ユネスコ世界記憶遺産に登録!400年前にヨーロッパに渡った支倉常長に会える仙台へ!

ユネスコ世界記憶遺産に登録!400年前にヨーロッパに渡った支倉常長に会える仙台へ!

更新日:2016/01/14 10:22

猫乃 みいこのプロフィール写真 猫乃 みいこ 非日常体験探求家、旅ブロガー、ライター
今から400年も前に日本からヨーロッパに渡った「慶長遣欧使節(けいちょういおうしせつ)」。
使節が持ち帰った貴重な資料は国宝に指定されていましたが、2013年6月にユネスコの「世界記憶遺産」に登録されました!
登録された油絵などの作品が見られる宮城県の仙台市博物館、そして使節を率いた支倉常長(はせくらつねなが)の足跡をたどる旅に出かけませんか?

日本人ではじめて大西洋を渡った男

日本人ではじめて大西洋を渡った男

写真:猫乃 みいこ

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慶長遣欧使節は、慶長18(1613)年、スペインの植民地であったメキシコとの直接貿易やキリスト教宣教師の派遣の許可を求めて、仙台藩主の伊達政宗がヨーロッパに派遣した一行のことです。
スペイン人宣教師のルイス・ロソテと政宗の家臣である支倉常長が大使となり、政宗からの書簡を携えてスペイン王国やローマ教皇のもとに向かいました。
支倉常長は「日本人ではじめて大西洋を横断した男」と言われています。

仙台市博物館近くには支倉常長像が建ち、現在の仙台の風景を見守っています。
JR仙台駅から、市内のおすすめスポットを70分で循環する乗り降り自由のバス「るーぷる仙台」を利用すると便利です。
博物館・国際センター前バス停までは駅から約20分、バス停から支倉常長像までは徒歩5分で到着です。

☆るーぷる仙台
1日乗車券 大人620円 小児310円
1回乗車  大人260円 小児130円
地下鉄共通1日券 大人900円 小児450円
仙台駅前始発 9:00 最終 16:00
平日は20分ごと、土日祝日は15分ごとに運行

400年前の仙台の偉業

400年前の仙台の偉業

写真:猫乃 みいこ

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月浦(石巻市)から出帆した仙台藩製の洋式帆船「サン・フアン・バウティスタ号」は、3ヶ月後にメキシコに到着。スペイン船に乗り換えてヨーロッパへ向かいます。

スペイン王やローマ教皇に謁見(えっけん)するものの、交渉は難航。さらに出航直後にキリシタン禁令や宣教師追放令が出たことから、7年後に帰国するものの、洗礼を受けていた支倉常長を当主とする支倉家は御家断絶の憂き目に。

その後、使節団のことは語られることなく、明治6(1873)年に岩倉具視率いる「岩倉使節団」がイタリアのヴェネツィアで常長の書状を発見したことで、慶長遣欧使節の偉業が明らかになりました。

仙台城の三の丸跡にある仙台市博物館の庭には、写真のような「遣欧使節 支倉常長像」があります。
博物館の内部も見ごたえ十分!さあ、博物館に入ってみましょう。

常設展でユネスコ世界記憶遺産が見られる仙台市博物館

常設展でユネスコ世界記憶遺産が見られる仙台市博物館

写真:猫乃 みいこ

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仙台市博物館は伊達家から寄贈された多くの資料をはじめ歴史・文化・技術工芸など9万点もの収蔵品があり、常設展は年に4回の展示替えを行っています。

1000点もの展示品があるので、じっくり見ているとどれだけ時間があっても足りません。
オススメなのは常設展の音声ガイド。常設展の入口で無料貸し出ししていますので忘れずに借りると良いですよ。音声ガイドでは約60点の展示品の解説をしてくれます。

常長が持ち帰った慶長遣欧使節関係資料は、すべて国宝に指定されています。その中の「国宝 ローマ市公民権証書」「国宝 支倉常長像」「国宝 ローマ教皇パウロ5世像」の3点がユネスコの世界記憶遺産に登録されました。
「欧州の人々が別の文化圏の存在を理解するのに使節団が果たした役割の重要性を示す」と評価されたそうです。

3作品を含む国宝は常設展の「テーマ展示室2」で実物を見ることができ、音声ガイドで解説を聴くことができます。
「国宝 支倉常長像」は実在する日本人を描いた最古の油絵と言われています。キリシタン禁令の中、持ち帰った油絵を半分に折り、巻物のように保存していたことから傷ついた跡が、修復後の今も残っています。まるで十字架のように残る折傷。時代にほんろうされた支倉常長の祈りが絵から伝わってくるようです。

☆仙台市博物館
開館時間 9:00〜16:45(最終入館は16:15)
休館日 月曜日(祝日・振り替え休日の場合は開館)
    祝日・振り替え休日の翌日
    12月28日〜1月4日
常設展観覧料 一般・大学生 400円、高校生 200円、小・中学生 100円
るーぷる仙台1日券提示で、一般・大学生 400円→320円
特別展でも割引あり。

仙台城で支倉常長に会える!かも?

仙台城で支倉常長に会える!かも?

写真:猫乃 みいこ

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博物館で貴重な作品を見た後は、仙台城へと足を伸ばしましょう。

仙台城で待っていてくれるのは「伊達武将隊 奥州・仙台おもてなし集団」。
仙台の魅力を全国に伝えるために、伊達政宗をはじめとする実在した武将や足軽など計11名で結成されています。仙台観光や仙台城のご案内などのおもてなしのために、毎日日替わりで何名かが出陣中!

写真は、支倉常長さんと足軽の草介さん。
写真をお願いすると、「チーズ」の代わりに仙台名物である「ずんだもち♪」と言いながら、さまざまなポーズを決めてくれましたよ。
支倉常長さんはご自身の歴史にも詳しくて、楽しくお話してくださいます。
出陣予定は「伊達武将隊ブログ」で確認できます。是非会いに行ってみてくださいね。

支倉常長駅弁を見つける!

支倉常長駅弁を見つける!

写真:猫乃 みいこ

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帰りの新幹線では支倉常長の余韻を楽しみませんか。
多くの駅弁が買える仙台駅ですが、「支倉常長弁当 針路は東」というお弁当を見つけましょう。上りの新幹線ホームでも購入できますが、売り切れの場合もあるので駅構内で探しておくほうがベストです。

お弁当箱を開くと、フタの内側にはサン・フアン・バウティスタ号の航海図や解説も詳しく書いてあるので、お勉強しながらお弁当を食べることができますよ。

お弁当の中身は、仙台・石巻・スペイン・イタリアにゆかりのあるお料理ばかり。
メニューは、「石巻の厚揚げ蒲鉾・三陸銀鮭の酒粕焼きと帆立貝の艶焼き・仙台牛のしぐれ煮と富谷パプリカ・若鶏の仙台味噌焼きとオムレツ・三陸わかめ・ペンネのカルボナーラ風・仙台白玉ずんだ・仙台三色漬物・スペイン風パエリア」という豪華な品ぞろえ。
彩りも豊かで見た目がおいしそうな上に、お味も極上。ひとつひとつのお料理が丁寧に作られていることがわかります。

支倉常長の足跡をたどる旅

日本人ではじめて大西洋を横断した男「支倉常長」の足跡をたどる仙台旅!いかがでしたか。

ユネスコの世界記憶遺産に登録された2013年が、慶長遣欧使節出帆400年記念と重なる年でした。
400年以上前の歴史をたどる旅。仙台の支倉常長に会いに行ってみませんか?

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/07/20 訪問

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