北志賀高原の夏の穴場!絶品の蕎麦ピザ〜山の実

北志賀高原の夏の穴場!絶品の蕎麦ピザ〜山の実

更新日:2012/09/05 18:19

えんべるのプロフィール写真 えんべる
北志賀高原にはいくつかのスキー場があるが、スキーシーズン以外は言い方は悪いが閑散としたエリアとなる。

北志賀高原内にある竜王スキー場のゲレンデそばに、春〜秋のみ限定の穴場の「蕎麦屋」があるのだ。蕎麦屋といっても名物は蕎麦だけではない。ここの蕎麦粉を使ったピザがめっちゃくちゃ美味しいのである。

ナビを頼りに竜王スキー場目指してくねくねと

ナビを頼りに竜王スキー場目指してくねくねと

写真:えんべる

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国道403号線を夜間瀬方面に北上、北志賀高原に入り、目指すは「竜王スキーパークロープウェー乗り場」。途中、案内看板が出ているが、ナビを使ったほうが無難かもしれない。
冬になればゲレンデと化す草原の斜面と、止まったロープウェー、軒並み店じまい中の店が並ぶ静かな高原でひっそりと営業している店が「山の実」だ。

「山の実」は、もともとは隣接するホテル、北志賀ホリデイインに併設された「スキー客向けの食堂」だった。今でももちろん冬になればゲレンデのレストランとして営業しているが、ここのシェフが独学で蕎麦打ちをマスターし、8年前からオフシーズンに蕎麦メニューのみの営業を始めた。独学とはいえ、蕎麦の実は契約農家から仕入れ、蕎麦挽きから行う本格的なもの。

この蕎麦粉を使った一連のメニューは4月末〜11月末の間しか食べられない。また、営業日は土日、祝日の昼のみである。但し、事前に予約をすれば平日でも開けてくれる。
メディアでほとんど紹介されていないにも関わらず、クチコミで人気が出ているので、土日祝日の営業日であっても事前予約は必須である。
「一人で蕎麦打ちしてるので、1日60食が限界なんですよ。それも予約で埋まっちゃうことがあるんで、せっかくお越し頂いても蕎麦がない、ということになっちゃうんで…」まだ若いマスターがすまなそうに言う。

さて、ここのメニューのメインは蕎麦がき、蕎麦、蕎麦粉を使ったピザなのだが、一人でも全種類食べられるように親切なセットメニューが用意されている。
季節のお漬物/蕎麦がき/ざる蕎麦/蕎麦粉のミニサイズのピザ
以上4品で\2,000円のセットを頂いてみた。

1品目:やみつきになりそうなお漬物

1品目:やみつきになりそうなお漬物

写真:えんべる

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お茶を飲みながら待っていると、まず出てくるのがこれ。
鞍掛豆のひたし豆/きゅうりのぬか漬け/梨瓜

ブログなどでこの店の記事を読んでいると鞍掛豆が必ず出てくるので、豆好きな私はすごく期待していた。一粒噛み締めて「うっわー!!旨い!」
鞍掛豆は長野の特産で、青大豆の一種。大豆の若豆である枝豆と似ているが、風味が断然いい!香ばしくて濃厚である。

そしてびっくりしたのが梨瓜である。字面のごとく、ほんのり甘い梨の味。これは初めて食べた味。美味しい。美味しすぎる。最初からこんなに美味しくて大丈夫なのか?

東京の蕎麦屋では見たことのない衝撃の蕎麦がき

東京の蕎麦屋では見たことのない衝撃の蕎麦がき

写真:えんべる

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一般の蕎麦屋で食べる蕎麦がきというと、蕎麦粉を練って茹でたもので、色は薄茶色、つるっとなめらかな見た目と食感、という印象なのだが、ここの蕎麦がきは全く違う。

色はほとんど白に近く、薄い黄緑色のツブツブは蕎麦の実。茹でたものではなく、練り上げて表面を炙ってあるようだ。
弾力があり、箸でもっちりとちぎり、好みで塩と山葵を少しつけていただく。
蕎麦の個性が強引に前面に出たような蕎麦がきではない。実に上品で繊細。もちもちと噛み締めると、蕎麦の実のプチプチが弾ける。
これはセット用のミニサイズで、単品だともう少し大きいサイズになる。

こんな個性的で素晴らしい蕎麦がきを作るとは一体どれほどの研究をっ?と思い、鼻息荒くご主人に聞いてみたところ、「あー、他の店で修行とかしてなくて自己流で作ってたらこんな風になっちゃったんでー」と意外なほどにのんびりした答えが返ってきた。

ここでノックアウト・・されている場合ではない。お次はいよいよ蕎麦の登場である。

美しすぎる蕎麦

美しすぎる蕎麦

写真:えんべる

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粗挽きの細打ち。薄ねずみ色の蕎麦は余計なヌメリが全くなく、蕎麦独特のしゃっきりした歯ごたえ。最初はそのままで一口、次に塩と山葵少々で。そばつゆもちょうどいい濃さ。東京の藪蕎麦などの塩辛いつゆに慣れている人は物足りないかもしれないが、西出身の私にはすごく好きな味。

蕎麦のざるは、信州特産のねまがり竹で編んだもの。何もかもが地元産のもの。

大トリ!こんなピザ食べたことない!

大トリ!こんなピザ食べたことない!

写真:えんべる

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最後に出てくるのが、この店で蕎麦と並んで名物の「須賀川そばピザ」。蕎麦粉9割の薄い生地の上には、拍子抜けするほどシンプルな具。ネギとえのき、これだけ…ではなく、黄緑色の粒は蕎麦の実だった。
一口かじると、小麦粉の生地とは全く違う、香ばしい香りと、なぜかほんのり甘く濃厚な…!チーズとは違う?わー!なんだこれ!!めっちゃくちゃ旨いよ!

そう、このピザのソースには信州白味噌を使っているのだ。薄く伸ばした蕎麦粉の生地に隠し味のような白味噌ベースのソース。白味噌本来の甘味に、チーズの塩味が見事に合う。蕎麦粉生地の風味を殺さないよう、具はあっさりとえのきとネギ、噛み締めると蕎麦の実が弾ける。

こ、これほどまでに計算されたピザのバランスがあるだろうかっ?ご主人に「えのきを使うとは意外ですね!こ、これには何か理由がっ?」と鼻息荒く質問したところ、「あー。えのきは長野の特産品なんですよ〜。」と、またもや意外なまでにのんびりした答えが返ってきた。

セットのピザは直径15センチ少々。余裕でぺろっと食べられる。

北志賀高原は、志賀高原などと違い、スキーシーズン以外はあまりドライブなどで行くエリアでもない。だからこそ穴場の蕎麦屋。自信をもってオススメする!

「山の実」
所在地:長野県下高井郡山ノ内町夜間瀬11700-103 北志賀ホリデーイン内
電話番号:0269-33-7577
営業日:4月下旬〜11月末の土日祝日。事前予約で平日も営業。
営業時間:11:30〜14:30
※蕎麦は事前予約が確実。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2012/08/28 訪問

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