国境の島・対馬へ 〜 必見の3城を訪れる

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国境の島・対馬へ 〜 必見の3城を訪れる

国境の島・対馬へ 〜 必見の3城を訪れる

更新日:2013/07/29 12:15

タカシ☆TZRのプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター タカシ☆TZR ブロガー

対馬は九州と朝鮮半島の間にうかぶ島で、九州本島からは130 kmあるのに対して、朝鮮半島からは50 kmしかありません。異国が鼻先に見えるこの島は、国土防衛の要として、または外交の場として、極めて重要でした。それゆえに古くから城がつくられています。特に、7世紀につくられた金田城の遺構は貴重で、特別史跡の指定を受けています。金田城跡に併せて、史跡指定を受けた清水山城跡と金石城跡を紹介します。

金田城跡 〜 特別史跡の古代山城

写真:タカシ☆TZR

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まずは特別史跡の金田城跡へ。対馬は南北に長い島で、浅茅湾の北側を上県(かみあがた)、南側を下県(しもあがた)といいます。金田城跡があるのは下県の最北部です。海は近いもののリアス式海岸で山も険しいのですが、この山の中に写真のような石垣が築かれています。7世紀に築かれた古代山城の遺構です。こういうお城を「朝鮮式山城」と称したりもするんですが、日本の近世城郭の石垣とは明らかに違っているのがわかるかと思います。この写真のところでは尾根筋に石垣を築いています。石垣は各所にあり、谷筋を塞ぐように石が積まれた城門の遺構があったりと見どころがたくさんあります。

古代山城として非常に状態のいいお城ですが、建てられた経緯がはっきりしている点でも、歴史的に重要です。日本書紀の巻第二十七には天智天皇6 (667)年11月に「倭国ノ高安城 讃吉国山田郡ノ屋嶋城 對馬国ノ金田城ヲ築ク」と記述があります。百済と組んで唐・新羅の連合軍と戦った白村江の戦いが663年にあり、この戦の大敗をうけて国土防衛のために各地に築いた城のひとつが、金田城です。ちなみに金田城跡(かねだじょうあと)として特別史跡指定をうけていますが、築城当時は「城(じょう)」や「城(しろ)」という言葉はなかったとされているので、「かねたのき」などの読みが適切かと思います。

ひととおり見ようとすると山の中を2時間ほど歩きまわることになりますが、古代の遺跡だけでなく、海と山の壮大な自然景観も見られるのでおすすめです。公共交通は不便なので、レンタカーの利用を推奨します。

清水山城跡 〜 慶長・文禄の役の遺構

写真:タカシ☆TZR

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対馬の中心地は厳原(いづはら)です。この町から山を見上げると石垣が見えます。慶長・文禄の役の際に築かれた清水山城の跡です。秀吉が朝鮮への出兵のために築城したもので、本陣としてつくった名護屋城に対して出城としての機能をもち、兵や物資の輸送の役割を担っていました。尾根の両側に石垣がつくられていたりして、ちょっと変わった構造をしている部分もあります。

金石城跡 〜 対馬藩主宗氏の居館跡

写真:タカシ☆TZR

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清水山城の麓にもお城があります。江戸時代では全国的に藩が置かれて地方行政が行われていましたが、対馬では宗氏が対馬藩藩主となっていました。その居館となり、また政庁にもなっていたのがこの金石城です。対馬ではあまり米がとれなかったこともあり、藩の経済には朝鮮との交易が重要で、このお城も外交の場となっていました。写真は城跡南側の石垣です。この手前が大手となっていて、大手櫓門が復元されています。写真奥に微妙に見える赤い建物は万松院の山門です。万松院は宗氏の菩提寺で、宗氏歴代の墓所もここにあります(墓所は国指定史跡)。

金石城跡庭園 〜 調査をもとに復元された城郭庭園

写真:タカシ☆TZR

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金石城跡には庭園があり、金石城跡庭園として国の名勝指定をうけています。発掘調査をもとに復元されたものです。ここに中学校がおかれていた時期があるのですが、その校庭に石と池があり、また古い文献に元禄3 (1690)年に作庭をした記事があるということで、江戸期の庭園の名残ではないかということは古くから見当がついていたようです。きちんと発掘調査をするとやっぱり庭園がでてきたので、復元整備して公開されることになりました。江戸時代の城郭庭園としては完全性が高く貴重なものと評価されています。玉石敷の州浜などは江戸時代の庭園ではあまりみられない古風なものです。

厳原地区 〜 城下町の名残の石垣がいろんなところに

写真:タカシ☆TZR

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対馬の中心地は古くから厳原です。江戸時代に金石城が政庁となっていたことは上記のとおりですが、古代に国府や国分寺がおかれたのも厳原で、古くから栄えていたようです。宗氏は鎌倉時代には国主となっていて、この頃も厳原が拠点でした。というわけで、歴史のある地区なので昔ながらの城下町の遺構もよく残っています。写真は武家町だったところですが、古い石垣や門を見ることができます。石垣は町のいろんなところにあるで、目的地を定めずに散策しても楽しめます。

さて、対馬の3つの城とついでに城下町の紹介でした。対馬の旅では特別史跡の金田城跡はかかせないと思い、城をテーマにしてみたのですが、写真の武家町の石垣のように対馬の集落も独特でおもしろいです。石垣は農村集落や漁村集落にも見られるし、「椎根の石屋根」で知られる石屋根の倉庫などもいろんなところにあります。島内の公共交通はあまり便利ではないので、レンタカー推奨です。ツシマヤマネコをひかないように気をつけて運転して下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2011/01/03−2011/01/06 訪問

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