マレーシアの美しきレトロタウン!「イポー」は時が止まったような街

マレーシアの美しきレトロタウン!「イポー」は時が止まったような街

更新日:2016/02/11 19:29

手塚 大貴のプロフィール写真 手塚 大貴 バックパッカー旅の提案人、スポーツ観戦トラベラー
マレーシア北部に、時が止まったような雰囲気のフォトジェニックな街があります。その街の名は、イポー。
世界遺産でもなく、訪れる観光客も少ないイポーですが、時代に取り残されたようなレトロな街並みは一見の価値あり!
コロニアル調の建物、芸術的な路地と廃墟、静かに佇む猫・・・。繁栄から衰退の道を辿った街には、絵になる風景が溢れています。

「美食の街」でもあるイポー。マレーシアの知る人ぞ知る美しき街です。

繁栄から衰退へ。時代に取り残された旧市街の街並み

繁栄から衰退へ。時代に取り残された旧市街の街並み

写真:手塚 大貴

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イポーはマレーシア北部、クアラルンプールとペナン島のほぼ中間に位置する街。マレーシア第3の都市でありながら、街全体にのんびりとした風情が漂い、旧市街にはレトロな美しい街並みが残されています。

イポーが栄華を極めたのは19〜20世紀のこと。この地のキンタ渓谷で錫の採掘が盛んになり、多くの中国系住民が流入。彼らは大富豪となり、イポーは大いに繁栄しました。
しかし20世紀後半、鉱山の閉鎖によって人口が流出すると、イポーの街は衰退の道を辿っていったのです。
旧市街にはイポーが賑わっていた時代の街並みが残り、その雰囲気はまるで時代に取り残されているかのよう。散策しているだけで、思わず写真に収めたくなるフォトジェニックな街並みに出会うことができます。

最近では映画『セカンドバージン』の舞台となったイポーですが、世界遺産のマラッカやジョージタウンと比べるとまだ知名度は低く、訪れる観光客も少ない街。その“知る人ぞ知る”秘密めいた雰囲気がイポーの魅力となっているのです。

まるで宮殿のよう!マレー鉄道で最も美しいイポー駅

まるで宮殿のよう!マレー鉄道で最も美しいイポー駅

写真:手塚 大貴

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イポーの中心部を南北に流れるキンタ川の西側に広がる旧市街。そのシンボルとなっているのが、マレー鉄道のイポー駅です。
まるで宮殿のような白亜の建築に驚くはず。この美しいコロニアル建築こそ、“マレー鉄道で最も美しい”と称えられる現役のイポー駅なのです!
この他にもイポー駅の向かいにある市民ホールなど、旧市街にはイギリス植民地時代のコロニアル建築が多く残されています。

ところで、「イポー」という名前の響きが素敵だと思いませんか?
街の名前の由来となったのは、かつて先住民が吹き矢の毒としていた樹液が採れる木の名前。今もそのイポーの木が、イポー駅の前に残されているので、ぜひ見ておきましょう。

芸術的な美しさ!イポーの魅力は路地にあり

芸術的な美しさ!イポーの魅力は路地にあり

写真:手塚 大貴

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イポーの旧市街では大通りだけでなく、そこから伸びる細い路地も散策してみましょう。イポーには、芸術的なまでに美しい路地が多くあるのです。

秘密の世界への入口のように、まっすぐに伸びる細い路地。そこへ一歩足を踏み入れれば、その路地がもつ不思議なほどの美しさに魅了されることでしょう。
古びた建物、繁茂する植物、置き去りの自転車。静寂の向こうに聞こえる、人々の微かな笑い声やテレビの音・・・。
イポーの路地には廃墟が多いのも特徴。かつてこの街が栄えていた時代から、そのまま時が止まっているかのような雰囲気が漂っています。

最近では人気アーティストが描いたウォールアートを見ることもできるので、散策をより楽しむことができるでしょう。

街を歩けば出会える可愛らしい猫たち

街を歩けば出会える可愛らしい猫たち

写真:手塚 大貴

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実はイポーは猫が多い街。散策していると、可愛らしい猫に出会うことがしばしば。思わずじっくり見惚れてしまうような、美形の猫も多く見かけます。

とくに心動かされるのは、路地裏で猫に出会ったとき。路地の片隅に静かに佇んでいる猫の姿は実に美しいものがあります。
すべてが退廃しているかに見えるこの路地で、生き永らえているのはこの猫だけなのではないか・・・。そんな感情に揺り動かされる光景です。

可愛らしく美しい猫たちが、イポーの街に花を添え、ゆったりとした時間の流れを演出しているのです。

美味しいグルメいっぱい!マレーシア屈指の美食の街

美味しいグルメいっぱい!マレーシア屈指の美食の街

写真:手塚 大貴

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イポーは現代でも人口の約7割を中国系住民が占める街。その影響もあり、イポーはマレーシア屈指の美味しいグルメを楽しめる「美食の街」でもあるんです!
なかでも名物となっているのが、もやし料理。イポーの街を囲む石灰岩の岩山によってろ過された綺麗な水が、美味しいもやしを作り出します。
写真は、新市街の有名店「老黄」のタウゲアヤム(もやしチキン)。鶏肉と一緒に食べるシャキシャキのもやしは絶品です。

またイポーでぜひ味わっておきたいのが、コーヒー豆をマーガリンのみで焙煎して作る、甘いホワイトコーヒー。その発祥となった店「南香」が旧市街にあるので、散策のついでに立ち寄ってみるといいでしょう。

イポーには他の街にはない魅力がある

クアラルンプールからイポーへはバスや鉄道で約2時間半。日帰りでも充分に訪れることができる街です。

イポーの郊外へ足を延ばせば、石灰岩の洞窟に建てられた仏教寺院や、映画『セカンドバージン』のロケ地にもなった城、ケリーズ・キャッスルといった見どころがあり、じっくり観光をしたい人も楽しめる街となっています。

クアラルンプールにはないレトロな街並み。マラッカにはないひっそりとした雰囲気。マレーシアの他の街では味わうことのできない魅力が、このイポーにはあります。
この街を訪れた誰もが、街で見た光景をそっと大切な記憶の引き出しにしまい込む・・・、イポーはそんな素敵な街なのです。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/03/26 訪問

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