広い青空、仏教遺跡の儚き美!廃墟の古都・世界遺産アユタヤの巡り方

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広い青空、仏教遺跡の儚き美!廃墟の古都・世界遺産アユタヤの巡り方

広い青空、仏教遺跡の儚き美!廃墟の古都・世界遺産アユタヤの巡り方

更新日:2016/02/18 17:09

澤 慎一のプロフィール写真 澤 慎一 放送局ディレクター

果てしなく広がる青空。赤茶けた大地のような仏教遺跡。タイの中部にあるアユタヤは、かつて栄華を極めた古都の面影が、街の至るところに廃墟として残っています。まるでアニメやゲームの世界にでも迷い込んだような非現実的な風景。戦争で壊滅し、今なお大地に広がる廃墟は儚くも美しく、京都や奈良では味わうことのできない荘厳な悲哀を秘めています。その見どころや巡り方をご紹介。ぜひアユタヤ観光のご参考にして下さい。

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初代アユタヤ王が静かに眠る遺跡「ワット・プラ・ラーム」

初代アユタヤ王が静かに眠る遺跡「ワット・プラ・ラーム」

写真:澤 慎一

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苔むした大仏塔。大草原に横たわる涅槃像。石の芸術ともいえる歴代王の離宮。そして、頭を壊されたおびただしい数の仏像。

タイの首都バンコクから北へ約80km。14世紀中期に王朝が開かれ、日本の室町時代から江戸時代にかけて、およそ400年間に渡って栄えたアユタヤ。

川で囲まれた街(南北4km、東西7km)には数多くの遺跡があり、古都アユタヤの名前でユネスコの世界遺産に登録されています。壮大な歴史が感じられるアユタヤ王朝は、しかし、ビルマの侵略で18世紀に滅ぼされた「あの日」から静かに時を止めたまま。

遺跡群の多くは、アユタヤ歴史公園内に点在。広大な歴史公園は綺麗に整備され、森林浴も楽しむことができるので、レンタサイクルを借りて巡るのがおススメ。バンコクを出発したバス(戦勝記念塔、モーチット北バスターミナル発)は、アユタヤの北東部に到着。付近には小ぎれいなゲストハウスが多く建ち並び、ここでは1日約150円で自転車を借りることができます。

レンタサイクルを借りたら、街の中心部に向かいましょう。アユタヤ歴史公園の中心には湖が集まり、オアシスを取り囲むように遺跡が佇んでいます。写真の「ワット・プラ・ラーム」(Wat Phra Ram)も、そのうちの一つ。アユタヤ王朝初期の寺院で、初代王のウートーン王の遺骨が納められているとされています。巨大な大仏塔を中央に、本堂や礼拝堂跡が残り、廃墟となりながらも美しく青空に映え、アユタヤ王朝の荘厳さを今に伝えています。

儚く消えた黄金の大仏塔「ワット・マハタート」

儚く消えた黄金の大仏塔「ワット・マハタート」

写真:澤 慎一

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アユタヤ観光で、絶対に外せないのが「ワット・マハタート」(Wat Phra Mahathat)。戦争によって破壊され、切り落とされた仏像の頭が木の根によって持ち上げられた神秘的な光景が見られる寺院です。

写真の右側に土台のようなものが見えますが、14世紀の創建当時には高さ約44メートルの大仏塔がそびえ、頂上部は黄金に輝いていました。しかし、ビルマ軍の侵攻によって破壊され、頭を砕かれた仏像の列やレンガの壁、小塔、礼拝堂跡を残すだけ。大仏塔の跡地からは黄金仏は宝飾品が見つかり、「チャオ・サン・プラヤー国立博物館」に展示されています。

一方、すぐ近くには「ワット・ラチャブラナ」(Wat Rajaburana)があり、クメール様式の巨大な仏塔がそびえ、地下室にはタイ最古と言われる壁画を見ることができます。こちらもぜひ訪れてみて下さい。

3人の王が眠る守護寺院「ワット・プラ・シーサンペット」

3人の王が眠る守護寺院「ワット・プラ・シーサンペット」

写真:澤 慎一

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続いても、アユタヤ歴史公園の中心部にある仏教遺跡で、3つの大仏塔が一直線に並ぶ「ワット・プラ・シーサンペット」(Wat Pra Srisanpet)。アユタヤ遺跡の中でも重要な寺院で、バンコクにおけるエメラルド寺院(ワット・プラ・ケオ)のような存在。

