『お米の純生ルーロ』『ええもん』など、ここ10年ほどの短い期間ですっかり関西土産の定番になった五感。こだわりの原料、真心を感じる味に定評のある五感のお菓子、みなさんも一度は食べたことがあるのではないでしょうか。
その五感が温め続けて来たのはチョコレートに対する熱い想い。菓子職人の熟練した技術を活かし、五感の持つ素材へのこだわりはそのままに、新たなチョコレート菓子、チョコレートギフトショップとして2月1日オープンしたカカオティエゴカン。お店はビジネス街にあり、一見、無機質なビルの並ぶ街並ですが、所々にレトロな建物があったり、おしゃれな店や美味しいカフェがあったり。五感の北浜本館も登録有形文化財に指定されているレトロモダンな歴史のある建物にあり、わざわざ遠くから足を運ぶ人も多い人気店です。新しくオープンしたカカオティエはそのお店から歩いて数分の所にあります。店内は、実物大のカカオがディスプレイされ、ふんわりカカオの香りが漂います。
店内入口には宝石のような一口サイズのボンボンショコラが並び、産地にこだわったものから、コーヒーやナッツとの組み合わせを楽しむもの、「シソ味」などちょっと珍しいフレーバーのものも。価格は1粒216円〜238円となかなかのお値段ですが、2個から詰め合わせできるボックスがあるので、ちょっとした手土産に喜ばれそう。お店のおすすめは、ボンボンショコラよりもボリュームがあり、誰にでも親しまれる優しい味のカカオサンド。香ばしいチョコレートサブレにハイミルク、ヘーゼルナッツ、オレンジ、カフェの4種類のビターチョコをたっぷりサンドした手土産にピッタリの焼き菓子です。
写真の「グランパアルベルト」はゴカンのこだわりを感じる一品。ゴカンのチョコレートへのこだわりは、コロンビアのチョコレートマーケットでの先駆者であるカサルカ社との出会いから始まり、社長自らコロンビアまで足を運び、チョコレートを一から作り上げる過程を深く学び、カカオを愛する人たちと出会いました。お菓子の名前であるグランパアルベルトとは、標高1000メートルに広がるカカオ農園で、大自然の中、ひたむきにカカオ作りに取り組む「アルベルトおじいさん」から頂いた名前。同じコロンビアの大地から作られた相性の良いコーヒー豆やバナナとのハーモニーが極上のブラウニーです。
みなさんはチョコレートの原料のカカオがどんなものかご存知ですか?カカオは、枝豆のような豆ではなく、長さ15〜30センチほどの木になる果実です。その中に20〜60個ほどある種子部分がカカオ豆と呼ばれる部分で、チョコレートの原料となります。このカカオ豆の状態から板チョコレートになるまでの全ての一連の工程を一貫して行うことを「Bean to Bar」と言います。チョコレート作りの新しい流れですね。現地農園で栽培されたカカオを、ショコラティエ自らが買い付けを行い、現地で発酵、乾燥まで行われ、生豆としてお店へ送られます。お店に届いたカカオは、奥の工房で焙煎、皮むき、磨りつぶし、精錬などの工程を経て、チョコレートとなります。
1つ1つの工程はとても繊細で、最後にミキサーにかけて砂糖とカカオバターを加え、24時間以上混ぜ続ける作業は、雑味を飛ばしてさらになめらかにしていくのですが、砂糖はあまり早く入れすぎると、粘度が高くなってしまったり、焦げ付いたりするので、タイミングが難しく試行錯誤を繰り返し、ようやくチョコレートが出来上がるのです。現地の生豆の状態から自分達の目で確認し、ロースト温度やコンチングの時間にこだわり、それぞれのカカオの一番良い状態を引き出すことによって、カカオティエゴカンだけのカカオティエバーが誕生するのです。
工房で作られた「Bean to Bar」、カカオの個性が際立ちます。南米、アフリカ、ベトナム・・・その土地の風土や気候によって、フルーティーな香り、ナッツのようや味わい、赤ワインのような渋み、驚くほどの違いと味のハーモニーが楽しめます。現在市販のチョコレートのほとんどには品質を安定させるための乳化剤など添加物が使用されていますが、カカオティエのバーの原料はカカオマスと砂糖、カカオバターのみ。そのブレンドの方法、配合の分量などこだわりぬいてできた本物の味です。
そのままはもちろん、ワインや日本酒に合わせてみたり、コーヒーに合わせてみたり、本物がもつ味わいの組み合わせをお楽しみください。店内には商品の産地や製法などの説明があり、どれにしようか選ぶ時間も楽しめます。試食が用意されているものもありますので、是非今まで食べていたチョコレートとの違いを感じてみてください。
こだわりぬいたチョコレートバーも魅力的ですが、それだけでなく、新しい展開も。チョコレートの風味を大切にしたアイスクリーム「カカオティエ グラス」は、「ショコラフリュイリュージュ」「ショコラノワール」「ショコラブラン」「ショコラジャンドゥジャ」「ショコラオーレ」の5種類のフレーバーがあり、アイスクリーム工房でひとつひとつ手作りされています。現在はテイクアウト限定のお店ですが、2016年3月1日には2階にカフェがオープンする予定なので、そちらでアイスクリームやケーキが楽しめるのではないでしょうか。
素材を知らなければいいものはつくれないと考える社長の強い想いから始まったカカオティエ。普通のチョコレートに比べて、値段が高いと感じるかもしれませんが、フェアトレードという、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みにも貢献した商品です。チョコレートを味わいながら、チョコレートのふるさとへ想いを馳せてみるのもいかがでしょうか。
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