外国人観光客にも人気!「京都」の名桜5選〜定番から意外な穴場まで

外国人観光客にも人気!「京都」の名桜5選〜定番から意外な穴場まで

更新日:2017/03/13 11:22

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
四季折々の風情が感じられる日本。春のわずかな一瞬しか見ることができない桜は、外国人観光客にもたいへん人気があります。なかでも、和の情緒が感じられる「京都」の桜は、外国人が日本で一番見たい観光スポット。「桜」と「寺社仏閣」の鮮やかな対比は外国人でなくても、日本人にとっても心安らぐ風景です。そこで、“千年の都”京都で、外国人にも人気のある桜の名所と穴場をご紹介!日本の美しい原風景を見に行きませんか?

桜が1カ月間も楽しめる!京都「平野神社」

桜が1カ月間も楽しめる!京都「平野神社」

写真:沢木 慎太郎

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外国人観光客に意外と人気が高いのは京都・北野白梅町にある「平野神社」。宮廷との関わりが深く、桜の神紋を持つ平野神社は、伊勢神宮や松尾大社などと並ぶ格式高い名社です。“平野造り”と呼ばれる本殿は、国の重要文化財に指定されています。

桜が1カ月間も楽しめる!京都「平野神社」

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古くから桜の名所として知られ、“東は祇園、西は平野”と呼ばれるほど。さまざまな種類の桜(約60種、約400本)を愛でることができます。3月下旬から4月下旬まで約1か月間にわたって、美しい桜の花に酔いしれることができるのが、外国人にも人気がある理由です。

桜が1カ月間も楽しめる!京都「平野神社」

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神門の手前に植えられ、早咲きの白い枝垂れ桜として知られる「魁桜(さきかげざくら)」は実に見事。目が覚めるような白く可憐な「寝覚桜(ねざめざくら)」や、蝶が華麗に舞うような風情を感じさせる「胡蝶(こちょう)」といった珍しい品種が多く、「平野神社」は京情緒を漂わせる美しい神社です。

渡月橋と桜のコラボが美しい!京都随一の観光名所「嵐山」

渡月橋と桜のコラボが美しい!京都随一の観光名所「嵐山」

写真:沢木 慎太郎

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続いては定番中の定番!京都を代表する観光名所の「嵐山」。大堰川(桂川)に架かる渡月橋(とげつきょう)を中心に、清流に沿って桜が花開き、のんびりした散策を楽しめるところが外国人にも人気。渡月橋を囲むように広がる山々は満開の桜で、空気までもが薄紅色に染まり、清々しい自然が感じられるところが魅力的です。

渡月橋と桜のコラボが美しい!京都随一の観光名所「嵐山」

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嵐山を彩る桜は、鎌倉時代の後嵯峨上皇が奈良県・吉野から移植したといわれ、今では染井吉野や山桜、八重桜、枝垂れ桜など、約1500本(渡月橋付近)の桜が優しいピンク色に山間を染め上げ、3月下旬から4月上旬にかけて見ごろを迎えます。

渡月橋と桜のコラボが美しい!京都随一の観光名所「嵐山」

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嵐山から小倉山にかけて社寺が建ち並ぶ地域は、“嵯峨野(さがの)”と呼ばれ、竹林の小道が続き、古都の風情が感じられるところ。世界遺産の「天龍寺」、縁結びの「野宮神社」、 芸能人がお忍びで訪れる「車折(くるまざき)神社」、ご本尊が二体ある「二尊院」といった個性的なお寺や神社が点在。由緒あるお寺と桜が相まって京都らしい風情をかもしだしています。

さらには「トロッコ列車」「保津川下り」といった楽しみ方もあり、桜の季節だけでなく、秋の紅葉シーズンも楽しめる自然が美しい場所。「日本さくら名所100選」「日本紅葉の名所100選」の名にふさわしい、日本を代表する観光スポットです。

“清水の舞台”は絶景の桜の名所!京都「清水寺」

“清水の舞台”は絶景の桜の名所!京都「清水寺」

写真:沢木 慎太郎

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続いても、超有名観光スポットの「清水寺」。ユネスコの世界文化遺産に登録された京都屈指の名刹です。ここも外国人観光客に人気の桜のスポット。

“清水の舞台”は絶景の桜の名所!京都「清水寺」

写真:沢木 慎太郎

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778年に延鎮上人(えんちんしょうにん)が夢のお告げで音羽山に向かい、金色の水流が湧き出す源泉で観音の化身に出会い、千手観音像を刻んだことが清水寺の始まりとされています。

東山の音羽山を背に、15の塔堂が建ち並び、その多くは国宝や重要文化財。最大の見どころは、“清水の舞台”で有名な「懸造り(かけづくり)」の本堂。崖や山の斜面に、せり出すように建てられた日本独自の建築様式は、外国人にはまさに驚き。清水寺は桜の名所としても名高く、敷地内には染井吉野など約1500本の桜が花開き、高さ13mの“清水の舞台”から眺める春色の景色は実に美しい。

