チェンマイ必食グルメがぜんぶ乗せ!タイ北部カントーク料理

チェンマイ必食グルメがぜんぶ乗せ!タイ北部カントーク料理

更新日:2018/07/19 17:56

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
旅に出たら、その土地の名物料理を食べたい。けれど一軒ずつ回っていたらたいへんだし、お腹もすぐいっぱい。なんとかならないの?そんな方におススメなのが、タイ北部地方の郷土料理を、一つのトレイに集めた「カントーク料理」。“タイの京都”と呼ばれる古都チェンマイの名物料理です。宮廷料理にルーツを持ち、チェンマイの代表料理がちょっとずつ入った特別な料理。これを食べたら、チェンマイの“おいしいもの”すべて制覇!

北タイの絶品グルメ「カントーク料理」

北タイの絶品グルメ「カントーク料理」

写真:沢木 慎太郎

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タイ北部は、もともとはタイとは別の国。13世紀後半にマンラーイ王が築いたラーンナー王朝の都があったのがチェンマイで、バンコクとは違った独自の文化(ランナー文化)を見ることができます。

近隣のミャンマー料理の影響も受け、日本人が知っているタイ料理とは違った独自の料理があることが魅力。ココナッツミルクを使わない料理が多く、辛いことが特徴です。しかし、脂質をたくさん使い、料理にコクや深みがある北タイ料理は絶品!バンコクと比べて安いことも魅力的です。

そして、チェンマイならではの逸品がこちら。一つのトレイに、タイ北部地方の郷土料理がぜんぶ乗った「カントーク料理」。“カントーク”というのは円卓のこと。結婚式や特別行事の時に出される料理ですが、そのルーツはランナー王朝の宮廷料理。すご〜く格式の高い絶品の北タイ料理なのです。

いろんなおいしさがギュッ!これであなたも「チェンマイ人」

いろんなおいしさがギュッ!これであなたも「チェンマイ人」

写真:沢木 慎太郎

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さて、「カントーク料理」ですが、この一つ一つはいったいなんなのか、ご紹介しましょう。

■サイウア…まず、手前にあるお肉がチェンマイ風のソーセージで、「サイウア」という名前の料理。豚肉がぎっしり詰まり、ハーブと香辛料、ニンニクやレモングラス、ウコンなどで味付け、かなりスパイシー。ビールのおつまみに味わっていただきたい逸品。

■ナンピックオン…右にある赤い料理が、野菜などにつけるディップ(クリーム状のソース)である「ナンピック」の一種で、似たような名前でまぎらわしいのですが「ナンピックオン」。トマトをベースに豚のひき肉をあえたもので、チェンマイ風のミートソース。甘辛くて絶妙の味わい。

■ナンピックヌン…「ナンピックオン」の上にある緑色の料理が、これもまたまぎらわしい名前で「ナンピックヌン」。青トウガラシが種まで入っていて、激辛。食べるのに勇気が必要です。

■カッムー…いちばん上にあるカラ揚げみたいなものが「カッムー」。豚の皮を揚げた料理で、鳥皮のカラ揚げのようにパリパリとした食感がいい。

■ゲーンハンレー…そうして中央にあるのが「ゲーンハンレー」。豚肉とニンニクが入った甘辛いイエローカレーです。普通に食べていると辛いのですが、このまわりのディップが激辛なので甘く感じられます。十分に煮込まれた豚肉のブロックが口の中でとろけ、たまらないうまさ!

さて、これらの料理は蒸し野菜につけて食べるのもよし。写真の一番右上に見える小さなカゴに入ったカオニヨウ(もち米)と一緒に食べるのもおいしい。カオニヨウは、タイ東北部(イサーン地方)の人々にとっての主食。ひと口サイズにちぎって丸め、ディップにつけて食べれば、あなたもすっかりチェンマイ人。

タイ有名芸能人もお忍びで訪問!北タイ料理レストラン「フアン・ムアン・チャイ」

タイ有名芸能人もお忍びで訪問!北タイ料理レストラン「フアン・ムアン・チャイ」

写真:沢木 慎太郎

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ご紹介している「カントーク料理」は、結婚式などの祝い事やお祭りの席上に特別に出される格式高い料理。一つのトレイにどんな料理を盛りつけるかはそれぞれの自由。なので、ご紹介した「カントーク料理」はほんの一例です。

