芹の湯は、下仁田駅から16kmほど離れた山奥の街道沿いで静かに営業しています。この街道は、下仁田と軽井沢を繋ぐ峠道。以前は「姫街道」と呼ばれ中山道の脇往還して使われており、今でも街道沿いには古い町並みが残っています。近くには姫街道宿場町の「本宿」もあり、観光地化されていない趣のある景観が楽しめます。芹の湯までの長い道のり、歴史を感じながらドライブをするのも悪くありません。
浴室は全面木張り、隠れ湯という表現がぴったりの静かで落ち着いた空間です。2014年にリニューアルされたばかりなので、洗い場も脱衣所もとても清潔です。窓からは日の光が差し込み、柔らかく幻想的な様子を見せてくれます。身体を湯船に預け、水面揺らめく湯に浸かる、そんな心地の良い時間は日常の疲れを忘れさせてくれます。
芹の湯の泉質は、ナトリウム−塩化物・炭酸水素冷鉱泉です。温泉と謳っていますが実は冷たい鉱泉、沸かし湯になります。普通の鉱泉の場合は、加温に膨大な燃料代が掛かるので循環式が一般的です。しかし芹の湯は、贅沢にも沸かした源泉を掛け流しで使用しており、いつでも新鮮で温かい湯を楽しめます。
芹の湯の泉質である塩化物泉は強い保温効果を持ちます。これは、塩が皮膚に付着し、汗の蒸発を防ぐことでいつまでも熱が逃がさないためです。芹の湯の源泉は舐めると海水のようにしょっぱい、とても濃い塩化物泉です。なので浴後は暑いくらい身体がポカポカし、その温まり様には驚かされます。湯冷めの心配は一切ありませんが、のぼせには要注意です。
浴感としては、ぬるぬる・ツルツルが特徴。肌にまとわり付くような湯は、神経痛、筋肉痛、やけど、すり傷 、冷え性、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病などに効果があります。
芹の湯の魅力は温泉だけではありません。名物の釜揚げうどんをはじめ、数々の絶品料理が味わえます。食事を目当てに訪れるお客さんも多く、地元の方や、遠方から訪れる温泉客で賑わっています。
食堂は山小屋風の作りで、揺れる暖炉の火は心まで温めてくれます。
釜揚げうどんはテーブルに釜とガス台が用意され、地粉を使用した自家製麺を自分で茹で上げます。茹で上がる頃合いを見て器に移し、薬味とタレを絡めてツルっと食べれば身体に染み込むようです。
マス料理で使用されるマスは、芹の湯に併設される池で育てられており、鏑川から引き込んだ清流で育てられたマスは臭みも少なく「とても美味しい」とお客さんからも好評です。
源泉で煮込まれた源泉豆腐はふわふわとろとろで、これもまた絶品。寒い日にはぜひ食べてほしい一品です。
食堂は広く、地元の方や温泉客でに賑わっています。みんな陽気で和気あいあいと過ごしています。湯上りに知らない人と交わす何気ない会話も、山里の温泉ならではの魅力かもしれません。
芹の湯は山奥の小さな日帰り温泉です。なかなか訪れやすい場所ではありませんが、周辺には世界遺産の富岡製糸場や荒船風穴などもあります。軽井沢からも近いので、この辺りを訪れた際にはぜひ芹の湯まで足を延ばし、秘湯と絶品料理を味わってみてはいかがでしょうか。
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