写真:ろぼたん
地図を見るスイス・アルプスは、ハイジの世界そのものの美しい自然が広がっており、夏はハイキング、冬は広大なゲレンデとしてウィンタースポーツを楽しむ観光客に大人気の観光地です。
スイスの国中に鉄道が巡らされており、高山植物の花咲く美しい村里を眼下に、氷河の世界まで向かっていく登山列車や氷河列車が数多く走っています。登山家だけが味わえる景色を誰しもが目の当たりにできるのは、他の地域にはない魅力といえるでしょう。
写真は森林限界を超え、まるで空に向かって駆けて行く気分の味わえるゴルナーグラード鉄道です。鉄道で展望台を目指すときには、右手にマッターホルンが見えるため、右側の席が人気ですが、左側の席は切り立った断崖と空を駆けて行く様子から何をも寄せ付けない神々しさを感じ、どちらでも楽しむことができますよ。
ゴルナーグラード鉄道は、全長9.34km、標高差1,485m。アプト式ラックレールという特殊なギザギザの歯のレールを約33分で登っていきます。途中4つの駅があり、それぞれの駅で乗降車が可能です。
夏場は花咲く高山植物とともに氷河の世界も同時に楽しむことができます。途中のローテンボーデン駅から続くハイキングコースでは、リッフェル湖で高い透明度を誇る湖面にマッターホルンが見られ、「逆さ富士」ならぬ「逆さマッターホルン」として人気を集めています。
写真:ろぼたん
地図を見るゴルナーグラード鉄道の出発駅がある山岳リゾート、ツェルマット。ここではガソリン車の乗り入れが禁止されており、澄み切った空気すら輝いて感じます。すっくと立って、街を見下ろすマッターホルンの様子は、富士山にも通じるものがあり、日本人の心を打つ姿ですよ。
ここでは、是非早起きをして、マッターホルンが赤く染まる朝焼けを楽しみたいところ。周囲はまだ暗闇。そこに一筋の光がマッターホルンの頂上に当たる瞬間は、まさに神秘の世界!
ツェルマットの西側に位置するマッターホルンの三角錐の頂が真っ赤に染まり、山肌全体に燃える赤色が染まっていく様子は息を呑むような美しさです。ただし、この時間はわずか10分程度。すぐに白みが明けてツェルマットの静かな朝がやってきます。
写真:ろぼたん
地図を見るマッターホルンをはじめ、スイス最高峰のモンテ・ローザなどを含む4,000m級の山々を望むことのできるゴルナーグラード展望台。ここから望むゴルナー氷河の世界も絶景です。頂上からは360度のアルプスのパノラマが広がっています。
写真:ろぼたん
地図を見る標高4,478mの切り立ったマッターホルンの雄姿を満喫できるゴルナーグラード展望台自体も高さ標高3,089m。富士山の標高が3,776 mなのでかなりの標高です。展望台から頂上までは徒歩5分程度で行くことができますが、パックツアーなどの強行軍で訪れた場合は、身体が標高に慣れていないこともありますので、ゆっくり歩くことを心がけましょう。
この展望台ではレストランやホテルもあり、自然が作り出した造形美、マッターホルンを心行くまで楽しむことが出来ますよ。
天候にさえ恵まれれば、鉄道網が3,000mを超える高所まで整備されているスイスでは、登山家でなければ望めないような絶景を山の初心者でも味わうことができ、一度体験したら忘れられない感動が待っています。
登山鉄道や氷河鉄道などでスイス全土を巡る旅も、アルプスの麓の村里を拠点にハイキングを楽しむ旅もどちらも心に残る素晴らしい旅になりますよ。
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(2024/3/19更新)
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