中世の街並みが美しい白磁器の発祥地!ドイツ「マイセン」で磁器の歴史を辿る

中世の街並みが美しい白磁器の発祥地!ドイツ「マイセン」で磁器の歴史を辿る

更新日:2015/12/15 15:33

「マイセン」と聞くと思い浮かぶのは白磁器でしょうか。そう、世界的に有名なその磁器の名は発祥地である街の名からつけられました。

ドイツの東側、ザクセン州にある街マイセンは、名実ともに西洋白磁器の頂点に君臨するその磁器であまりにも有名ですが、歴史ある城や中世の面影が残る素敵な街並みもこの街の魅力。

今回はそんなマイセンの街をご紹介しましょう。

エルベ川沿いの美しい景色

エルベ川沿いの美しい景色
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マイセンはザクセン王国の古都ドレスデンから列車で約30分ほどのところにあります。

街はエルベ川沿いにあり、街の中心部である旧市街へはマイセン中央駅から川を挟んで反対側。中心部へは川にかかる橋を渡ることになるのですが、この橋からの景色が大変美しく、訪れる人々を魅了します。
川沿いの丘の上に一際存在感を放ちそびえ建っているのが、この街の象徴であるアルブレヒト城とそれに寄り添う大聖堂。赤茶色の屋根が並ぶ景色はまるで絵画のようです。

第二次世界大戦での被害が奇跡的に少なかったことで古い家並みが残る旧市街は、石畳の道と木組みの家が中世の雰囲気を感じさせてくれます。
露店や雑貨屋が並ぶ通りをゆっくりと散策しましょう。

マイセン磁器製造の原点となったアルブレヒト城

マイセン磁器製造の原点となったアルブレヒト城
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街の中心から10分ほど坂をあがったエルベ川を見下ろす丘の上にアルブレヒト城はあります。
修復を繰り返しているため外観は新しく見えますが、15世紀に建てられたため、優に500年以上は経っている歴史ある後期ゴシック様式の建築物です。

実はこの城、この街の有名な磁器「マイセン」の原点となっています。
17世紀ごろの西洋社会では、中国の磁器や日本の伊万里などが憧れの芸術品とされていました。
ヨーロッパ各国が競って白磁器製造開発に乗り出す中、ドイツのザクセン選帝侯アウグスト強王も錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーに白磁器を作るように命じます。その頃のヨーロッパでは薄くて硬質な白磁器を作る技術がありませんでしたが、長い間研究を続けたベドガーはその製造についに成功することになります。そしてその翌年、アウグスト強王は製法を国外に漏らさないようにするために、アルブレヒト城内に磁器工房を設立しベドガーを幽閉したのです。

城内にはその歴史が感じられる壁画が描かれている他、苦心の末生み出された白磁器も展示されています。美しい磁器の誕生の裏にある歴史に触れながら城内を周ってみてはいかがでしょう。

アルブレヒト城に寄り添う大聖堂

アルブレヒト城に寄り添う大聖堂
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遠くから見るとアルブレヒト城と一体になっているように見えますが、城に寄り添うように大聖堂が建てられています。

大聖堂はゴシック様式の建築物で、1260年から建設が開始され1410年に完成。一際年月の感じられる風貌の印象的な2つの尖塔は20世紀初頭に建設されました。

大聖堂内はシンプルながらも、ステンドグラスから入る日の光が美しい、天上の高い広々とした空間になっています。聖人や司教の像やテンペラ画の他に、祭壇にはマイセン磁器で造られた十字架像と燭台がります。パイプオルガンもあり、日によってはコンサートもおこなわれています。

アルブレヒト城を訪れた際には大聖堂に立ち寄り、その静謐で美しい空間に身を置くことをおすすめします。

磁器の製作工程からその歴史まで体感できるマイセン磁器工場

磁器の製作工程からその歴史まで体感できるマイセン磁器工場
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マイセンに来たらマイセン磁器工場はやはり外せません。
1階がショッピングエリアと工房、2・3階が博物館となっており、マイセン磁器の製作工程からその歴史まで存分に知ることができます。

まずは見学用工房ツアーに参加しましょう。
工房は製作工程ごとに部屋が分かれており、基本型の造形や人形の製作から絵付けまで、それぞれの工程の職人さんが実際に製作しているところを目の前で見ることができます。
日本語のガイダンスも用意されているので、ヘッドフォンで説明を聞きながら見学できますよ。

マイセン磁器ができるまでの工程を体感した後は、2・3階の展示スペースに移動しましょう。
常時約3000点が展示されている博物館には、初期の作品から傑作品・限定品など貴重で美しい多くの磁器が展示されています。マイセン磁器というと青いたまねぎ模様の「ブルーオニオン」がよく知られていますが、それ以外にも時代ごとに様々なデザインや異なる発色の磁器が作られていたことがわかります。象徴となっている「青い双剣マーク」も変遷があり、まさにマイセン磁器の歴史に触れることのできる展示となっています。

さて、素敵な磁器の歴史に触れていると購買意欲が湧いてくるかと思います。1階には充実の品揃えを誇るショッピングエリアがあります。とはいえ、世界的に有名なだけあって、マイセン磁器は高価です。素敵だけど高くて手が届かない、というようなときはアウトレットショップもありますので、お気に入りの磁器との出会いを探してみてはいかがでしょう。

工場内にはカフェもあるので、見学後に一息つくのもおすすめです。

最後に

世界的に有名な白磁器を筆頭に、中世の面影が残る街並みや城が魅力的な街マイセン。

時間に余裕があるのであれば、ドレスデンからエルベ川を船で行くこともできますので、より優雅な時間を過ごせますよ。

歴史が色濃く残る街の雰囲気や文化に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/11/06 訪問

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