CMの庭園に国宝絵画の「智積院」は、充実した宿坊体験もお勧め!

CMの庭園に国宝絵画の「智積院」は、充実した宿坊体験もお勧め!

更新日:2021/04/06 11:15

万葉 りえのプロフィール写真 万葉 りえ レトロ建築探訪家、地域の魅力伝え人
某大女優が登場する化粧品のCMで、あでやかな着物姿の後ろで輝き広がる庭園。それこそが今回ご紹介する智積院の敷地内に広がる名勝庭園です。しかも智積院は庭だけでなく、大書院の建物等から国宝の絵画まで見るべき場所が充実し、JRやビールのCMにも。

そんな智積院にある宿坊が2020年秋にグランドオープン。それは、まるでホテル!こんなことをいうと失礼かも知れませんが、ここはお得に京都を体感できる場所です。

国宝絵画を遮るものなく、音声解説でも堪能できる収蔵庫

国宝絵画を遮るものなく、音声解説でも堪能できる収蔵庫

写真:万葉 りえ

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智積院(ちしゃくいん)があるのは、国立博物館や三十三間堂のすぐそば。京都駅からバスで10分という便利な場所です。

拝観受付を過ぎたら、まずはすぐそばにある収蔵庫へ向かいましょう。
室内には桃山時代に長谷川等伯(はせがわとうはく)達が描いた国宝も含む障壁画類が収蔵されているのですが、25面にもわたって周りをぐるっと取り囲んでいるという何ともぜいたくな鑑賞空間になっています。

よくあるガラス越しではありません。絵画を傷めないように室内ごと空調が管理されているので、遮るものがない状態で豪華な絵を見ることができるのです。ですから、画家の筆使いや顔料が塗り重ねられた様子もしっかり。
しかも、音声ガイダンスが付いているので、桃山時代の絵画についてよく知らなくても、描かれた当時のことや鑑賞のポイントなども教えてくれるという丁寧さ!

国宝絵画を遮るものなく、音声解説でも堪能できる収蔵庫

写真:万葉 りえ

絵画を見た後は、あのCMでつかわれた庭を見に講堂のほうへ足を向けましょう。

大書院に入ると、開かれた縁側のむこうに築山や滝をあしらった庭園が目に入ってきます。しかし、その前に室内を紹介させてください。
収蔵庫で見てきた障壁画のいくつかが複製され、こちらの大書院で当時のような豪華絢爛な色彩で見ることができるのです。収蔵庫の絵画は撮影できませんが、こちらは撮影可。豪華な襖絵をバックに写真をとれる、貴重な場所です。

さすが、美を伝えるCMに使われた庭

さすが、美を伝えるCMに使われた庭

写真:万葉 りえ

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化粧品のCMで、着物をまとった大女優が滑るように歩いていく場面の背景になっていたのが、大書院から見える利休好みといわれている庭です。

築山からは滝が流れ落ち、まるで見ている人を深山へといざなうよう。どの季節も美しい庭ですが、一段と華やかになるのが5月から6月にかけてのサツキやツツジが咲くころ。

さすが、美を伝えるCMに使われた庭

写真:万葉 りえ

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池の水は書院の下まで入りこみ、一枚岩の橋がかけられて、高低差を使って作られた庭にはあちこちに細かい匠のこだわりが見られます。それなのに全体を眺めると、雄大さを感じさせる不思議さ。

この庭を眺めていると、多くの人がゆったりとした気持ちになるようです。ほーっと深く息を吐いて、しばし時間をわすれてみませんか。

成田山新勝寺や川崎大師などの総本山智積院

成田山新勝寺や川崎大師などの総本山智積院

写真:万葉 りえ

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国宝を含む障壁画やCMで使われた名勝庭園だけでなく、智積院では大書院と講堂や大玄関などがわたり廊下でつながり、見て回ることができるようになっています。

普段は閉じられているのですが、立派な総門が東大路通に面して建てられています。その総門から入った賓客をむかえるように大玄関が造られています。
成田山新勝寺や川崎大師平門寺なども含む、全国に末寺を三千以上持つ真言宗智山派の総本山智積院。大玄関を見るだけでもこの寺の大きさがよくわかるでしょう。

成田山新勝寺や川崎大師などの総本山智積院

写真:万葉 りえ

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建物を巡る間には、先ほどの利休好みの庭とは違う庭も配されています。現代日本画家・後藤順一氏が描いた日本画もあります。やさしい色合いの日本の風景を、落ち着いた雰囲気で見ることができます。

普通では味わえない 贅沢な宿坊体験

普通では味わえない 贅沢な宿坊体験

写真:万葉 りえ

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一般の拝観だけでも十分に見ごたえがある智積院。しかし、もし京都での宿泊を予定されているのなら、宿坊も体験してみませんか。
宿坊といっても、相部屋ではありません。宿坊用の施設(智積院会館)が整えられていて、リニューアルされた各部屋は洋室・和洋室ともほとんどホテル!

朝のお勤めに参加できますが、これが、普段できないこととあって人気です!京都随一といわれる、大勢の修行僧によるお勤めは他では体験できません。

普通では味わえない 贅沢な宿坊体験

写真:万葉 りえ

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また、智積院は奥にも行堂や明王堂などがあり、かなり広いお寺。お勤めが終わった後は、修行僧の方々が朝の清々しい空気の中で丁寧に清掃されています。そこを説明していただきながら巡っていくのもなかなか出来ない体験。もちろん収蔵庫にある国宝絵画や名勝庭園も詳しいお話を聞きながら見せていただけます。
そして、その後にはお茶の接待まで。

京都市内で、こんなに印象深く、ぜいたくな体験ができる所はそんなにないのでは。

CMで福山雅治氏の背景になった国宝級絵画

CMで福山雅治氏の背景になった国宝級絵画

写真:万葉 りえ

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化粧品のCMだけではありません。JRの「そうだ京都、行こう。」のキャンペーン、そして、ビールのCMでは国宝級の絵画の前で福山雅治氏の撮影も行われた智積院。庭園と絵画の見学だけでも、十分見ごたえがあるお寺です。

さらに、京都での宿泊を考えているなら、普通の宿では絶対に味わえない体験もできます。

きっと、京都をたっぷりと感じられるだけでなく、思い出深い旅になることでしょう。

智積院の基本情報

住所:京都府京都市東山区東大路通七条下ル東瓦町964
時間:9:00〜16:00
アクセス:JR京都駅から東に約1km

2021年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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