管理人が常駐していない京塚温泉は、入口に鍵が掛かっているのでまずは鍵を借りる必要があります。鍵を借りられる場所は数軒ありますが、「喜久豆腐店」で鍵を借りるのが最もメジャーな方法で、入浴料の500円を支払うと鍵と入浴手形を貸してくれます。
入浴するにも少々煩わしさもありますが、これも秘湯ならではの楽しみです。
京塚温泉はひと気の無い畑の中にひっそりと佇んでおり、よほどの温泉マニアで無ければ存在すらも知られていません。鍵を借りた喜久屋豆腐店から脇道を500mほど下り、看板に案内されながら畑を突き進むと京塚温泉が現われます。街道から外れた、ひと気の無い場所の温泉施設、事前情報が無ければ辿り着く事すら困難で、浴室を囲むように木板が立てられた簡素な姿は、隠されし秘密の温泉、といった印象を受けます。
さて、先ほど借りた鍵で扉を開ければいよいよ温泉です!
浴室は全て木造、山小屋風のワイルドな造りで、湯船には大きな屋根が架けられています。湯船は露天風呂のみですが、一人で入るには勿体ないくらい広々とした湯船で、前方には雄大な岩壁、眼下には白砂川の清流を眺める事ができます。
自然に囲まれた絶景露天風呂の開放感は抜群、しかもお客さんもあまり訪れないのでほぼ貸切、これは最高の一言のほかありません。小さな脱衣所と洗い場もあり、石鹸とシャンプーも用意されているので、タオルだけ持って行けば心配ありません。
泉質はカルシウム-硫酸塩・塩化物泉、軽い鉄臭さと玉子臭を持ち、毎秒約2リットルもの源泉投入はもちろん掛け流しです。贅沢なお湯使いと、訪れる人が少ない事もあいまってお湯は新鮮そのもの。ひと気の無い場所の野性溢れる露天風呂はまさに秘湯、これぞ秘湯。
湯口の近くの温度は高めで、逆に湯口から離れるとぬるめなので、身体の温まり具合に応じて湯船を移動すると長湯が楽しめます。また、打たせ湯として湯口からの源泉投入を肩に当てるのも、疲れた身体にはとても気持ち良いものです。
京塚温泉・しゃくなげの湯には、スーパー銭湯のような快適な設備はありません。しかし、山深くの無人の湯船でのんびり過ごす時間は、忙しない日常では決して味わえない時間です。背中を湯船に預けて、そよ風を受けながら自然の景色をボーっと眺める、そんな時間こそがこの京塚温泉の魅力です。
仕事で疲れた方、都会の喧騒に疲れた方、たまには日常を忘れて、秘湯の絶景露天風呂で心と身体を癒してみてはいかがでしょうか。
湯上りは、借りた鍵を返すついでに喜久豆腐店の絶品豆腐料理を味わうのも醍醐味の一つです。
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