数ある「カントーク料理」でも、おススメはチェンマイ旧市街のはずれにある一軒家レストラン「フアン・ムアン・チャイ」。かなりわかりにくい場所にあるため、観光客の姿はなく、タイ人やロングステイヤーの間で人気の北タイ料理専門レストランです。

ジャングルに囲まれた古い木造のレストランは情緒たっぷり。店には壁がなく、オープンエアー。このため、涼しい風が入り、とても心地がいい。チェンマイの素朴な暮らしを楽しみたい方にぜひおススメです。

タイの有名芸能人や有名政治家がお忍びで訪ねる穴場のレストランでもあり、店内にはその写真パネルも展示。しかし、気取ったところはなく、料金もリーズナブル。タイのレストランはタイ語表記だけで、料理の写真がないところが多いのですが、このお店ではメニュー表に写真が入り、しかも日本語の表記も。タイは初めてという方も安心して入ることができます。

お伝えしている「カントーク料理」は、このお店では「オーデップムアン」と呼ばれ、ご覧のようなチェンマイの郷土料理を一度にぜんぶ食べることができます。チェンマイの名物料理がすべて入って、料金は約700円。安いです。これは魅力的。

チェンマイに来たなら必食!カレーラーメンの「カオ・ソーイ」。

チェンマイに来たなら必食!カレーラーメンの「カオ・ソーイ」。

写真:沢木 慎太郎

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さきほどご紹介したレストラン「フアン・ムアン・チャイ」から、ぜひ召し上がっていただきたい北タイ料理をもう一つ。それはチェンマイでの名物中の、名料理「カオ・ソーイ」。簡単に言うと、カレーラーメンですが、チェンマイ独特の味付けと食感が抜群!

ココナッツミルクが入ったマイルドなカレースープに、きしめんに似た平打ち麺が入り、さらにその上にパリパリに揚げた麺。これはもう絶品です。ひと口食べただけで、「うまっ!」。平打ち麺にカレースープがよく絡む。香辛料が効いたカレースープの濃厚さと味わい深さがいつまでも残り、これは何度でも食べたい。

「カオ・ソーイ」は、ミャンマーから伝わった伝統料理をタイ北部の人たちがアレンジしたもの。とてもスパイシーですが、辛すぎず、日本人の口にも合います。トッピングの玉ねぎ、高菜の食感がいい。ライムを入れると、さっぱりとした酸味が加わり、とてもいい香り。

写真のメニューは「カオ・ソーイ・ガイ」。ガイというのは「鶏肉」のことですが、鶏肉が入ればさらに味わい深く、言うことなし!チェンマイのレストランや屋台で食べることができる「カオ・ソーイ」。約180円で食べることができるので、ぜひ!

ネットにも出てこない!独自のデザート「クアイブアチー」

ネットにも出てこない!独自のデザート「クアイブアチー」

写真:沢木 慎太郎

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魅力たっぷりのチェンマイの郷土料理。おいしいのはいいけど、口の中が辛くてしゃべることもできなくなった、という方に、とっておきのデザートを。

それがこちら。「クアイブアチー」と呼ばれるデザートです。おいしさたっぷりのバナナに、ココナッツミルクを絡めたもの。それぞれの自然な甘みと風味が絶妙に溶けあい、南国ならではのおいしさ!インターネットを使って検索しても出てこない「クアイブアチー」。チェンマイに来られたら、優しい味のデザートにぜひ癒されて下さい。

おわりに

ご紹介した「カントーク料理」ですが、この料理を食べながらタイの伝統舞踊などが鑑賞できる「カントーク・ディナー」もおススメ。たとえば「オールド・チェンマイ・カルチュラル・センター」といったレストランでは、古典舞踊やチェンマイ山岳民族の踊りなども見ながらカントーク料理を食べることができます。

チェンマイに観光で来られたら、絶品の料理と、素敵なタイ舞踊に酔いしれてみてはいかがでしょうか?

なお、チェンマイの見どころや楽しみ方については別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方はリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/01/17 訪問

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