写真:Hiroko Oji
地図を見るルッカの鉄道駅に到着したら、一番近いサン・コロンバーノ堡塁の地下道をくぐって城壁の上に出ましょう。すぐ目の前に広がるのがドゥオーモの後陣を見下ろす眺め。また、城壁の南門であるサン・ピエトロ門を通ると、ドゥオーモ正面が面するサン・マルティーノ広場に出られます。
ドゥオーモは11世紀から13世紀にかけてロマネスク様式で建てられた、町の守護聖人サン・マルティーノを祀る聖堂です。14世紀には、ゴシック様式で建て変えられた内部ですが、ファサードや側面などの外観はG・ダ・コーモの設計である当初の姿を今に残しています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る白と緑の大理石を積み重ねた正面には、一番下の層に設けられたアーケードの3つの大アーチが、その上に3層の小アーチが並んでいます。アーチの周囲を取り囲む装飾は細やかな細工がなされ、2連のアーチでできている窓周りも、縞模様の大理石とレリーフが美しい。アーチを支えている列柱は1本ずつ異なる装飾が施され、優雅で壮大なファサードです。
右に並ぶ鐘楼は5層の窓を有し、上に行くほど、窓の数が増えていき、上部の2層は白、その下は煉瓦色というツートンカラーで厳つい感じがします。優雅なファサードと男性的な鐘楼は、絶妙なバランスを呈しています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る3つの大きなアーチ内のアーケードに一歩足を踏み入れると、そこにはまた素晴らしいレリーフが並びます。
入り口の柱廊にはロマネスクの見事なレリーフが飾られており、特に左側上部のタンパンにはピサーノによる素晴らしい「キリスト降誕」と「キリストの十字架降下」のレリーフが施されています。また中央扉には、1498年チヴィターリによる見事な装飾が見られます。
※写真はピサーノ作の「キリストの十字架降下」のレリーフです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る正面からだけでなく、側面の装飾も眺めながら背後に周ってみましょう。後陣外部には、下の層には背の高いアーチが並びその上部には小ぶりのアーチが配置され、装飾の施された列柱が並ぶ半円形の後陣の外観も見応えがあります。ドゥオーモは、ぐるりと外側を周るだけでも、たっぷり目を楽しませてくれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る内部は3廊式で美しいゴシック様式になっていて、右翼廊の祭壇には「最後の晩餐」が飾られています。聖具室にあるのは「イラリア・デル・カレット(15世紀のルッカ領主の妻)の墓」で、これはイタリアにおける15世紀初頭の典型的な彫刻と言われています。
また壁面の祭壇画「聖母子と聖人」や彫刻、立派な説教壇、大理石でできた美しいアーチのある内陣の仕切り、礼拝堂の柱にある「福音書ヨハネ」の彫刻、「聖母子と聖人たち」という板絵、八角形の「聖なる顔の小礼拝堂」に納められている「十字架のキリスト像」など、素晴らしい作品が集められ、まるで美術館のようです。
ルッカの町は小さいながらも、ドゥオーモの他に、ドゥオーモとよく似た豪壮なファサードを持つサン・ミケーレ・インフォロ教会、ファサードのモザイク画が素晴らしいサン・フレディアーノ教会、地下に遺跡の眠るサン・ジョヴァンニ教会、今は広場として利用されているローマ時代の円形闘技場跡、サンタ・マリア門から見通す町並みの眺め、プラタナスの木蔭にあるナポレオン広場、プッチーニの生家博物館、国立絵画館のマンスィ宮など、見所がたくさんあります。
中世の通り沿いにはお土産物屋さんやレストランが建ち並び、城壁の上の広々とした遊歩道沿いにはベンチも設置されており、憩いの場は各所で見つかるはず。ぜひ時間に余裕を持たせて、町並みをたっぷり楽しんでくださいね。
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(2024/4/19更新)
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