にして大宰府まで飛んで行ったというのです。大宰府天満宮では神木として大切にされていて、この羽根木公園にも太宰府天満宮から贈られた飛梅があります。由緒正しい梅…というのもおかしいですが、そう思って観ると一味もふた味も違って見えるのが不思議です。
奈良時代までは「花」といえば「梅」のことだったそうです。そのせいかどこか懐かしいような風情のある梅の花。早春のお出かけに最適な梅の名所をご紹介しました。
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