古都チェンマイ・セラドン焼きのカフェで過ごす翡翠色の時間

古都チェンマイ・セラドン焼きのカフェで過ごす翡翠色の時間

更新日:2018/07/19 17:52

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
翡翠色の不透明な深緑が美しい「セラドン焼き」。“北方のバラ”と称されるタイ北部の古都チェンマイで作られる陶磁器です。優美なセラドン焼きの器で、絶品のスイーツやお茶が楽しめるカフェ・レストランが「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」。チェンマイ郊外に自社の工房を持つセラドン焼きの専門店「サイアム・セラドン」の直営店です。美しい器を眺め、古き良きテイストが香るクラシカルな一軒家カフェでお茶しませんか?

しなやかな艶感、つつましい美しさ。優しく柔らかい翡翠色のセラドン焼き

しなやかな艶感、つつましい美しさ。優しく柔らかい翡翠色のセラドン焼き

写真:沢木 慎太郎

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タイの工芸品といえば、タイ・シルクの「ジム・トンプソン」が有名ですが、暮らしを豊かに彩るテーブルウェアとして人気があるのが「セラドン焼き」。

翡翠(ヒスイ)の玉のように、ほの暗く、微かに煙りながらも透き通る器は、しなやかな艶感があり、つつましい美しさが感じられます。

淡いパステルカラーに似た温かみの中に、紙を寄せたようなひび模様がうっすらと浮かびあがっているのが特色。優しく柔らかい色は、じっと眺めていると気分が静まり、意識が集中してくる魅惑的な色です。

澄み切った青空のようなブルーも。食卓を楽しく彩る数々のテーブルウェア

澄み切った青空のようなブルーも。食卓を楽しく彩る数々のテーブルウェア

写真:沢木 慎太郎

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セラドン焼は、今から約300年前に中国から伝わった技術を、タイ風土の中で独自に発展させたもの。焼くと翡翠色に変わるのはチェンマイ独特の土を使っているからで、職人さんの手によって一つひとつ丁寧に作られています。

陶磁器の表面を覆っている成分や焼き方、温度差などによって、翡翠のような深い緑色や、澄み切った秋空のような青色に変化。微妙な色の濃淡や繊細なひび割れ模様が表れるのが特徴です。

今回、ご紹介する「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」は、チェンマイ旧市街のメインストリートであるターベー通りにある一軒家カフェ。お店の入り口がショップになっていて、ご覧のような素敵なセラドン焼きの器がいっぱい。

お皿や器だけでなく、コーヒーカップやティーポット、調味料入れなどのテーブルウェアのほか、花瓶やランプ、お香立て、といったお洒落で可愛いホームデコレート商品が並べられ、これらはすべて購入が可能。しかし、あまりにも美しいので、ショップというよりも、美術館さながらの上質な雰囲気を楽しむことができます。

優雅な趣き!クラシカルな一軒家カフェ「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」

優雅な趣き!クラシカルな一軒家カフェ「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」

写真:沢木 慎太郎

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セラドン焼きが陳列された入り口のショップを抜けると、ご覧のようなカフェスペースが広がります。チェンマイ独自の“ラーンナー”と呼ばれる文化と、西欧風のお洒落な文化が融合したモダンテイストな建築は、セラドン焼きの翡翠色のような重厚感が漂う素敵なスペース。

扇風機の羽を付けた上品なシャンデリアが飾られ、温かな木の香りとクラシカルで優雅な雰囲気が沈みこみ、古都チェンマイにふさわしい優雅で趣のある空間になっています。

繊細で優しい甘さ!翡翠色の時間

繊細で優しい甘さ!翡翠色の時間

写真:沢木 慎太郎

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奥のカフェスペースは中庭の緑を眺めることができる一軒家カフェならではの落ち着いた雰囲気。翡翠色の深緑の柔らかな緑が目に優しく、温かみのあるクラシカルな雰囲気でのんびりくつろぐことができます。何もしないでいられることの深い安らぎと、外の喧騒を感じさせない上質な時間は、何ものにも代えがたい旅のぜいたくさ。

そうして翡翠色の時間を彩ってくれるのが、繊細で優しい甘さで満たしてくれる絶品のスイーツです。看板メニューの一つになっている「マンゴーパフェ(フレッシュ・マンゴー・ココナッツ・クリーム)」は、濃厚なミルクと、新鮮でジューシーなマンゴーが優しく溶け、上品な甘さで癒してくれる味わい。

セラドン焼きの器でスイーツやお茶、食事を楽しむことができ、“タイの京都”とも呼ばれるチェンマイならではのおもてなしが感じられます。

オリジナルで上質のティーが楽しめる!抹茶スイーツもおススメ

オリジナルで上質のティーが楽しめる!抹茶スイーツもおススメ

写真:沢木 慎太郎

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ハーブティーをはじめ、オリジナルのティーが楽しめるのが「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」の魅力です。タイで初めて製茶工場を創設し、国際規格認定の自社農場を所有するブランド会社「ラミン・ティー(チャー・ラミン)社」のお茶を使用。

「サイアム・セラドン・ティー・ハウス」で楽しむことができるお茶は30種ほどあるのですが、ミャンマーとの国境にチェンダオ山の、豊かな水源地で育てられた茶葉は香りも質も良く、お土産としても人気があります。

上質なお茶も素敵なのですが、一番のおススメはこちらの抹茶のムースケーキ(グリーンティ・チェリー・パイ)。濃厚な抹茶の風味がたまらない極上の逸品です。手づくり感たっぷりの生クリームやイチゴジャムで抹茶の濃厚さが中和され、なんとも癒される味。セラドン焼きの淡い緑色が、グリーンの抹茶とよく合い、後味も爽やか。チェンマイに観光で来られたら、ぜひ召し上がってください。

カップルの方は「アフタヌーンティー・セット」も

いかがだったでしょうか?
クラシカルなカフェで楽しむ翡翠色の時間。翡翠は「幸福」と「成功」を導くお守りとされ、古くから中国や中南米(インカ文明)などで珍重されてきました。タイでも、翡翠でゾウの置物や仏像が作られ、今でも人気があります。

焼き物の名前となっているセラドンは、サンスクリット語のSIRA(石)とDHARA(緑)を組み合わせた“緑の石”という説もあります。

幸福色をした美しいセラドン焼きのカフェで、ぜいたくでおいしい極上のスイーツ。カップルの方は、特製のサンドイッチやワッフル、旬のフルーツなども楽しめる「アフタヌーンティー・セット」がぜひおススメ。店内をしっとり流れる心地よいBGMを聴きながら、チェンマイでの至福の時間をお過ごし下さい。

なお、チェンマイのスイーツや食事、観光スポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/02/06 訪問

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