奈良ホテルの茶がゆ朝食は、国宝の興福寺五重塔を眺めながらいただける

奈良ホテルの茶がゆ朝食は、国宝の興福寺五重塔を眺めながらいただける

更新日:2016/02/26 13:03

東郷 カオルのプロフィール写真 東郷 カオル 癒されたい系女子旅ライター、ラグジュアリーホテルライター
奈良ホテルは建築家・辰野金吾の手による日本を代表するクラシックホテルで、建造から100年以上たった今も迎賓館時代の優美な姿をとどめています。奈良ホテルは「せめてランチだけでも」「お茶だけでも」「見学だけでも」とひっきりなしに観光客が訪れる、一度は泊まってみたい憧れのホテル。
今回はメインダイニングルーム「三笠」のフレンチ、新館での宿泊、興福寺五重塔を眺めながらの朝食という優雅な滞在をご紹介します。

迎賓館・奈良ホテル

迎賓館・奈良ホテル

写真:東郷 カオル

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奈良ホテルを象徴するのは、桃山御殿風檜造りの本館外観と、館内を入った正面にある赤絨毯の大階段。迎賓館時代の優美で華やかな趣を今に残します。吹き抜けのあるエントランスは、日中は人の出入りが多く大変賑やかな様子ですが、宿泊客しかいなくなった夜にはとても落ち着いた趣で、どちらとも雰囲気のある空気感が味わえます。

館内では結婚式の記念撮影をされていることもあり、煌びやかに着飾った人々でさながら鹿鳴館時代のような雰囲気に。建造された年には二十数年の開きはあるものの、奈良ホテルの総工費は鹿鳴館の2倍ほどかかっていますので、当時としてもその豪華さが際立っていたことでしょう。2階からは春日釣燈籠を模ったシャンデリアの凝った装飾を近くで眺めることもでき、日本の美意識と建築・工芸技術の高さをうかがい知ることもできます。

どこまでもクラシカル

どこまでもクラシカル

写真:東郷 カオル

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館内の内装は、桃山風の豪奢・華麗な意匠と、ドイツ風の重厚な意匠が見事に調和した和洋折衷。赤絨毯の大階段の上はエントランスホールの吹き抜けの上部。こちらは下の階の賑やかさとはうってかわって静けさに包まれています。調度品もすべてクラシカル。吹き抜けの上からはロビーの様子がよく見えます。

1階にはメインダイニングルーム「三笠」、ティーラウンジ、ロビー「桜の間」などがありますが、どこも日本の美意識の高さを感じさせる造り・調度品で、目の保養になります。

本館と新館

本館と新館

写真:東郷 カオル

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奈良ホテルには桃山御殿風檜造りの本館に加え、吉野地方の建築様式「吉野建て」の新館があります。
今回ご紹介するのは新館。新館には本館にはないシングルルームがありますので、一人旅でも奈良ホテルにそこそこリーズナブルに宿泊ということも可能です。

写真は新館1階のシングルルーム。縦に細長い造りとなっていて、意外と広め。バルコニーが付いていて、目の前は緑豊かなお庭。新館の部屋からは、夜にはライトアップしたチャペルが目の前に見られます。

夕食はメインダイニングルーム「三笠」でフレンチ

夕食はメインダイニングルーム「三笠」でフレンチ

写真:東郷 カオル

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せっかく奈良ホテルに泊まるなら、ディナーは是非「三笠」でフレンチのフルコースを。クラシカルでゴージャスな内装は気分を高揚させてくれます。

お料理やワインのお味はもちろん、スタッフの所作も洗練されていて無駄がない。奈良ホテルのレベルの高さを感じさせられる瞬間です。
客層は比較的落ち着いた年齢層のご夫婦やご家族連れが中心で、静かで優美な空間の中、レベルの高いフランス料理を楽しむことができます。

興福寺五重塔を眺めながらの朝食

興福寺五重塔を眺めながらの朝食

写真:東郷 カオル

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奈良ホテルでの朝食は、先ほど夕食でご紹介したのと同じくメインダイニングルーム「三笠」で。ここでは是非、日常食として大和の人々に親しまれてきた郷土料理・茶がゆをお召し上がりください。
「三笠」の茶がゆは、香り高い緑茶でさらりと炊き上げられ、前日の贅を尽くしたフレンチとは反対に、素朴で優しい味に仕上がっています。
朝食は、この茶がゆ定食の他に、和定食と洋食も用意されています。

窓の向こうには「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されている興福寺の五重塔(国宝)が望め、悠久の歴史を刻み続ける古都奈良の、風情ある静かな朝を迎えることができます。

名勝・旧大乗院庭園

奈良ホテルのすぐ南側に隣接する旧大乗院庭園は、興福寺の門跡寺院であった大乗院の庭園でした。一度は荒廃しましたが、室町時代に活躍した作庭の名手善阿弥によって改造。今では数少ない中世の遺構を残す貴重な庭園として国の名勝に指定されています。

こちらの庭園は2010年から一般公開されるようになったスポットですので、昔に奈良観光された方はご覧になっていないはず。是非訪れてみましょう。宿泊客は無料の入園券がいただけますので、フロントで声をかけてみてください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/21−2016/02/22 訪問

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