アユタヤ王朝の歴代3人の王の遺骨が納められているとされ、アユタヤ時代の建築をそのまま見ることができます。かつて、この地にはアユタヤ王朝の初代王宮がありましたが、火災で焼失しました。

この跡地に王室を守護するために建てられたのが「ワット・プラ・シーサンペット」。つまりは、王室の守護寺院。敷地内には高さ16mの黄金に輝く仏像が建っていましたが、これもビルマ軍によって破壊されました。今では廃墟の中に白く風化した3つの大仏塔がそびえ、青空に向かって伸びる尖塔が美しく、当時の栄華を偲ぶことができます。

また、すぐ横隣には、奈良の大仏よりも大きい、高さ(座高)17mの大仏を安置した寺院「ウィハーン・プラ・モンコン・ボピット」 (Viharn Phra Mongkon Bophit)があるほか、ゾウに乗ってアユタヤ遺跡を散策できる「アユタヤ・エレファント・ライド」にも近いので、そちらもかなりおススメです。

大草原に横たわる優雅な涅槃仏「ワット・ローカヤ・スター」

大草原に横たわる優雅な涅槃仏「ワット・ローカヤ・スター」

写真:澤 慎一

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次は、アユタヤ歴史公園の中心からやや外れた西の位置にある「ワット・ローカヤ・スター」(Wat Lokaya Sutha)。大草原に悠然と寝そべる巨大な釈迦涅槃仏(しゃかねはんぶつ)です。

高さ5m、長さ28mという大きな仏さまで、60年ほど前に復元されたもの。バンコクにある「ワット・ポー」の涅槃仏は仏堂の中にいらっしゃいますが、アユタヤの仏さまは寺院も本堂も何もない、果てしなく広がる青空の下で、のんびり。ゆったりと身体を伸ばし、何とも優しげでにこやかな微笑を浮かべています。

奈良や鎌倉の大仏は精かんな顔をしていますが、タイの仏さまは人間味にあふれ、ものすごく楽しそう。悟りの境地が感じられ、しばし現実を忘れることができます。

落ちた首が空中に!今もアユタヤを守る神秘の仏像「ワット・マハタート」

落ちた首が空中に!今もアユタヤを守る神秘の仏像「ワット・マハタート」

写真:澤 慎一

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最後のご紹介は、こちら。冒頭でもご紹介しましたが、「ワット・マハタート」の神秘的な仏像。戦争で破壊され、地面に落ちた仏像の頭を、菩提樹が長い年月をかけてゆっくり持ち上げたものです。この姿がアユタヤ遺跡を世界に知らせるきっかけとなり、やがて世界遺産に。

頭を切り落とされただけでなく、目も口も鼻も傷つけられ、それでも穏やかに優しい微笑を浮かべる仏の姿に感動せずにはいられません。この仏像だけでなく、アユタヤの仏像は安らかで、とても優しい顔。煩悩の火が吹き消され、まったく迷いのない気持ちが顔に表れています。悲哀を秘めながらも儚く美しく、現実を忘れさせてくれるような素晴らしい仏教美術。アユタヤは今もなお、栄華を極め続けています。

おわりに

いかがだったでしょうか?
アユタヤにはご紹介したほかにも、瞑想寺院の「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」(Wat Yai Chai Mongkon)、アンコールワットを模したともいわれるクメール様式の寺院「ワット・チャイ・ワッタナラム」 (Wat Chai Watthanaram)、ビルマ軍の破壊から奇跡的に免れた最大級の本堂を持つ「ワット・ナー・プラメーン」(Wat Na Phramen)といった魅力あふれる寺院もあります。

日本の感性とは違った独自の仏教美術にふれることができるので、アユタヤ観光は絶対におススメ。ゾウに乗って遺跡を巡るのも、とてもおもしろい。バンコクからバスで90分ほどで行けるので、ぜひともバンコク観光のオプションの一つに付け加えて下さい。

なお、アユタヤ寺院の詳しい内容や見どころについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/13 訪問

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