“清水の舞台”は絶景の桜の名所!京都「清水寺」

写真:沢木 慎太郎

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「仁王門」「西門」「三重塔」といった重要文化財や、縁結び・恋愛のパワースポットで有名な「地主(じしゅ)神社」など、重厚な建築美と桜が奏でる調和が見事。みやびな京の桜を堪能することができます。染井吉野が多いので、見ごろは3月下旬から、4月上旬。

サザンの歌のモデル?可憐で美しい紅枝垂れ桜「半木(なからぎ)の道 」

サザンの歌のモデル?可憐で美しい紅枝垂れ桜「半木(なからぎ)の道 」

写真:沢木 慎太郎

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次は、地元・京都人が愛する絶好の散策路「半木(なからぎ)の道」。市中心部からやや北のはずれにある賀茂川沿いの散策路で、春になればご覧のように紅枝垂れ桜が藤棚のように重なりあい、まるで色鮮やかなピンク色の霞が果てしなくたなびくよう。賀茂川の清流と相まって、京都ならではの風情を楽しむことができます。

サザンの歌のモデル?可憐で美しい紅枝垂れ桜「半木(なからぎ)の道 」

写真:沢木 慎太郎

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京都の観光スポット「嵐山」「金閣寺」「二条城」「祇園」「清水寺」「河原町」といった人気のエリアから離れた位置にあり、しばし喧騒を離れてのんびりできるところが魅力的。ベビーカーを押しながら桜を楽しむ奥様など、多くの地元民たちと触れあうことができ、日本人の暮らしぶりに興味を持つ外国人観光客にぜひおススメしたい、意外と穴場のお花見スポットです。

見ごろは染井吉野が散り始める4月中旬ごろ。場所は、北大路橋と北山大橋の間約800メートル(約70本)。北山大橋から以北は染井吉野が連なり、上賀茂神社の社殿と桜のコラボも美しい。

サザンの歌のモデル?可憐で美しい紅枝垂れ桜「半木(なからぎ)の道 」

写真:沢木 慎太郎

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ちなみに、「半木の道」は、人気バンド「サザンオールスターズ」の歌のモデルではないか、と地元のファンの間で話題。桑田佳祐さんが作詞作曲した「イヤな事だらけの世の中で」(テレビドラマ『流星ワゴン』(TBS系)の主題歌)に、半木の道をイメージさせる描写があるというもの。ファンの方はぜひ現地で確かめてみて下さい。

ところで、この「半木(なからぎ)」という変わった名前は、神木が流れ着いたという“流木(ながれぎ)”に由来します。

外国人新婚旅行者の姿も!疎水の小道がすべて桜色「哲学の道」

外国人新婚旅行者の姿も!疎水の小道がすべて桜色「哲学の道」

写真:沢木 慎太郎

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最後のご紹介は、“京都の桜散策”で絶対に外せない観光スポット「哲学の道」。東山の麓、琵琶湖疎水の小さな清流に沿って、石畳の情緒的な小道が続いています。

染井吉野や大島桜など約450本の桜が疎水の小道を彩り、春には優しい桜色に包まれます。空は可愛いピンク色の桜にすっぽり覆い隠されてしまう。疎水の川面にも桜が映り、どこを見ても柔らかな春色。見ごろは4月上旬ですが、散り際の4月中旬もおススメ。桜の雨は情緒にあふれ、花びらが疎水に流れていく姿も儚げで美しい。

外国人新婚旅行者の姿も!疎水の小道がすべて桜色「哲学の道」

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「熊野若王子神社」から、「銀閣寺」まで約2kmの疎水の道は、哲学者の西田幾多郎が思索にふけりながら歩いたことから、「哲学の道」と呼ばれることに。

道沿いにはお洒落なカフェが多く、抹茶パフェやあんみつ、ぜんざいといった京都らしいスイーツも楽しむことができます。

外国人新婚旅行者の姿も!疎水の小道がすべて桜色「哲学の道」

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ところで、この「哲学の道」では、桜の季節に新婚旅行で訪れ、ウエディングドレス姿で記念写真を撮る外国人女性が多く見られます。日本ではこれまであまり見られなかった風景。まさしく、外国人観光客が喜ぶ桜の名所。日本の四季の美しさ、京都の桜の美しさは世界中の人々の心を大きく動かすのでしょう。

おわりに

日本の中でも、ひと際美しい“千年の都”京都の桜。最後にご紹介した「哲学の道」ですが、京都中心部の繁華街「四条河原町」から、いずれも桜の名所である「祇園」「円山公園」「知恩院」「平安神宮」「南禅寺」を経て行くことができます。

これらの桜の見どころについても別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/02 訪問

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