写真:澁澤 りべか
地図を見るかつてゲットーと呼ばれたユダヤ人街(ヨゼホフ)には立派なシナゴーグがたくさん残されています。それらを含むユダヤ教関連施設7つが公開されていて、誰もが内部を見学できます。儀式で使う道具や古文書、聖典トーラー(旧約聖書)などが展示されているところもあります。チケットは各シナゴーグで購入できますが、時間がある人には9日間有効の7施設共通チケットがおすすめ。
写真はこの界隈で売られているお土産物の一部です。プラハならではのちょっと変わったお土産がみつかりますよ。
写真:澁澤 りべか
地図を見るまずは、13世紀に建立されたヨーロッパ最古のシナゴーグ“旧新シナゴーグ”を見学しましょう。チケットはすぐ向かいの建物で購入します。チケット売り場でもユダヤグッズやゴーレムグッズ、それらの関連書籍が買えます。
“旧新シナゴーグ”はいまもユダヤの礼拝に使用されており、内部には16世紀の偉大なラビ(ユダヤの律法学者)、レーフの椅子が残されています。レーフの死後その椅子には誰も座ろうとしません。
ラビ・レーフは諸学に通じ、皇帝ルドルフ2世の前で様々な魔術を披露したといわれています。そして迫害されていたユダヤ人を守るために、神の啓示に従って土くれからゴーレム(人造人間)を作り出したのです。ゴーレムを土くれに戻したあとは、その土をこのシナゴーグの屋根裏に隠したそうです。
写真:澁澤 りべか
地図を見る“ピンカス・シナゴーグ”に入ってまず驚くのがその壁面。壁という壁に、赤や黒の細かい文字がびっしりと書きつけられています。これはナチス・ドイツによって命を奪われた、チェコのユダヤ人約8万人の名前と生没年月日。シナゴーグそのものが彼らの慰霊碑なのです。
さらに2階にはテレジン強制収容所でユダヤの子どもたちが描いた絵が展示されています。この“ピンカス・シナゴーグ”を出ると、ラビ・レーフをはじめ約10万人のユダヤ人が眠る旧ユダヤ人墓地があります。
写真:澁澤 りべか
地図を見る旧ユダヤ人墓地はゲットーの中に作られ、15世紀なかばから18世紀末まで使用されました。墓地を拡大することは許されなかったので、場所が足りなくなると土を盛ってその上に新たな墓を作りました。そのため多いところで10層にもなっていて、埋もれたり倒れたりしているものを合わせ、1万基以上もの墓が見え隠れしています。まるで墓石の迷路です。
ゴーレムを造ったとされるラビ・レーフの墓は、通路に面しています。棺おけ型でブドウとライオンのレリーフがほどこされた一際立派なもの。すぐ右隣りに奥さんのお墓もあります。ちなみに墓石の上に小石を載せるのが、ユダヤ流のお墓参りです。
出口の外は、ちょうどクラウセン・シナゴーグとセレモニアル・ホールにはさまれた角になります。
ここで紹介した以外にも、ゲットー内最大規模の“クラウセン・シナゴーグ”、アルハンブラ宮殿にも似た独特な外観をもつ“スペイン・シナゴーグ”、カフカの生家に程近い“マイゼル・シナゴーグ”などがあり、すべてを巡ると丸一日かかります。
シナゴーグに入る際、男性には紙製の丸い帽子「キッパ」が手渡されることがありますので、頭にのせてください。これは神の前で敬虔さを示すために、男性が頭の頂点を隠すというユダヤの習慣です。
プラハ滞在中、時間に余裕があればぜひ、日本人にはあまりなじみのないユダヤ文化に触れてみてください。
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(2024/4/23更新)
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