写真:乾口 達司
地図を見る最上稲荷(さいじょういなり)の歴史は、奈良時代にまでさかのぼります。天平勝宝4年(752)、孝謙天皇が病におかされている折、報恩大師が龍王山の中腹にある八畳岩で祈願していると、白狐に乗った最上位経王大菩薩が出現。大師がその尊影を刻んで祈願すると、天皇は病から恢復したとのこと。その後、大師は桓武天皇の病もなおしたことから、現在の地に龍王山神宮寺が建立されました。これが最上稲荷の起源です。現在では伏見稲荷・豊川稲荷とともに日本三大稲荷として多くの人々から崇敬されています。
最上稲荷のシンボルといえば、参道に立つご覧の大鳥居。鉄筋・鉄骨コンクリート製で、高さは27.5メートル、柱の直径は4.6メートル、重さ2800トン。日本最大級の規模を誇ります。写真では写り込んでいる車がこんなに小さいくらい。参拝の途中にその威容をご覧下さい。これから訪れる最上稲荷に対する期待がいやがおうでも高まることでしょう。
ちなみに、大鳥居の建立は昭和47年(1972)ですが、近年、塗装の劣化が目立って来たため、修復事業がおこなわれました。その結果、平成26年(2014)にベンガラを再塗装する形でお色直しがなされました。
写真:乾口 達司
地図を見る大鳥居があるくらいですから、最上稲荷は神社なの?と思う人も多いはず。しかし、その正式名称は「最上稲荷山妙教寺」。つまり、最上稲荷はお寺なのです。実はこの最上稲荷、近代以前は神仏習合の形態を有しており、明治時代初頭に発布された神仏分離令においても、特別にその祭祀の形が許されたのでした。神仏習合の形態をいまに伝える貴重な寺院であることを頭に入れて、ご参拝下さい。
写真は巨大な本殿(霊光殿)。開山千二百年記念事業として計画され、昭和54年(1979)に創建されたものですが、はじめて訪れた方はその巨大さに圧倒されることでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見るしかも、注目していただきたいのは、出雲大社と同様、本殿前に巨大な注連縄が張られていること。その長さ約12メートル、1.5トンと巨大で、神仏習合時代の名残りをいまに伝えています。
写真:乾口 達司
地図を見る現在の本殿が昭和時代の建造物であるということを踏まえて、では、それ以前の本殿はどうなったの?と疑問を抱く方も多いはず。かつての本殿は、現在の本殿の右手奥の小高い丘の上に移築されています。霊応殿と呼ばれる旧本殿は境内に現存する最古の木造建築物で、岡山市の文化財に指定されています。参拝すると、どうしても、巨大な現在の本殿に目を奪われてしまいがちですが、こちらの旧本殿にもあわせて参拝しましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る写真は仁王門。以前の仁王門が焼失したため、昭和33年(1958)に再建されました。ご覧のように、インドの仏教建築を連想させる石造りの門であり、珍しいと思う方も多いはず。その希少性もあり、平成21年(2009)には登録有形文化財に指定されています。平成25年(2013)に改修工事がおこなわれたこともあり、建造されたばかりのものと錯覚する人も多いはず。ガラスケースに入れられた大きな仁王像は仏像好きにはたまらないでしょう。
最上稲荷の圧倒的な迫力、おわかりいただけたでしょうか。もちろん、そのパワーも最強!境内には縁切り・縁結びに特にご利益があるとされる縁の末社やさまざまな願い事を聞き入れてくれるとされる七十七末社などがあり、こちらも必見。最上稲荷に参拝し、岡山随一とされるその迫力と圧倒的なパワーをご堪能下さい。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/4/25更新)
- 広告 -